読み終わらなくても元は取れている
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「最後まで読めなかった」という罪悪感
本を買ったのに、途中で読むのをやめてしまった。半分くらいで挫折した。最後の 3 章は読んでいない。こういう経験をすると、「お金がもったいなかった」「自分はダメだ」と感じてしまいます。
でも、その罪悪感は捨ててください。途中まで読んだだけでも、あなたはちゃんと学んでいます。
途中でやめても学びが残る理由
積み上げ型の本なら、基礎は前半にある
段階を追って学ばせる本は、前半に基礎、後半に応用や発展を置きます。この型なら、前半で止まっても土台の部分は通過しています。
ただし、すべての本がこの型ではありません。機能ごと、対象ごとに章を並べた引くための本では、前半と後半に難易度の差がありません。この場合は「前半で止まった」ではなく「必要だった章は読めた」と数えるほうが実態に合います。どちらの型かは目次で見分けられます (目次だけで本の内容がわかる)。
積み上げ型で後半を残した場合、その応用部分は基礎を実務で使ってから読むほうが入りやすくなります。実際に困った経験があると、著者が何の問題を解こうとしているのかが具体的に見えるからです。
1 つでも学びがあれば元は取れている
3000 円の本から、たった 1 つでも「知らなかったこと」を学べたら、その本は元が取れています。
たとえば、「変数の名前は中身がわかるようにつけるべき」という 1 行を読んで、それ以降のコードの変数名が改善されたとします。書き方の癖は一度変わると戻りにくいので、この 1 行の効果は読み終えた後も続きます。3000 円のうちの元は、そこで取れています。
「読んだ」の定義を変える
「読んだ」は「最初から最後まで全ページ読んだ」という意味ではありません。必要な部分を読んで、何かを学んだ。それで「読んだ」と言って大丈夫です。
通読だけを読書とみなさない考え方には古い出典があります。モーティマー・J・アドラーとチャールズ・ヴァン・ドーレンの『本を読む本』(外山滋比古・槙未知子訳・講談社・1997 年) は読書をいくつかの段階に分け、全体を通読する前に目次や要所を拾って本の見当をつける読み方を、それ自体で完結した段階として扱っています。全部読むかどうかは、本に対して何をしたいかで決まる話です。
途中でやめた本の活かし方
本棚に置いておく
読みかけの本は捨てずに本棚に置いておきましょう。いつか「あの本に書いてあったな」と思い出して、必要な章だけ読み返す日が来ます。
読んだところまでの感想をメモする
「第 3 章まで読んだ。ループの書き方がわかった。第 4 章の関数のところで難しくなった」。これだけメモしておけば、再開するときにどこから読めばいいかすぐわかります。
やめた位置で扱いを分ける
止まった位置は情報です。最初の 1〜2 章で読み進められなくなったのなら、内容の難しさより説明との相性を疑うほうが早いので、同じテーマで別の著者の本を試す価値があります。半分以上進んでから止まったのなら、相性ではなく扱う内容が実務経験の先にある可能性が高く、乗り換えても同じ場所で止まります。この場合は残りを保留にして、必要になったときに戻るほうが確実です。
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まとめ
本を最後まで読み切れなくても、読んだ範囲で手を動かしたぶんは残ります。逆に、目で追っただけのページは全ページ読んでも残らないので、読了率は学びの量とは別の指標です。1 つでも書き方が変わったなら、その本は役目を果たしています。「読み切れなかった」ではなく「必要なところまで読んだ」と数えてください。
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