動かしてわかる CPU の作り方 10 講

ウゴカシテワカルシーピーユーノツクリカタジュッコウ

動かしてわかる CPU の作り方 10 講の表紙
ハードウェア
著者:
井澤裕司(イザワユウジ)
出版社:
技術評論社
出版日:
2019年08月21日頃
ISBN:
9784297108212
在庫:
在庫あり
3(1 件 / 楽天ブックス)

なぜ注目されているか

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言及数
325位
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書籍紹介

■野村達雄氏 (『ポケモン GO』開発者) 推薦!!
「簡潔明瞭な文章でソフトウェアからトランジスタまで漏れなく解説。

CPU をゼロから設計して FPGA で実装する、

僕の人生を変えた井澤先生の講義がパワーアップして本になった!」

■シンプルな CPU を例に、エミュレータの作成、FPGA 上への実装、実用的な応用までを、やさしくていねいに解説します。10 講で、基礎から応用までしっかり動かして実感できる、CPU 設計の紙上講義です。

【第 I 部 シンプルな CPU を作ってみよう!】

第 1 講 ソフトウェアから CPU の動作をイメージする

第 2 講 シンプルな CPU のアーキテクチャを決定する

第 3 講 C 言語を用いて CPU の動作をエミュレートする

第 4 講 論理回路の基礎を復習する

第 5 講 ハードウェア記述言語の VHDL を用いて回路を表現する

第 6 講 FPGA 評価ボード上で簡単な回路を動作させる

第 7 講 VHDL を用いて CPU を設計する

第 8 講 FPGA 評価ボード上で CPU を動作させる

【第 II 部 より実用的な CPU を目指して!】

第 9 講 プログラムを独立化しメモリを実装する

第 10 講 パイプライン処理により高速化する

技書の森解説

自分で設計した CPU が FPGA ボードの上で実際に動く。『動かしてわかる CPU の作り方 10 講』 (井澤裕司 著、技術評論社、2019 年 8 月刊、A5 判) は、その体験までを 10 講の紙上講義として組み立てた自作 CPU の入門書です。『ポケモン GO』の開発者として知られる野村達雄氏が「僕の人生を変えた井澤先生の講義がパワーアップして本になった」と推薦文を寄せており、講義に由来する積み上げ式の構成で、ソフトウェアから見た CPU の動作イメージから回路の設計までを一冊で縦断します。

二部構成 / 全 10 講の流れ

全体は二部構成です。第 I 部 (第 1 講から第 8 講) は、ソフトウェアから CPU の動作をイメージするところから始まり、シンプルな CPU のアーキテクチャを自分で決め、C 言語 でその動作をエミュレートし、論理回路の基礎を復習したうえで、ハードウェア記述言語 VHDL による回路表現へ進み、FPGA 評価ボード上で設計した CPU を動かすところまでを扱います。第 II 部 (第 9 講と第 10 講) は応用編で、プログラムを独立化してメモリを実装し、パイプライン処理による高速化に踏み込みます。先に C 言語のエミュレータで「何を作るか」を確定させてから回路に落とすという順序が本書の勘所で、VHDL に不慣れでも設計の意図を見失いにくい流れになっています。

CPU 自作で何が身につくか

CPU 自作という題材の価値は、抽象化の階層を一気通貫で見られることにあります。普段のプログラミングではコンパイラや OS の下に隠れている命令セット、レジスタ、クロック同期といった概念が、ここでは自分が下す設計判断そのものになります。命令の形式をどう決めるかで、それを解釈する回路の姿が変わる。この因果関係を自分の設計で確かめた経験は、教科書の図をなぞるだけでは得られません。とりわけ第 10 講で扱うパイプライン処理は実用プロセッサの性能を支える中核機構で、命令を重ねて流すことがなぜ速度を生み、どこに複雑さが持ち込まれるのかを、自作した CPU を速くするという文脈で学べる構成です。

前提知識と FPGA ボード準備の注意点

版元が挙げる対象は、コンピュータのしくみなど 低レイヤー の技術に興味のある人です。第 3 講で C 言語を使って CPU の動作をエミュレートするため、C のコードを読める程度の経験があると滑り出しがスムーズです。論理回路には第 4 講がまるまる復習に充てられているので、デジタル回路の予備知識が薄くても入り口は用意されています。一方で、FPGA 評価ボード上での動作確認を前提とする講が含まれるため、動かすところまで完走するには開発環境とボードの準備が必要になる点は購入前に押さえておきたいところです。

読み物型の解説書との違いと向いている読者

読み物として CPU やメモリの動作を解説する本、たとえば矢沢久雄氏の『プログラムはなぜ動くのか』で概念をつかむ学び方と、本書のように 自分で設計して動かす学び方 とでは、得られる理解の残り方が違います。前者は速く広く見取り図を得るのに向き、後者は時間はかかりますが崩れにくい骨格を作ります。命令セットやメモリ階層の話題が出るたびに手応えのなさを感じてきた人、コンピュータアーキテクチャの教科書で挫折した経験のある人にとって、一冊で一つの CPU を動かし切るこの講義は、低レイヤーへの苦手意識を設計者の視点に置き換えてくれる一冊です。

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