難しい本に出会ったら「寝かせる」技術
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読めない本は「まだ早い」だけ
本を開いて、1 ページ目から何を言っているかわからない。3 ページ読んでも頭に入ってこない。そんな本に出会ったら、無理に読み続ける必要はありません。
その本が悪いわけでも、あなたの頭が悪いわけでもありません。「今の自分にはまだ早い」だけです。
寝かせるとはどういうことか
読めなかった本を本棚に戻して、しばらく放っておく。これが「寝かせる」です。ワインの熟成と違って、寝かせている間に変わるのは本の側ではありません。変わるのは読む側です。
読めない原因は、たいてい語彙ではなく前提です。著者が「これは説明しなくてもわかるだろう」と判断して省いた土台が手元にないと、一文ずつは読めているのに話が積み上がっていきません。その土台は、やさしい本を読み、実務で手を動かし、動かないコードの原因を追っているうちに埋まっていきます。数ヶ月後に同じ本を開くと、前は素通りしていた一文が急に意味を持つことがあります。
寝かせる本の選び方
3 ページ読んでわからなければ寝かせる
最初の 3 ページを読んで、知らない単語が半分以上あるなら、今の自分には早い本です。無理せず寝かせましょう。
前提知識が足りないと感じたら寝かせる
「この本を読むには○○の知識が必要です」と書いてあって、その○○を知らないなら、先に○○を学ぶ本を読みましょう。前提が明記されていない本もあります。そのときはまえがきと目次の 1 章を見ます。1 章の内容が自分には初耳なら、2 章以降はその上にさらに前提を積んでいく作りなので、途中で追いつくことは期待しないほうがいいです。
寝かせても中身が古くならない本かを見る
寝かせる判断で見落としやすいのが、本の側の賞味期限です。アルゴリズム、設計、OS やネットワークの原理を扱う本は、数年寝かせても書いてあることが古くなりません。一方、特定のフレームワークやツールのバージョンに沿って書かれた本は、寝かせている間に手元の環境と食い違っていきます。設定項目の名前が変わり、コマンドの書き方が変わり、サンプルがそのままでは動かなくなる。読めるようになったころに、今度は内容が合わなくなっているという順番です。
後者は期限を切って扱うほうが現実的です。読めるまで待つのではなく、足りない前提だけを別の入門書で埋めて数週間で戻る。それでも歯が立たないなら、その本を待つよりも新しい版か別の本に乗り換えたほうが早いこともあります。
寝かせている間にやること
やさしい入門書を読む、実際にコードを書く、簡単なアプリを作ってみる。こうした経験が、寝かせている本を読むための土台になります。
寝かせた本を開く目安
3〜6 ヶ月に 1 回、寝かせている本を開いてみてください。最初の 3 ページを読んで「前よりわかる」と感じたら、読み始めるタイミングです。何度開いても手応えが変わらないなら、間隔が短いのではなく前提がまだ埋まっていないということなので、目次を見て次に何を学べば近づけるのかを逆算します。
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まとめ
難しい本に出会ったら、捨てずに寝かせましょう。読めなかったのは能力の問題ではなく前提が足りていないだけなので、経験を積んだあとに開き直す価値があります。ただし寝かせて効くのは中身が古くならない本です。バージョンに寄り添った本なら期限を切って戻る。この使い分けができていれば、積んだ本は在庫ではなく順番待ちになります。
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