こどもの音声

コドモ ノ オンセイ

こどもの音声の表紙
その他
著者:
日本音響学会(ニホン オンキョウ ガッカイ)
出版社:
コロナ社
出版日:
2019年03月
ISBN:
9784339013412
シリーズ:
音響サイエンスシリーズ
在庫:
在庫あり
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書籍紹介

行動や脳機能の計測、計算機シミュレーションなどの研究方法から始めて、乳幼児期の言語音声の獲得過程、感情や情動の発達、発達と音楽の親和性、発達障害や聴覚障害を取り上げ、こどもの音声発達に焦点を当てて解説した。

技書の森解説

『こどもの音声』 (日本音響学会 編、麦谷 綾子 編著、コロナ社、2019 年 3 月刊) は、コロナ社の音響サイエンスシリーズの 21 巻で、こどもが音声を聞き分け、声を出し、言葉や感情を伝えられるようになるまでの音声発達を、研究手法とあわせて解説する専門書です。編著者のまえがきには、音声発達そのものに焦点を当てて一冊のすべてを充てた本はほとんど無かったとあります。執筆は麦谷 綾子、保前 文高、廣谷 定男、佐藤 裕、白勢 彩子、田中 章浩、山本 寿子、梶川 祥世、今泉 敏、立入 哉の 10 名です。

全 5 章の構成、研究手法から障害と音声まで

本文は 5 章です。1 章「こどもの音声研究手法」は、行動指標を用いた音声知覚の研究法、脳機能計測を用いた研究手法、生成発達の研究手法の 3 節で、乳児と幼児それぞれに使える知覚の計測手法、ラベリングと音響分析、音声言語獲得シミュレーションを扱います。2 章「言語音声」は胎児期から誕生までの聴覚器官の発達、音韻と韻律の知覚、日本語音声の知覚発達を経て、乳児期の生成発達と、幼児期の母音と子音の発音、音節構造、アクセントの発達をたどります。3 章「感情」は感情とプロソディの対応から、乳児の感情音声への敏感性、幼児期と児童期の理解の発達、感情音声の産出までを扱います。4 章「音楽」は養育者による対乳児歌唱、リズムやピッチやメロディの認知、歌唱、音楽と言語や社会性の関わりを、5 章「障害と音声」は自閉症スペクトラム障害 (ASD) と発達性吃音、こどもの聴覚障害と補聴デバイス、聴覚障害児教育における発音発語指導の略史を取り上げます。各章の末尾に引用 / 参考文献があり、巻末に索引が付きます。

2 章の声道の発達と 1 章の知覚の計測

こどもは声道が短く声帯も小さいため、声の高さを決める基本周波数も、母音の音色を決めるフォルマントも大人より高い側にあります。本書の 2 章にも、声帯と声道の発達に伴う音響変化を扱う項があります。乳児の知覚は、音が変わったときに見つめる時間や振り向きといった行動、あるいは脳の血流や電位の変化から読み取ります。1 章はその行動指標と脳機能計測の両方に節を設けています。1 章の音声言語獲得シミュレーションは、計算機でこどもの音声の獲得の過程を再現する研究手法です。ニューラルネットワーク は脳の神経細胞のつながりをまねた計算のモデルで、機械学習 はこうしたモデルがデータから規則を学ぶ仕組みです。

まえがきの記述と章末の引用 / 参考文献

まえがきは想定する読者として、音響系、言語系、医学系、心理系、臨床系の研究者と大学院生と大学生、そして音声に興味を持つ幅広い背景の読者を挙げ、各著者ができるだけ平易な表現で書いたと述べています。各章の末尾には引用 / 参考文献があります。

本書は、こどもの音声を調べる手法と、言語音声、感情、音楽、障害という 4 つの領域の知見を、全 5 章と章ごとの引用 / 参考文献に収めています。

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