情報セキュリティ読本 六訂版の表紙

情報セキュリティ読本 六訂版(ジョウホウセキュリティドクホン ロクテイバン)

IT 時代の危機管理入門

セキュリティ
著者:
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)(ドクリツギョウセイホウジン ジョウホウショリスイシンキコウ アイピーエー)
出版社:
実教出版
出版日:
2022年10月24日頃
ISBN:
9784407361179
在庫:
在庫あり
4.33(4 件 / 楽天ブックス)

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書籍紹介

情報セキュリティの基本をコンパクトにまとめた入門書。気軽に読み進めるだけで情報セキュリティの全体像を把握できる。技術的なしくみなど文章ではわかりにくい内容については、イラストや図解で解説。六訂版ではテレワークのセキュリティやゼロトラストの内容を加えた。
教育機関の教材、企業の新入社員や管理職の研修用にも役立てられる。

巻末の用語集は、セキュリティ関連の資料を読む際にも役立つ。

技書の森解説

セキュリティ教育の教材を選ぶとき、内容の正確さと、特定ベンダーの製品に寄らない中立性をどう担保するかが最初の関門になります。『情報セキュリティ読本 六訂版』 (実教出版、 2022 年 10 月刊) は、情報セキュリティ施策を担う公的機関である独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) 自身が著した入門書で、副題は「 IT 時代の危機管理入門」。フィッシング詐欺やランサムウェアといった被害実例から、個人と組織の対策、セキュリティ技術、法規と制度までを、気軽に通読できる分量にまとめています。

全 7 章と巻末資料の構成、被害実例から法制度・ IPA の活動まで

第 1 章は狙われる Web サイト、巧妙化するフィッシング詐欺、ビジネスメール詐欺、ランサムウェア、テレワーク環境への攻撃という被害実例からリスクの現実を示します。第 2 章で 情報セキュリティ の基本概念と情報資産・リスク・インシデントを整理し、第 3 章はマルウェアや標的型攻撃、スマートフォン、無線 LAN といった個人レベルの対策、第 4 章は組織の一員としての対策を計画・実行・点検・処置の流れで扱います。第 5 章は認証とパスワード、攻撃手法、ファイアウォール、暗号とディジタル署名というセキュリティ技術の基礎、第 6 章は不正アクセス禁止法、個人情報保護法、サイバーセキュリティ基本法などの法律と ISMS 適合性評価制度をはじめとする諸制度、第 7 章は IPA セキュリティセンターの活動です。巻末には情報セキュリティ関連の URL 集と用語集が付き、読了後にセキュリティ関連の資料を読む際の辞書代わりになります。

六訂版の改訂点と、変化する脅威を読むときの注意

版元の紹介文によれば、六訂版ではテレワークのセキュリティとゼロトラストの内容が加わりました。オフィスの外で働くことが常態化し、社内ネットワークの境界だけを守る発想が通用しなくなった時期の改訂であり、境界防御からゼロトラストへという考え方の転換を入門レベルで押さえられます。一方で、攻撃手口や法制度は変化の速い領域です。本書の記述は 2022 年 10 月の刊行時点の脅威動向と制度を前提としているため、個別の手口や制度の詳細は公的機関が公開する新しい資料で補いながら読む使い方が安全です。この読み方の注意自体が、脆弱性と攻撃がいたちごっこを続けるこの分野の性質でもあります。

向いている読者、新入社員研修や授業の教材にも

版元は教育機関の教材、企業の新入社員や管理職の研修用への利用を明示しています。技術的なしくみは文章だけでなくイラストや図解で解説されるため、専門職でない読者も途中で振り落とされにくい構成です。組織の全員に最低限のセキュリティ知識を持たせたい研修担当者にとって、公的機関の著作であることは教材の中立性を説明しやすい材料になります。個人にとっても、学び始めの一歩目として手に取りやすい分量です。逆に、資格試験レベルの網羅性や、攻撃・防御の技術的な深掘りを求める人には物足りず、より専門的な書籍を重ねる前提で位置づける本です。

セキュリティは担当部署だけの仕事ではなく、メールを開く全員が防御の一部という時代の底上げ教材として、本書は「正確で、中立で、読み切れる」という実務条件をよく満たします。ここから Web 開発の実装寄りに進みたい読者には、セキュリティ本の選び方 が次の一冊探しの参考になります。研修の標準教材を探している担当者と、セキュリティの全体像を短時間でつかみたい社会人・学生に、最初の 1 冊として薦めやすい本です。

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