翻訳書の技術書を楽しむコツ - 翻訳の壁を乗り越える
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翻訳書を避けるのはもったいない
「翻訳が読みにくい」という理由で翻訳書を避けるエンジニアがいます。確かに翻訳の質にはばらつきがありますが、世界的な名著の多くは翻訳書でしか読めません。翻訳書を避けることは、技術書の世界の半分以上を捨てることを意味します。
良質な翻訳書は原著以上に読みやすいこともあります。訳者が日本の読者向けに補足を加え、文化的な背景を説明し、日本の事例に置き換えてくれるからです。
翻訳書の質を見分ける 4 つのポイント
訳者の経歴
最も重要なチェックポイントです。その分野の専門家が訳した本と、翻訳専業の人が訳した本では、技術用語の正確さが全く異なります。訳者がエンジニアとしての実務経験を持っているかを確認してください。
訳注の有無
良い翻訳書には、日本の読者向けの訳注が付いています。原著がアメリカの事例で説明している箇所に「日本ではこれに相当する」と補足があると、理解が格段に深まります。
用語の統一
同じ技術用語の訳が章ごとに変わる翻訳書は、質が低い可能性があります。用語集が巻末に付いている本は、用語の統一に気を配っている証拠です。
改訂版の有無
翻訳書に改訂版がある場合、読者のフィードバックを反映して翻訳の質が改善されています。初版より改訂版を選びましょう。
翻訳された技術書の名著は、エンジニアの必読書が多いです。
翻訳書を読むときの 3 つのコツ
1. 訳語に惑わされたら原語を確認する
翻訳書で分かりにくいと感じたら、原語 (英語) を確認してみましょう。技術用語は英語のまま理解した方が分かりやすいことが多いです。良い翻訳書は、初出時に原語を併記しています。
2. 文が長くて分かりにくいときは、主語と述語を探す
英語の構文をそのまま日本語にした翻訳は、1 文が長くなりがちです。分かりにくいと感じたら、文の主語と述語を探してください。主語と述語が分かれば、修飾部分は後から理解できます。
3. 原著と併読する
翻訳の質に不安がある場合、原著の電子版を手元に置いて併読する方法があります。翻訳で意味が取れない箇所だけ原著を確認する。この方法なら、英語力が高くなくても原著の恩恵を受けられます。
洋書の技術書を原著と併読すると、翻訳の壁を乗り越えやすくなります。
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まとめ
翻訳書を避けることは、技術書の世界の半分以上を捨てることです。訳者の経歴、訳注の有無、用語の統一、改訂版の有無で翻訳の質を見分け、訳語に惑わされたら原語を確認する。この習慣で、翻訳書から得られる学びは大きく広がります。
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