Postfix 実用ガイド

ポストフィックス ジツヨウ ガイド

Postfix 実用ガイドの表紙
セキュリティ
著者:
カイル・D.デント / 菅野良二(デント, カイル・D. / カンノ, リョウジ)
出版社:
オーム社
出版日:
2004年08月
ISBN:
9784873111957
在庫:
在庫あり
4.5(2 件 / 楽天ブックス)

なぜ注目されているか

言及数
1228位
総合1881位 ↑ 1 ランクアップ 言及 1 件

書籍紹介

セキュアで信頼性が高いと Postfix が評価されるのは、後発で開発されるソフトウェアが持つ大きな強みです。事実、Postfix が開発されたきっかけは、今よりも平和な時代に開発された Sendmail の問題を解消することにありました。しかし、Postfix の魅力はそれだけではありません、設定や管理の容易さとシステムの柔軟性はユーザの幅広いニーズに応えてくれます。本書は、著者が Postfix で試行錯誤して得た経験をわかりやすく 1 冊の本にまとめたものです。インストール、設定から活用例までを盛り込み、巻末には設定パラメータのリファレンスも収録。Postfix 実用ガイドの決定版。

技書の森解説

『Postfix 実用ガイド』 (Kyle D. Dent 著、菅野良二 訳、オライリー・ジャパン、2004 年 8 月刊) は、メール転送エージェント (MTA) の Postfix について、設計とキューの仕組みから設定と管理、複数ドメインの運用、迷惑メールの遮断、認証と暗号化までを扱う書籍です。原書は Postfix: The Definitive Guide です。版元の紹介文は、Postfix の開発のきっかけが Sendmail の問題の解消にあったことに触れたうえで、本書を著者が Postfix で試行錯誤して得た経験をまとめたものとし、インストールと設定から活用例までを盛り込み、巻末に設定パラメーターのリファレンスを収録していると説明しています。

全 15 章と付録 4 本、起源と設計からキューの管理まで

目次は 1 章「はじめに」から 15 章「外部データベース」までの全 15 章に、付録 A から付録 D が続きます。1 章は Postfix の起源と哲学、セキュリティを支えるモジュール型の設計を扱い、2 章「前提知識」は Unix のログイン名と UID、標準入出力、スーパーユーザーといった基礎と、エンベロープアドレスとメッセージヘッダー、拒否とバウンス、SMTP プロトコルといった電子メールの基礎をまとめています。3 章「Postfix アーキテクチャ」はコンポーネント、メッセージの着信形態、キュー、配信の種類、メッセージの追跡を説明し、4 章「一般的な設定と管理」は main.cf とルックアップテーブル、リレー制御、ログ、master.cf、受信側の制限、アドレスの書き替え、chroot を扱います。5 章「キューの管理」は qmgr の仕組みと、キューの一覧、削除、保留、再投入、フラッシュの管理ツールです。

小さなプロセスに分ける設計とキュー、DNS による配送先の決定

Postfix の特徴は、メールの受け取り、キューの管理、配送といった役割を別々の小さなプロセスに分け、master デーモンがそれらを起動して監視する構成にあります。外部から接続を受けるプロセスは特権を持たずに動き、必要な処理だけを特権を持つプロセスに渡すため、一つの部分に欠陥があっても被害が広がりにくくなります。受け取ったメールはいったんキューのディレクトリに置かれ、キューマネージャーの qmgr が配送の順番と再試行を管理します。宛先ドメインのメールをどのサーバーへ送るかは DNS の MX レコードで決まり、送信側はその優先度の順に接続を試みます。6 章「電子メールと DNS」はこのメールのルーティングと、送信と受信それぞれでの DNS の関わり、よくある問題を扱います。続く 7 章「ローカル配信と POP/IMAP」は Mbox 形式と Maildir 形式、POP と IMAP、LMTP と Cyrus IMAP、8 章「複数ドメインのホスティング」はシステムアカウントと仮想アカウントによる構成、9 章「メールリレー」はバックアップ MX とトランスポートマップ、10 章「メーリングリスト」は Majordomo と Mailman です。

迷惑メールの遮断、SASL 認証と TLS、外部データベース

11 章「UBE (Unsolicited Bulk Email) のブロック」は、オープンリレーの問題、クライアントベースとコンテンツベースのスパム検出、制限の指定と定義、コンテンツチェック、カスタマイズした制限クラスを扱います。メールサーバーが誰からのメールでも外部へ中継すると迷惑メールの踏み台になるため、中継を許す相手を限るのが設定の要点です。社外から送信する利用者を通すには、12 章「SASL 認証」のように SMTP の接続で利用者を認証し、認証できた相手だけに中継を許します。通信の暗号化では、SMTP の接続の途中で STARTTLS により暗号化へ切り替え、サーバーは TLS 証明書 で自分の身元を示します。13 章「TLS」は CA とサーバー証明書の作成、クライアント側の証明書、TLS/SMTP クライアントの設定までを扱います。14 章「コンテンツフィルタリング」はコマンドベースとデーモンベースのフィルター、15 章「外部データベース」は、ルックアップテーブルの中身をファイルでなく外部のデータベースから引く設定で、利用者やドメインが多い構成では仮想ユーザーやエイリアスの表を リレーショナルデータベースの MySQL やディレクトリサービスの LDAP に置いて管理します。付録は A の Postfix パラメータリファレンス、B の Postfix コマンド、C のコンパイルとインストール (Cyrus SASL、TLS、MySQL、LDAP のアドオンを含む)、D の FAQ で、送信ドメイン認証の SPF、DKIM、DMARC の項目は目次にありません。本書は 2004 年 8 月の刊行で、Postfix の起源と設計から迷惑メールの遮断、認証と暗号化、外部データベースとの連携までを全 15 章と付録 4 本に収めています。

言及した記事 (1 件)

関連記事

関連用語

共有: