コンピュータのひみつ

コンピュータ ノ ヒミツ

コンピュータのひみつの表紙
その他
著者:
山本貴光(ヤマモト, タカミツ)
出版社:
朝日出版社
出版日:
2010年09月
ISBN:
9784255005447
在庫:
在庫あり
4.27(13 件 / 楽天ブックス)

なぜ注目されているか

言及数
1132位
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書籍紹介

これからの時代に、ずっと使える教養を身につける。

技書の森解説

『コンピュータのひみつ』 (山本貴光 著、朝日出版社、2010 年 9 月刊) は、コンピューターを毎日使っているのに仕組みはよく分からないという人に向けて、この道具の肝を講義の形でまとめた読み物です。版元の紹介文は、なぜ計算で音楽が聴けるのか、そもそもなぜ計算ができるのかという問いを掲げ、初歩から本質までを誰にでも分かる言葉で説くと案内しています。楽天ブックスの書誌に載る紹介は「これからの時代に、ずっと使える教養を身につける。」の一文です。

6 項目の目次、万能の機械から記憶の書き換えへ

目次は 1 から 6 までの番号が付いた 6 項目とあとがきで構成されています。「1 コンピュータがわかる、とは?」で理解するとはどういうことかを問い、「2 コンピュータは万能の機械?」「3 コンピュータはなぜいろんなことができるか」「4 私たちは記憶をいじっている」「5 機械の中にはだれもいない」と進み、「6 補講 インターネットとメールの仕組み」で締めくくります。項目 2 には「コンピュータにできないこと」と題した宿題が付き、項目 4、5、6 の後にはそれぞれ記憶、ハード、インターネットとメールの仕組みについての Q&A が置かれています。版元の著者紹介によれば、著者は文筆家 / ゲーム作家で、コーエーでのゲーム制作を経てフリーランスになった経歴の持ち主です。刊行直後の 2010 年 9 月 12 日には東京新聞と中日新聞に書評が載ったことが、版元ドットコムに記録されています。

記憶の書き換えと見立てで読み解くコンピューター

版元の紹介文は、この本で理解できる道具の核心を「記憶 (の書き換え)」とその「見立て」とまとめています。この 2 つは 計算機科学 の入り口にあたる考え方です。コンピューターの記憶装置に入っているのは 0 と 1 の並びだけで、同じ並びが数値として扱われるか、文字として扱われるか、音の波形の標本として扱われるかは、それを読むプログラムの解釈で決まります。音楽の再生も、波形を細かく区切って数値に置き換えたものを順に読み出し、電気信号に戻す処理の積み重ねです。さらにプログラムそのものも記憶装置の中の並びとして置かれるため、命令を入れ替えるだけで同じ機械が表計算にもゲームにもなります。一方で計算の理論では、どれほど万能な機械でも原理的に解けない問題があることが知られています。万能さとその限界を両方から押さえておくと、新しい製品や技術の説明を聞いたときにも、中で何が起きているかを自分の言葉で考えられるようになります。

補講のインターネットとメール、通信の背景知識

項目 6 の補講が扱うインターネットとメールは、手元の 1 台の中だけでは完結しない仕組みです。インターネット上の通信は TCP/IP と呼ばれる約束事の組み合わせで成り立っており、データは小さな単位に分けて送られ、宛先で組み立て直されます。メールも、送り手の端末からメールサーバーへ渡され、サーバー同士の受け渡しを経て、受け手が自分のサーバーから取り出すという段階を踏んで届きます。目次では、記憶の書き換えを扱う項目 4 と 5 のあとに、項目 6 で複数の機械のあいだのやり取りを扱います。なお刊行は 2010 年で、補講に出てくる利用場面は刊行時点の環境です。

プログラミング未経験でコンピューターの仕組みを知りたい人へ

版元が想定するのは、使ってはいるがよく分からないという人で、中途半端なたとえ話で済ませずに説明すると紹介文にあります。プログラミングの経験や数学の予備知識を前提にした本ではないため、IT 系の仕事に就いたばかりの人や、家族や同僚にコンピューターの基本を説明する立場になった人が、自分の理解を確かめ直すのにも合います。反対に、特定の言語でコードを書けるようになりたい人や、OS やハードウェアの設計を詳しく学びたい人には、本書の目次はその用途に沿っていません。本書は、コンピューターを便利だが得体の知れない箱のままにしておきたくない人や、新しい技術の話を聞くたびに不安になる人に向けて、原理の側からコンピューターを説く講義です。

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