通勤電車で技術書を読む人が密かにやっていること
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片道 30 分の通勤に眠っている年間 250 時間
片道 30 分の通勤を読書に充てると、往復で 1 日 1 時間。平日 250 日で年間 250 時間。技術書 1 冊を 5 時間で読むとすれば、年間 50 冊のペースに相当します。ただしこれは往復のすべてを読書に充てられた場合の上限です。座れない日や疲れて開けない日を引けば、実際に読める量はこれより少なくなります。
もちろん、満員電車で 500 ページの技術書を広げるのは現実的ではありません。通勤読書には通勤読書のやり方があります。通勤という条件に合わせた読書のやり方を、本の選び方から記録の残し方まで順に見ていきます。
本の選び方を変える
通勤読書に向く本と向かない本があります。
向く本
- コードブロックが少なく、概念や設計思想を文章で説明している本
- 1 章が 15〜20 ページ程度で、区切りよく読み進められる本
- 図表が多く、視覚的に理解できる本
向かない本
- ハンズオン形式で、読みながらコードを打つ前提の本
- 1 章が 50 ページ以上あり、途中で切ると文脈を見失う本
- A4 サイズの大判で、物理的に持ち運びにくい本
通勤用と自宅用で読む本を分けるのが効果的です。通勤では設計やアーキテクチャの本を読み、自宅ではハンズオン形式の本を手を動かしながら読む。この使い分けで、両方のタイプの本を並行して進められます。
電子書籍を使いこなす
通勤読書では電子書籍が有利になる場面が多くあります。片手で持てる、画面が明るいので暗い車内でも読める、複数の本を切り替えられる。なお、電子ペーパーの端末は画面の周囲から紙面を照らす方式で、スマートフォンやタブレットのように背面から光を透かす方式とは仕組みが異なります。
ただし、技術書の電子版には固定レイアウトのものがあり、スマホの小さな画面では読みにくい場合があります。購入前にサンプルをダウンロードして、自分のデバイスで読めるか確認してください。
読む端末とアプリでは、乗車前に本文のダウンロードを済ませておきます。地下鉄や混雑した車内では通信が途切れやすく、その場で開こうとして読めないまま数駅が過ぎることがあります。
「3 行メモ」で記憶を定着させる
通勤中に読んだ内容は、デスクに着くころにはかなりの部分が抜け落ちています。これを防ぐのが「3 行メモ」です。
電車を降りたら、スマホのメモアプリに 3 行だけ書きます。
- 今日読んだ章のタイトル
- 一番印象に残った 1 文 (正確でなくていい、要旨だけ)
- 自分の仕事にどう関係するか一言
所要時間は 2〜3 分。この数分を使うかどうかで、後から思い出せる量が変わってきます。3 行メモが溜まると、それ自体が読書ログになり、後から振り返るときにも役立ちます。
乗り換え駅で章を切り替える
通勤経路に乗り換えがある人は、乗り換え駅を章の区切りに使えます。「この電車では第 3 章を読む」「乗り換えたら第 4 章に入る」。物理的な移動と読書の区切りを連動させると、章ごとの内容が記憶に残りやすくなります。
乗り換え時間が 5 分あるなら、その間に前の章の要点を頭の中で整理します。この「ミニ復習」が、次の章の理解を助けます。
座れないときの読書術
立って読む場合、片手でスマホを持ち、もう片方の手でつり革を掴む姿勢になります。この状態でページをめくるのは意外と面倒です。
対策として、読む前にその日のページ範囲を決めておき、スクロールだけで読み進められるようにします。ハイライトやブックマークは、帰りの電車か自宅でまとめて付けます。読むことだけに集中する時間と、整理する時間を分けるのがコツです。
音声学習との併用
満員電車で本を開けない日もあります。そんなときは、技術系ポッドキャストや、前日に読んだ章の内容を自分で音声メモに録音しておいたものを聴きます。読書と音声を組み合わせることで、通勤時間を無駄にしない仕組みが作れます。
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まとめ
通勤読書のコツは、本の選び方、電子書籍の活用、3 行メモによる定着の 3 つです。通勤用には概念・設計系の本を選び、ハンズオン本は自宅に回す。降車後に 3 行だけメモを書く。この仕組みを作れば、片道 30 分の通勤が年間 250 時間規模の学習時間に近づきます。
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