ソフトウェアテスト HAYST 法入門

ソフトウェア テスト ヘイストホウ ニュウモン

品質と生産性がアップする直交表の使い方

ソフトウェアテスト HAYST 法入門の表紙
ソフトウェア工学 / 設計
著者:
吉澤正孝 / 秋山浩一(ヨシザワ, マサタカ / アキヤマ, コウイチ)
出版社:
日科技連出版社
出版日:
2007年07月
ISBN:
9784817192288
在庫:
在庫あり
4.14(8 件 / 楽天ブックス)

なぜ注目されているか

言及数
641位
総合1458位 ↑ 2 ランクアップ 言及 6 件・うち記事 4 件を掲載
01120222023202420252026

技書の森解説

ソフトウェアの設定項目や入力条件の組み合わせを、直交表を使って少ないテストケースで偏りなく確かめる方法を学ぶ入門書が『ソフトウェアテスト HAYST 法入門』 (吉澤 正孝、秋山 浩一、仙石 太郎 著、日科技連出版社、2007 年 7 月刊) です。副題は「品質と生産性がアップする直交表の使い方」で、NDL の書誌では書名に highly accelerated and yield software testing という英語の表記が添えられています。条件の組み合わせが多い製品のテストを担当し、テストケースの選び方に根拠を持たせたい人に向けた一冊です。

直交表による組合せテストが必要になる理由

設定項目が 10 個あり、それぞれに 3 つの選択肢があるだけで、全部の組み合わせは 5 万通りを超えます。これを全部試すことはできないため、ソフトウェアテスト の設計では、どの組み合わせを選ぶかに根拠が求められます。直交表は実験計画法で使われてきた表で、どの 2 つの因子を取り出しても水準の組み合わせがすべて同じ回数ずつ現れるように行が組まれています。この性質をテストに持ち込むと、任意の 2 つの条件の組み合わせを漏れなく含むテストケースの集合を、全組み合わせよりはるかに少ない件数で作れます。多くの不具合は 1 つか 2 つの条件の組み合わせで表に出るという経験則があり、2 因子間の組み合わせを確実に押さえることが費用に見合う網羅の目安になります。実務ではさらに、同時には選べない条件の組み合わせ (禁則) や、因子ごとに水準の数が揃わない状況への対処が必要になり、ここが手法として身につけるべき部分です。

版元の目次に並ぶ 12 項目、割付けから組織的展開まで

版元ドットコムに掲載された目次は 12 項目で、「ソフトウェアの現状」と「爆発するソフトウェアの開発とテスト」から始まり、「直交表によるソフトウェアテストの概要」「HAYST 法によるテスト戦略」「HAYST 法で使用する直交表」と続きます。その後に「直交表への割付けテクニック」「禁則の回避」「組合せ網羅率の検証」「テスト実施とバグの解析法」「特殊な割付け」が並び、「HAYST 法の実際」と「HAYST 法の組織的展開」で終わります。目次の順は、組み合わせが膨らむ背景の整理、直交表と因子の割付け、禁則への対処、網羅率による検証、テストの実施と不具合の解析、組織への展開です。NDL の書誌によれば参考文献も収められています。

2007 年刊の技法書を読む前提と、向かない読者

本書は 2007 年刊で、刊行時の開発環境を前提にしています。一方で、因子と水準を切り出して直交表へ割り付け、網羅の度合いを確かめるという手順は、対象の技術が変わっても通用する考え方です。同値分割や境界値分析のように、テスト対象から条件と値を切り出す作業に慣れていると、割付けの話に入りやすくなります。単体テストの自動化やテストフレームワークの使い方、特定のテスト支援ツールの操作を知りたい人にとっては、目次がそうした話題を挙げていないため目的が合いません。テスト設計の本を見渡す テスト設計を学べる技術書の選び方 の記事もあります。

設定項目の多い機器や業務システムの画面入力、動作環境の組み合わせなどを担当し、テストケースの件数をなぜその数にしたのかを説明できるようになりたい QA エンジニアやテストリーダーにとって、本書は直交表を使った組合せテストを技法として一通り身につけるための入門書です。禁則の回避や組合せ網羅率の検証まで目次に含まれているので、表の作り方だけで終わらず、現場で起きる制約に合わせて使いこなす段階まで見通せます。

言及した記事 (4 件)

関連記事

関連用語

共有: