年収を上げた 1 冊 - エンジニアのキャリアを変えた本に共通する 3 つの特徴

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キャリア名著技術書

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「あの 1 冊がなかったら今の自分はいない」

エンジニアに「キャリアを変えた本は?」と聞くと、挙がる本は人によってまったく違います。ある人はリファクタリングの本、ある人はマネジメントの本、ある人は全く技術と関係のないビジネス書。

挙がる本のジャンルはバラバラでも、「なぜその本がキャリアを変えたのか」という理由のほうは、似た形に落ち着きます。この記事では本そのものではなく、理由の側を 3 つに整理します。何を読んだかではなく、読んだ結果として何が変わったのかで分けた見方です。

キャリアを変える本の 3 つの特徴

1. 「自分の仕事の見え方」を変えた本

まず挙げられるのは、日々の仕事に対する認識を根本から変えた本です。

コードを書くことが仕事だと思っていたエンジニアが、設計の本を読んで「自分の仕事は問題を構造化することだ」と気づく。テストを面倒な作業だと思っていた人が、テスト駆動開発の本を読んで「テストは設計ツールだ」と理解する。

仕事の見え方が変わると、同じ作業でも判断の基準が変わります。ここで注意したいのは、見え方が変わっただけでは評価は動かないことです。動くのは、変わった判断が設計文書やレビューのコメント、障害対応の進め方といった、他人の目に触れる形で出たときです。読んだ本の効果が表に出るまで時間がかかるのは、この段を通るからです。

2. 「次のポジション」の語彙を教えてくれた本

シニアエンジニアやテックリードの仕事には、その役割で使われる語彙があります。この語彙を先に持っているかどうかで、上のポジションの議論にどこまで入れるかが変わります。

アーキテクチャの語彙がないと、設計の議論で相手の主張の何が論点なのかを追いにくくなります。見積もりやリスクの語彙がないと、リーダーの判断がなぜそうなったのかが読めません。本は、この語彙をまとめて手に入れる手段としては効率が良いです。

ただし語彙の先取りには落とし穴があります。意味を自分の経験と結びつけずに覚えると、会議で用語だけを使ってしまい、かえって「言葉は知っているが判断はできない人」に見えます。読んだ用語は、手元のコードや進行中の案件のどれに当てはまるかを 1 つ挙げられるところまで持っていってから使うほうが安全です。

3. 「技術以外の武器」を与えてくれた本

見落とされがちですが、キャリアの転機として技術書以外の本が挙がることも珍しくありません。

交渉術の本を読んで年収交渉に成功した人。文章術の本を読んで技術ブログが注目され、転職のオファーが増えた人。プレゼンテーションの本を読んでカンファレンス登壇の機会を得た人。

技術力だけでキャリアが決まるわけではありません。技術力を持っていることと、それが相手に伝わっていることは別で、後者を埋める本が待遇の話につながることもあります。ただし、どの本を読めばいくら上がるという対応関係はありません。

言語やフレームワークの本が転機になりにくい理由

特定の言語やフレームワークの入門書は、後から「あの 1 冊」として思い出されにくい性質があります。入門書の価値が低いからではなく、理由は 2 つあります。

1 つは、書かれている内容がバージョンとともに入れ替わることです。数年経つと本の記述自体が現役でなくなるため、「あの本のおかげ」という形で残りにくくなります。

もう 1 つは、入門書が教えるのは書き方であって、仕事の判断の仕方ではないことです。書き方は身についた時点で当たり前になり、変わった実感が残りません。設計やマネジメントの本が転機として語られやすいのは、読み終えたあとも判断のたびに参照され続けるからです。

この違いは、本を選ぶときの基準にもなります。読み終えたあとも開き直す本かどうかです。

「キャリアを変える 1 冊」の見つけ方

キャリアを変える本は、計画的に見つけられるものではありません。しかし、出会う確率を上げることはできます。

まず、自分の専門分野以外の本を意識的に読むこと。設計の本ばかり読んでいるなら、マネジメントの本を 1 冊読んでみる。技術書ばかり読んでいるなら、ビジネス書を 1 冊読んでみる。視野の外にある本ほど、認識を変える力を持っています。

次に、自分より 1〜2 段階上のポジションの人に「最近読んで良かった本は?」と聞くこと。その人が読んでいる本は、自分が次のステージに進むために必要な知識を含んでいる可能性が高いです。

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まとめ

キャリアを変える 1 冊には共通点があります。仕事の見え方を変える、次のポジションの語彙を教える、技術以外の武器を与える。ただし本を読んだこと自体が待遇を動かすわけではなく、読んだ結果が他人の目に触れる形で出たときに、はじめて評価の話になります。今読んでいる本が 5 年後に「あの 1 冊」になるかどうかは、読み終えたあとに何を変えたかで決まります。

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