基本情報技術入門
キホン ジョウホウ ギジュツ ニュウモン
なぜ注目されているか
技書の森解説
『基本情報技術入門』 (浅川 毅、稲垣 克彦、稲葉 毅 著、コロナ社、2017 年 8 月刊) は、基本情報技術者試験の午前の試験で合格できる水準を目標に、数学の基礎からマネジメントとストラテジまで、情報技術の基礎を全 9 章で学ぶ教科書です。版元の紹介文は、コンピューター技術を核にハードウェアとソフトウェアの両方をバランスよく解説し、試験の多くの分野をカバーして、例題や章末問題には過去問を中心にその解法を掲載したと案内しています。
工学的な学びと資格取得の両立を掲げる教科書
版元のページに載るまえがきでは、著者の学科の学生が知識を解法につなげることを苦手としていたという背景から、本書が「工学的学び」と「資格取得」の両立をねらって作られたと説明しています。留意した点として挙げられているのは、午前の合格レベルを目標にしたこと、学習者の立場で必要な知識を整理 / 分類して各章を構成したこと、専門知識がなくても学習や解答ができるように解説したこと、例題と章末問題を午前の過去問を中心に掲載し、過去問には年と問題番号を付したことです。各章は完結性を高めてあり、苦手な箇所や興味に応じてどの章からでも始められるとしています。IT 資格の本の選び方は IT 資格の参考書と技術書の使い分けガイド にまとめています。
全 9 章の構成、数学の基礎からマネジメント・ストラテジまで
目次は 1 章「数学の基礎」から 9 章「マネジメント・ストラテジ」までの全 9 章で、各章の末尾に章末問題、巻末に引用 / 参考文献と索引があります。1 章は数値計算、集合、確率 / 統計、会計と財務の計算、2 章「情報の表現」は基数、数値の表現、算術演算と精度、逆ポーランド表記法、アナログ・ディジタル変換、画像と映像を扱います。3 章「ハードウェア」は論理演算と論理回路、入出力装置、磁気ディスク、メモリ、4 章「データとデータベース」はデータ構造、データベースの種類、正規化、データベース言語、トランザクション処理、5 章「ソフトウェア」はプログラミング、ソフトウェアの表現と開発とテスト、アルゴリズムです。6 章「コンピュータシステム」は CPU の動作、組込み系と割込み処理、オペレーティングシステム、システムの構成、7 章「通信ネットワーク」はデータ通信とインターネットの技術とプロトコル、8 章「信頼性と評価」は信頼性の設計と評価に加えて情報セキュリティと認証、9 章は要件定義、アローダイアグラム、ファンクションポイント法、プロダクトライフサイクル、産業財産権と著作権を扱います。
2 の補数と正規化、2 章と 4 章の用語
2 の補数は、ビットを反転して 1 を加えた値で負の数を表す方法で、2 章「情報の表現」は数値の表現と算術演算と精度を扱います。正規化 は表の冗長性をなくして更新時の矛盾を防ぐ設計の手順で、トランザクション処理は複数の更新をひとまとまりで確定させる仕組みです。4 章「データとデータベース」は、この 2 つをデータ構造やデータベース言語とともに扱います。TCP/IP はインターネットの通信を支える規約の一式で、7 章「通信ネットワーク」はインターネットの技術とプロトコルを扱います。 本書の例題と章末問題が採る午前の過去問は、刊行時の試験制度のものです。情報処理推進機構の試験区分の案内では、基本情報技術者試験は CBT 方式による随時実施で、令和元年度までは春期と秋期、令和 4 年度までは上期と下期に実施されていたとされ、試験は科目 A と科目 B で構成されています。出題範囲の細目は、情報処理推進機構が公開する試験要綱とシラバスで定められています。
本書は、情報の表現とハードウェア、データベース、ソフトウェア、コンピューターシステム、通信ネットワーク、情報セキュリティを含む信頼性、マネジメントとストラテジまでを、午前の過去問を中心にした例題と章末問題とともに全 9 章に収めています。
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