チューリングの大聖堂

チユーリングノ ダイセイドウ

チューリングの大聖堂の表紙
その他
著者:
ジョージ・ダイソン / 吉田 三知世(ダイソン, ジヨージ / ヨシダ, ミチヨ)
出版社:
早川書房
出版日:
2013年02月22日頃
ISBN:
9784152093592
在庫:
在庫あり
3.67(21 件 / 楽天ブックス)

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書籍紹介

高等研究所などに収められた詳細な文献や写真資料、豊富なインタビュー取材をもとに、大戦後の混乱でこれまで必ずしも明らかでなかった歴史事情や、知られざる人々の肖像をちりばめて綴る、決定版コンピュータ「創世記」。

技書の森解説

『チューリングの大聖堂』 (ジョージ・ダイソン 著、吉田 三知世 訳、早川書房、2013 年 2 月刊) は、プリンストンの高等研究所でプログラム内蔵型コンピューターが作られた歴史を描くノンフィクションです。版元の書籍ページの見出しには「コンピューターの創造とデジタル世界の到来」が添えられ、国立国会図書館の書誌では原タイトルは TURING'S CATHEDRAL です。版元は本書を、高等研究所などに収められた詳細な文献や写真資料、豊富なインタビュー取材をもとに綴る、決定版コンピューター「創世記」と紹介しています。

チューリングの構想とフォン・ノイマンの高等研究所

版元の紹介文によれば、本書の軸は、数学者チューリングが構想した「チューリングマシン」を、フォン・ノイマンが「プログラム内蔵型」コンピューターとして現実の装置に創りあげた経緯です。紹介文は、それを可能にしたのが産業や学問のしきたりにとらわれないプリンストンの高等研究所という舞台であったとし、アインシュタインやゲーデルを擁した研究所がどのように自由性を得たのか、開発を支えた科学者と技術者がどのように関わったのかを問いとして掲げています。大戦後の混乱で必ずしも明らかでなかった歴史事情や、知られざる人々の肖像を描く点も、紹介文が挙げる特徴です。目次は「一九五三年」から始まり、「オルデン・ファーム」「ヴェブレンのサークル」「ノイマン・ヤーノシュ」「MANIAC」「フルド 219」「6J6」「V40」「低気圧の発生」「モンテカルロ」と続きます。

万能チューリングマシンから、プログラム内蔵方式の機械へ

チューリングが論文で示したのは、読み書きできるテープと有限個の状態だけを持つ抽象的な機械で、どんな計算手順もこの機械の動作として書けるという考え方でした。さらに、別の機械の動作の記述をテープから読み込んで、その機械と同じ計算をする万能機械が作れることも示しました。この発想は 計算機科学 の理論の基本概念です。フォン・ノイマンがまとめた EDVAC の報告書は、命令とデータを同じ記憶装置に収め、中央処理装置 が命令を一つずつ取り出して実行する構成を示しました。この構成は、のちにノイマン型と呼ばれます。

目次には「低気圧の発生」と「モンテカルロ」の章があります。モンテカルロ法は、乱数を使って多数の試行を重ねる計算の方法です。

翻訳の受賞と文庫版

版元の案内によれば、本書の翻訳は第 49 回日本翻訳出版文化賞を受賞し、2017 年 3 月にハヤカワ文庫 NF から上下 2 巻の文庫版が出ています。チューリングの構想から、フォン・ノイマンと高等研究所の科学者と技術者がプログラム内蔵型コンピューターを創りあげるまでの経緯を、文献と写真資料と取材をもとに描いています。

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