AWS Copilot
コンテナアプリケーションを ECS / Fargate にデプロイするための AWS CLI ツール。2026 年 6 月 12 日にサポート終了
AWS Copilot とは
AWS Copilot は、コンテナアプリケーションを ECS / Fargate にデプロイするための CLI ツールである。VPC、ALB、ECS クラスター、ECR リポジトリ、CI/CD パイプラインを自動的に構築する。SAM が Lambda 向けであるように、Copilot は ECS 向けのデプロイツールだ。
ただし AWS Copilot CLI は 2026 年 6 月 12 日にサポート終了となった。以降は更新もセキュリティパッチも技術サポートも提供されず、GitHub の aws/copilot-cli リポジトリもアーカイブ済みである (2026 年 8 月時点)。新規プロジェクトで選ぶ対象ではない。コンテナイメージを渡すだけで ALB・オートスケーリング・ドメインまで揃う体験を求めるなら Amazon ECS Express Mode が最も近く、manifest.yml のように構成をコードで持ち続けたいなら AWS CDK や CloudFormation のテンプレートへ移すのが移行先になる。以下は、稼働中の Copilot 環境を読み解き移行を判断するための記録として残す。
SAM との比較
SAM との主な違いを以下に比較する。
| 観点 | AWS Copilot | AWS SAM |
|---|---|---|
| 対象 | ECS / Fargate | Lambda |
| 設定ファイル | manifest.yml | template.yaml |
| インフラ | 自動構築 (VPC, ALB, ECS) | 自動構築 (API Gateway, Lambda) |
| コンテナ | 必須 | オプション |
| 用途 | 常時稼働サービス | イベント駆動関数 |
基本的なワークフロー
基本的なワークフローの例を示す。
# アプリケーションの初期化
copilot app init myapp
# サービスの作成 (Dockerfile から自動検出)
copilot svc init --name api --svc-type "Load Balanced Web Service"
# 環境の作成 (VPC, ECS クラスター, ALB を自動構築)
copilot env init --name dev
# デプロイ
copilot svc deploy --name api --env dev
manifest.yml
manifest.yml の例を示す。
name: api
type: Load Balanced Web Service
image:
build: Dockerfile
port: 3000
http:
path: '/'
healthcheck: '/healthz'
cpu: 256
memory: 512
count:
range: 1-10
cpu_percentage: 70
variables:
NODE_ENV: production
secrets:
DATABASE_URL: /copilot/myapp/dev/secrets/db-url
サービスタイプ
サービスタイプを以下に示す。
| タイプ | 説明 | 用途 |
|---|---|---|
| Load Balanced Web Service | ALB + Fargate | Web API |
| Backend Service | Fargate (ALB なし) | 内部サービス |
| Worker Service | SQS + Fargate | 非同期処理 |
| Request-Driven Web Service | App Runner (2026 年時点で新規の受付を終了) | 既に App Runner を使っている低トラフィックの API |
| Static Site | S3 + CloudFront | 静的サイト |
CI/CD パイプライン
CI/CD パイプラインの例を示す。
copilot pipeline init
copilot pipeline deploy
CodePipeline + CodeBuild のパイプラインが自動構築され、Git プッシュで自動デプロイされる。
Copilot が噛み合っていたケースと移行先
Copilot が噛み合っていたのは、コンテナアプリを ECS に載せたいだけで、VPC・ALB・ECS クラスターの構築は自動化したい小〜中規模チームだった。逆に、Lambda ベースのサーバーレス構成や、細かいインフラ制御が必要な場合、既存の ECS クラスターに相乗りしたい場合には元から向かない。
移行の判断はこの向き不向きがそのまま効く。自動化の恩恵だけを受けていた環境は ECS Express Mode へ寄せるのが素直で、Copilot が裏で作る CloudFormation スタックに手を入れて使い込んでいた環境は、そのテンプレートを CDK 側へ引き取って管理を自前に戻すことになる。
AWS Copilot の背景や設計思想は関連書籍に詳しい。
この記事は役に立ちましたか?
関連用語
コンテナ
アプリケーションとその依存関係をパッケージ化し、環境に依存しない一貫した実行環境を提供する仮想化技術
ECR
AWS のマネージドコンテナレジストリで、Docker イメージを安全に保存 / 管理 / 配信する
Dockerfile
Docker イメージのビルド手順を記述するテキストファイルで、アプリケーションの実行環境を再現可能にする
ECS
AWS のマネージドコンテナオーケストレーションサービスで、Docker コンテナを実行 / 管理する
CodePipeline
AWS のマネージド CI/CD サービスで、ソースからデプロイまでのパイプラインを自動化する
コンテナオーケストレーション
コンテナのデプロイ、スケーリング、ネットワーキングを自動管理するプラットフォーム
関連する記事
AWS 本の選び方 - 全体像 / 構築 / 設計 / 運用 / セキュリティの 5 視点
AWS を学ぶ技術書の選び方を「全体像 / 構築 / 設計 / 運用 / セキュリティ」の 5 視点で整理。公式ドキュメントと本の役割分担、資格対策書の位置づけまで、2026 年 8 月時点の定番書で AWS 独学のルートを解説します。
インフラ / クラウド本ガイド - AWS や Docker を本で学ぶ
クラウドインフラ、コンテナ、IaC を学べる技術書の選び方と学習順序を紹介。インフラ本の賞味期限問題と公式ドキュメントとの使い分けも解説します。
体系的に学ぶ 安全な Web アプリケーションの作り方 第 2 版は初版と何が違うか - 買い直し判断ガイド
通称「徳丸本」こと体系的に学ぶ 安全な Web アプリケーションの作り方 第 2 版 (2018 年) と初版 (2011 年) の違いを出版社公表の改訂内容から整理。章の削除 / 新設 / 追加点の一覧と、初版所有者が買い直すべきかの判断基準を解説します。