コンピュータ概論

コンピュータガイロンダイジュッパン

情報システム入門

コンピュータ概論の表紙
ハードウェア
著者:
魚田 勝臣 / 植竹 朋文 / 大曽根 匡 / 宮村 崇 / 森本 祥一 / 綿貫 理明(ウオタ カツオミ / ウエタケ トモフミ / オオソネ タダシ / ミヤムラ タカシ / モリモト ショウイチ / ワタヌキ オサアキ)
出版社:
共立出版
出版日:
2026年03月21日頃
ISBN:
9784320125933
在庫:
在庫あり
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書籍紹介

本書は、情報基礎教育の教科書である。
情報システムとは、人間が社会活動を営み始めて以来存在するもので、コンピュータやネットワークによって飛躍的に発達した。われわれが学ぶべき核心は、この意味での「情報システム」であり、コンピュータやネットワークは情報システムを構成する要素と位置づけるべきである。そして、現状の技術を知るだけでなく、技術の歴史を知り、その背景にある思想や概念、そして基礎を学ばなくてはならない。なぜなら、そうしたことを学ぶことが、将来を見通すことにつながるからである。本書は、このような考えのもとで情報システムを学ぶことを目標にしている。

本書は 1998 年の初版刊行以来、社会情勢の変化や技術の進展、および教育現場の実情に沿って改訂を重ねてきた。今回の第 10 版では、AI に関する章を新たに追加した。現代社会のあらゆる場面で存在感を急速に増している生成 AI について、学習することができる。
第 1 章 情報システムとその利用

1.1 情報システムの利用分野

1.2 生成 AI と情報システム

1.3 身近にある情報システム

1.4 情報システムの学び方とキャリア

第 2 章 ビジネスと情報システム
2.1 企業情報システム

2.2 戦略と情報システム

2.3 インターネットビジネス

2.4 ビジネスと情報システムのこれから

第 3 章 コンピュータの誕生からネットワーク社会へ
3.1 私たちが日常生活を営む世界

3.2 コンピュータ前史

3.3 コンピュータの誕生

3.4 汎用大型機と高速化への道

3.5 小型コンピュータへの道

3.6 コンピュータネットワークと社会

第 4 章 情報の表現
4.1 情報とメディア

4.2 0 と 1 の世界

4.3 数値データの表現

4.4 文字データの表現

4.5 画像データの表現

4.6 音声データの表現

第 5 章 ハードウェアの構成
5.1 パソコンの解剖

5.2 装置の概要

5.3 計算のできる仕組み

5.4 記憶のできる仕組み

第 6 章 ソフトウェアの役割
6.1 ソフトウェアとは

6.2 ソフトウェアの種類

6.3 汎用機やサーバのソフトウェア

6.4 コンピュータに仕事をさせるには

6.5 プログラミング

6.6 ファイル

6.7 データベース

第 7 章 AI の仕組み
7.1 AI (人工知能) とは

7.2 従来の AI と生成 AI

7.3 私たちの身の回りにある AI

7.4 生成 AI の仕組みとできること

7.5 生成 AI の技術的な課題と限界

第 8 章 ネットワークと情報システム
8.1 ネットワークの利用分野

8.2 ネットワークの基礎

8.3 LAN

8.4 WAN

8.5 インターネット

8.6 情報システムの構成と企業ネットワーク

第 9 章 情報システムのライフサイクルと情報セキュリティ
9.1 情報システムのライフサイクル

9.2 情報システムの構築手法

9.3 情報セキュリティ

9.4 情報システムの信頼性・安全性

第 10 章 情報社会の法制度と情報倫理
10.1 情報社会の課題と解決のアプローチ

10.2 情報社会の法制度

10.3 情報倫理

第 11 章 AI と共創する豊かな情報社会へ
11.1 進化する AI と人間社会の変革

11.2 進化する生成 AI の可能性と注意点

11.3 人間中心の AI 共創社会に向けて

11.4 未来を拓く情報システムの学びと実践

技書の森解説

『コンピュータ概論 第 10 版』 (魚田 勝臣 編著、植竹 朋文、大曽根 匡、宮村 崇、森本 祥一、綿貫 理明 著、共立出版、2026 年 3 月刊) は、副題「情報システム入門」のとおり、コンピューターやネットワークを情報システムを構成する要素として位置づけ、その全体を学ぶ情報基礎教育の教科書です。版元の紹介文によると、本書は 1998 年の初版刊行以来改訂を重ねており、第 10 版では AI に関する章が新たに加わりました。まえがきでは、AI に関する章を 2 つ新設し、第 7 章で AI の定義と基本的な仕組みを、第 11 章で AI 技術と人間や社会がどう共創していくかを、AI の危険性や限界と共に述べると説明されています。

情報システムの利用から AI との共創まで、全 11 章の構成

本文は全 11 章です。第 1 章「情報システムとその利用」で情報システムの利用分野や身近にある情報システム、学び方とキャリアを概観し、第 2 章「ビジネスと情報システム」で企業情報システムと戦略の関係、インターネットビジネスを扱います。第 3 章「コンピュータの誕生からネットワーク社会へ」は、コンピューター前史から汎用大型機、小型コンピューターを経てネットワークと社会に至る歴史をたどる章です。第 4 章「情報の表現」では数値、文字、画像、音声のデータの表現を、第 5 章「ハードウェアの構成」ではパソコンの解剖や計算と記憶の仕組みを、第 6 章「ソフトウェアの役割」ではソフトウェアの種類からプログラミング、ファイル、データベースまでを学びます。第 7 章「AI の仕組み」をはさみ、第 8 章「ネットワークと情報システム」は LAN、WAN、インターネットと企業ネットワークを、第 9 章「情報システムのライフサイクルと情報セキュリティ」は構築手法と情報セキュリティ、信頼性と安全性を、第 10 章「情報社会の法制度と情報倫理」は法制度と情報倫理を扱い、第 11 章「AI と共創する豊かな情報社会へ」で締めくくられます。まえがきによると、章立ての骨格は初版からそれほど変わっておらず、導入部では身近なレストランの情報システムを取り上げてビジネス分野の情報システムの基本を学び、身近な話題から核心へ、マクロな話題からミクロへと進む方針で書かれています。

0 と 1 の表現から情報システムの全体像へつなぐ

情報の基礎を学ぶ段階でつまずきやすいのは、個々の技術の名前は知っていても、それらがどうつながって一つの仕組みとして働いているのかが見えない点です。例えば文字は、コンピューターの内部では符号の割り当て表にしたがって数値に置き換えられて扱われ、その割り当て表の代表が Unicode です。同じ文字列でも符号化の方式が違えば別のバイト列になり、文字化けはこの食い違いから起こります。数値も整数と小数で表し方が異なり、小数を二進数で表すと誤差が生じることがあります。こうした表現の約束事を知っておくと、データベースに入れた値やネットワークで送った文字がなぜそう振る舞うのかを、仕組みから説明できるようになります。

本書の特徴は、こうした要素技術を情報システムという大きな枠の中に置き直す点にあります。版元の紹介文は、学ぶべき核心は情報システムであり、コンピューターやネットワークはそれを構成する要素と位置づけるべきだとし、技術の歴史とその背景にある思想や概念、基礎を学ぶことが将来を見通すことにつながると述べています。企業の情報システムは自社のサーバーと クラウドコンピューティング のサービスを組み合わせて構成されることも多く、技術の選択は業務や費用、安全性の判断と切り離せません。情報システムが業務や戦略とどう結びつき、どのような手順で構築されて運用され、どのような法制度と倫理の上に成り立つのかまでを一冊で扱う点で、ハードウェアとソフトウェアの仕組みの説明だけで終わる入門書とは守備範囲が異なります。

情報基礎の授業で使う学生と、向かない読み方

版元は本書を情報基礎教育の教科書と位置づけ、講義用資料を ID とパスワードで提供しています。まえがきでは大学や専門学校などの教育機関と企業での活用に謝意が述べられ、謝辞には、本書の発刊と情報リテラシ教育への実践が認められて 2016 年 11 月に情報システム学会から浦昭二記念賞を受けたことが記されています。授業の指定教科書として手に取る学生や、情報システムの全体像を体系立てて押さえ直したい人に合う構成です。一方で、特定のプログラミング言語で動くものを作る技術や、資格試験の出題範囲に沿った対策を求める人は、目的に合う別の本を選ぶほうが近道です。初めて技術書を選ぶ段階なら、レベル別と目的別の技術書の選び方 で自分の目的を整理してから決めると迷いが減ります。

情報の表現やハードウェアといった基礎から、ビジネス、法制度、AI までを一続きの流れで学びたい人にとって、1998 年の初版から改訂を重ね、AI の章を新設した第 10 版は、授業でも自習でも手元に置く教科書の有力な候補になります。

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