TensorFlow

Google が開発した深層学習フレームワーク。研究から本番運用まで幅広く対応

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TensorFlow とは

TensorFlow (テンソルフロー) は、Google が公開した機械学習・ディープラーニングのフレームワークだ。ニューラルネットワークの構築・学習・推論を支え、公開リポジトリは 2015 年 11 月に作られ、Apache License 2.0 のオープンソースとして配布されている。2026 年 8 月時点の最新安定版は 2026 年 3 月に公開された 2.21.0 系である。

公開時の Google の発表によれば、前身は 2011 年に作られた社内の学習基盤 DistBelief だった。DistBelief はニューラルネットワークに用途が限られ、設定が難しく、社内インフラと密に結びついていたため研究コードを外部と共有することがほぼ不可能だったという。TensorFlow はその欠点を正すための第 2 世代として設計され、汎用性・可搬性・オープンソース化を掲げて公開された。研究段階から本番システムへの組み込みまでを一貫して扱う姿勢は、この出自に由来する。公開時の技術文書も、携帯端末から数百台規模の分散システムまで、記述をほとんど変えずに同じ計算を実行できることを設計目標として挙げている。

特徴

特徴内容
本番運用への強さモバイル・Web・サーバーへ展開しやすい
エコシステム可視化や配信の周辺ツールが充実
高水準 APIKeras で簡潔にモデルを記述
計算最適化GPU/TPU での高速演算に対応

多様な配備先を同じ記述で狙える点が中心的な強みで、学習した重みを軽量な実行形式へ変換して端末上で推論させる、といった流れを公式の周辺ツールで組める。

Keras との関係は変わった

高水準インターフェースの Keras で少ないコードを書けることは、長らく TensorFlow を選ぶ理由として語られてきた。ここは前提が変わっている。Keras は 3.0 で複数の実行基盤に対応する構成へ移り、TensorFlow 側のリリースノートでも 2.16 から既定の Keras が 3.0 になったこと、従来の書き方を続けるなら別パッケージ (tf-keras) を入れる必要があることが明記された。

つまり「Keras で書きたいから TensorFlow」という選び方は、もう成立しない。Keras を使うかどうかと、その下で何を動かすかは別の選択になった。TensorFlow を選ぶ理由は、配備先の環境や周辺ツールとの噛み合わせで説明できるかどうかに移っている。

PyTorch との比較

観点TensorFlowPyTorch
強み本番運用・多環境展開柔軟さ・研究での扱いやすさ
傾向産業利用で足場を築いた公開される論文実装で採用例が多い

深層学習の二大フレームワークとされ、「本番は TensorFlow、研究は PyTorch」という色分けが広く語られてきた。ただしこれは公式に裏付けられた区分ではなく、両者が互いの長所を取り込んで近づいた結果、目安としても粗くなった通念だ。選ぶときは評判ではなく、自分が読んで改造したい公開実装がどちらで書かれているか、配備先や社内の運用基盤がどちらを前提にしているかで判断したほうが外れない。

学習・採用の指針

TensorFlow を活かすには、ディープラーニングの基礎 (層・損失・最適化など) の理解が前提になる。フレームワークの使い方を覚えるだけでは、モデルが学習しない原因を診断できない。

もう一つの実務的な注意は、版によって書き方が変わることだ。計算グラフを先に組み立ててから実行する 1 系の書き方は、2 系では即時に実行する方式へ置き換わり、既定の Keras も 3.0 へ切り替わった。リリースノートで削除が告知された API もある (2.16 では tf.estimator が取り除かれた)。手元で動かない原因の多くは理解不足ではなく、参照している解説がどの版を前提にしているかのずれにある。写す前に、その解説と自分の環境の版を突き合わせるところから始めたい。

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