マルチメディア時代の情報理論改訂版
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技書の森解説
『マルチメディア時代の情報理論改訂版』 (小川 英一 著、コロナ社、2019 年 4 月刊) は、情報理論を、学生に身近な機器と結び付けながら基礎から解説する教科書です。版元はマルチメディア情報機器の情報伝送や記録を高能率 / 高信頼にするデータ圧縮と誤り訂正技術を本書の出発点に挙げており、各章の末尾に演習問題、巻末に演習問題解答を備えています。版元の著者紹介によると、著者は摂南大学の名誉教授です。
情報量の定義から音声 / 映像の圧縮までの全 10 章
全 10 章の並びは、1 章「情報伝送の基礎知識」で情報通信のしくみと符号化の役割を見渡し、2 章「情報量の数量化」で自己情報量と平均情報量 (エントロピー) を定義するところから始まります。3 章「情報源符号化」ではクラフトの不等式とハフマン符号化、情報源符号化定理を、4 章「データの圧縮」ではファクスのランレングス符号化と MH 符号化、テキストのスライド辞書法と動的辞書法を扱います。5 章「通信路符号化」から 7 章「実用的な誤り検出・訂正符号」までは誤り制御の 3 章で、ハミング距離と通信路容量、パリティ検査符号とハミング符号、CRC 符号、BCH 符号と RS 符号、畳込み符号とビタビ復号、ターボ符号と LDPC 符号へ進みます。8 章「伝送路符号化」は変調方式と誤り率、9 章「アナログ信号の情報量」は標本化と量子化、通信路容量定理、10 章「音声・映像の圧縮」は電話音声、MP3 などのオーディオ符号化、JPEG、MPEG の圧縮符号化を取り上げます。付録はモールス符号や符号長短縮限界の証明など 4 本です。
情報源符号化、通信路符号化、伝送路符号化の 3 つの区分
本書は 1 章で、符号化を情報源符号化、通信路符号化、伝送路符号化の 3 つに分けて示しています。情報源符号化は、出現しやすい記号に短い符号を割り当てて平均の長さを縮める技術です。通信路符号化は、冗長なビットを足して、受け手が誤りを見つけたり直したりできるようにする技術です。伝送路符号化は、ビット列を電線や電波で送れる波形に変える段階を指します。ハフマン符号化とスライド辞書法は圧縮の アルゴリズム で、3 章と 4 章で扱います。
採用実績と 9 章のネットワーク、2019 年 4 月刊行時の技術
版元は本書を情報理論の教科書として分類しており、採用実績の欄には大学と高等専門学校の名が並びます。9 章には電話のパケット通信と次世代の ネットワーク を扱う節があり、伝送速度と周波数帯域幅の関係から通信の仕組みへつなげています。記述は 2019 年 4 月の刊行時の技術に基づきます。目次に、特定のプログラミング言語で圧縮や誤り訂正を実装する章はありません。
本書は、情報量とエントロピーの定義から、圧縮と誤り訂正の符号、変調、JPEG や MPEG の圧縮符号化までを、演習問題付きの全 10 章と付録 4 本に収めています。
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