LangChain

大規模言語モデルを使ったアプリ開発を支援するフレームワーク

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LangChain とは

LangChain (ラングチェーン) は、大規模言語モデル (LLM) を活用したアプリケーションの開発を支援するフレームワークだ。最初の版が公開されたのは 2022 年 10 月で、MIT ライセンスのオープンソースとして開発されている。LLM を単に呼び出すだけでなく、外部データの参照・複数ステップの処理・ツール連携などを組み合わせた実用的なアプリを構築しやすくする部品群を提供する。

解決する課題

LLM 単体には、学習時点までの知識しか持たない・最新情報や社内データを参照できない、といった限界がある。LangChain は、これらを補う仕組みを部品として用意する。

機能役割
プロンプト管理指示の組み立てを整理する
モデルの抽象化呼び出し口をそろえ、提供元の差を吸収する
外部データ連携文書検索 (RAG) などと接続
ツール利用検索や計算など外部機能を呼ぶ
エージェントモデルにツールを選ばせ、結果を見て次を決めさせる

これにより「社内文書を踏まえて回答する」「複数の手順を経て答えを導く」といったアプリを組み立てやすくなる。

版とパッケージ構成の変化が大きい

この分野では珍しくないが、LangChain は構成そのものが何度も組み替えられてきた。単一の大きなライブラリだった時期を経て、現在は抽象とインターフェースを担う langchain-core、提供元ごとの実装 (langchain-openai や langchain-anthropic など)、周辺連携を集めた langchain-community に分かれている。バージョン 1.0 は 2025 年 10 月、2026 年 8 月時点の最新は 1.3 系だ。

このため、入門記事やサンプルコードを読むときは、それがどの版を前提にしているかを最初に確認した方がよい。動かないコードの原因が自分の書き間違いではなく、記事の版が古いだけという場面が起きやすい。

LangGraph・LangSmith との関係

同じ提供元から関連する道具が出ており、役割の違いを押さえると選びやすくなる。

名称位置づけ
LangChainエージェントやモデル呼び出しの標準的な組み立て口
LangGraph状態と分岐を細かく制御する低レベルのオーケストレーション
LangSmith実行の記録・デバッグ・評価を担う可観測性の仕組み

公式ドキュメントの説明では、LangChain のエージェントは LangGraph の上に構築されており、途中で人の承認を挟む処理や状態の永続化はその層が受け持つ (2026 年 8 月時点)。単純な流れなら LangChain 側の組み立てで足り、複雑な分岐や中断・再開が必要になった段階で LangGraph を直接触る、という順序になる。

RAG との関係

LangChain は、検索拡張生成 (RAG) を実装する際によく使われる。RAG は、質問に関連する文書を検索し、その内容を踏まえて LLM に回答させる手法だ。ここで効いているのは「検索で拾った文章をプロンプトに差し込む」という単純な仕組みなので、検索が的を外せば、根拠のない回答がそのまま返ってくる。LangChain が部品化しているのは文書の分割・埋め込み・検索・プロンプト差し込みまでのつなぎであり、検索の精度そのものは利用側の設計に残る。

採用時の注意点

抽象化の層が厚く、内部で何が起きているか見えにくくなることがある。単純な用途では、LLM の API を直接呼ぶ方がシンプルで保守しやすい場合も多い。更新が速くバージョン間で書き方が変わる点も踏まえ、「フレームワークありき」ではなく、作りたいものの複雑さに見合った選択をしたい。ツールの操作をモデルに任せる構成では、呼び出せる範囲を絞る権限設計と、実行前に人が確認する経路の用意が欠かせない。

判断の目安としては、呼び出しが 1 往復で済み、差し替えたい提供元も 1 つなら直接呼び出しで十分だ。複数の提供元を切り替える、途中の状態を保存して再開する、実行過程を記録して評価する、といった要件が出てきた時点でフレームワークの利点が上回りはじめる。

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