ネットワークダイナミクス入門

ネットワークダイナミクスニュウモン

ネットワークダイナミクス入門の表紙
ネットワーク
著者:
会田 雅樹(アイダ マサキ)
出版社:
森北出版
出版日:
2020年03月17日頃
ISBN:
9784627855113
在庫:
在庫あり
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総合1641位

書籍紹介

どのようなネットワークからどのようなダイナミクスが生み出されるのか, 基礎理論を初歩から解説.さまざまなネットワークに共通した性質に注目することで, ダイナミクスを体系的に分析する, これまでにない入門書.

〈本書の特徴〉
●初歩的な物理学での拡散や振動の説明から始めることで, 具体的なイメージをつかみながらネットワーク上でおこる現象を理解できる.

●グラフ理論やスペクトルグラフ理論などの予備知識も, 計算例を交えながらわかりやすく解説.

●ダイナミクスの分析だけでなく, 観測結果から逆にネットワークの構造を推定する応用技術も紹介.

第 1 章 序論と動機

第 2 章 ネットワーク分析の基礎知識

第 3 章 スペクトルグラフ理論の基礎知識

第 4 章 無向グラフ上の拡散現象

第 5 章 有向グラフとマルコフ連鎖

第 6 章 無向グラフ上の波動方程式

第 7 章 対称化可能な有向グラフ上の振動モデル

第 8 章 対称化可能な有向グラフ上の減衰振動モデル

第 9 章 対称化可能でない有向グラフ上の振動モデル

第 10 章 爆発的なユーザダイナミクスの対策技術

第 11 章 ネットワーク上の振動モデルの基礎方程式

第 12 章 固有値が縮退したネットワーク上の振動モデルとその応用

第 13 章 ネットワーク共鳴法

第 14 章 圧縮センシングを用いた社会ネットワーク構造推定

付録

技書の森解説

人と人のつながりも、コンピューターどうしをつなぐ通信の ネットワーク も、ノードとエッジのグラフとして表せます。『ネットワークダイナミクス入門』 (会田 雅樹 著、森北出版、2020 年 3 月 17 日発売) は、どのようなネットワークからどのようなダイナミクスが生み出されるのかを、基礎理論から順に解説する教科書です。版元は本書を、さまざまなネットワークに共通した性質に注目してダイナミクスを体系的に分析する入門書と紹介しています。刊行時の版元の著者紹介では、著者は東京都立大学教授で、工学の博士です。

全 14 章の構成、拡散現象から社会ネットワークの構造推定まで

目次は全 14 章と付録です。第 1 章「序論と動機」に続き、第 2 章「ネットワーク分析の基礎知識」と第 3 章「スペクトルグラフ理論の基礎知識」で分析の道具を整えます。そのうえで第 4 章「無向グラフ上の拡散現象」、第 5 章「有向グラフとマルコフ連鎖」、第 6 章「無向グラフ上の波動方程式」と進み、第 7 章から第 9 章では対称化可能な有向グラフと対称化可能でない有向グラフの上の振動モデルを扱います (第 8 章は減衰振動モデル)。続く第 10 章は「爆発的なユーザダイナミクスの対策技術」、第 11 章は「ネットワーク上の振動モデルの基礎方程式」、第 12 章は「固有値が縮退したネットワーク上の振動モデルとその応用」、第 13 章は「ネットワーク共鳴法」で、最後の第 14 章が「圧縮センシングを用いた社会ネットワーク構造推定」です。

グラフの固有値で現象を読むスペクトルグラフ理論

ノードとエッジで表したグラフの最短経路や接続性を調べる手法は グラフアルゴリズム として整理されていますが、ネットワークの上で量が時間とともにどう広がり、どう揺れるかを問うには別の道具が要ります。その中心にあるのが、グラフを行列で表し、その固有値と固有ベクトルからグラフの性質を読み取るスペクトルグラフ理論です。たとえばグラフラプラシアンと呼ばれる行列を使うと、熱が隣のノードへ流れるような拡散は線形の微分方程式として書け、固有値の大きさが各成分の減衰の速さを決めます。振動の問題では、固有値が固有振動の周波数に対応します。無向グラフの行列は対称で固有値が実数になりますが、有向グラフの行列は一般に対称ではなく、対称な形に変換できるかどうかで解析の見通しが変わります。目次も、対称化可能な有向グラフと対称化可能でない有向グラフで章を分けています。

物理の拡散と振動から入り、観測から構造を推定する応用へ

版元が挙げる本書の特徴は 3 つあります。初歩的な物理学での拡散や振動の説明から始めて、具体的なイメージをつかみながらネットワーク上の現象を理解できること。グラフ理論やスペクトルグラフ理論などの予備知識を、計算例を交えて解説していること。そして、ダイナミクスの分析だけでなく、観測結果から逆にネットワークの構造を推定する応用技術も紹介していることです。目次の章題では、第 14 章の圧縮センシングを用いた社会ネットワーク構造推定がこの応用にあたります。構造からふるまいを予測する問題に対して、観測されたふるまいから構造を推し量る問題は逆問題と呼ばれます。圧縮センシングは、未知の量の多くがゼロであるという疎性を手がかりに少ない観測から元の信号を復元する枠組みで、本書の第 14 章はこれを社会ネットワークの構造推定に用います。

版元の案内する予備知識と、本書の範囲

題材は、行列の固有値と微分方程式で書かれる現象です。予備知識は本文で計算例を交えて補われると版元は案内しています。目次にプログラミング言語やツールの使い方を主題にした章はありません。版元の案内のとおり、初歩的な物理学の拡散や振動の説明から、スペクトルグラフ理論、観測結果からネットワークの構造を推定する応用までを全 14 章で扱う教科書です。

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