ラズパイ Pico 2 W かんたん IoT 電子工作レシピ
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なぜ注目されているか
書籍紹介
技書の森解説
『ラズパイ Pico 2 W かんたん IoT 電子工作レシピ』 (そぞら 著、技術評論社、2026 年 5 月刊) は、無線機能を持つマイコンボード Raspberry Pi Pico 2 W と MicroPython を使い、インターネットと連動する電子工作を作品ごとに組み立てていく入門書です。版元の紹介文は、電子工作もプログラミングも初めて挑戦する人のための IoT 電子工作の入門書と位置づけ、はんだごての使用は必要最小限まで減らし、Python の文法を基礎から解説すると案内しています。作品の題材は、日常の些細なお悩み解決から AI アシスタントまでと紹介されています。
全 10 章の構成、Pico 2 W の準備から AI の装置まで
本文は「はじめに」と全 10 章、索引で構成されています。第 1 章は Raspberry Pi Pico 2 W の入門にあたるイントロダクションで、Pico 2 W の特徴と仕様、Pico 2 W と Raspberry Pi の特性の違い、使用の準備として MicroPython ファームウェアのインストールと開発環境の構築を扱います。第 2 章「Pico 2 W でプログラミングに挑戦」は、MicroPython の基本と変数、関数、繰り返し処理、条件分岐から、基板上の LED とボタン、温度センサーの操作、Wi-Fi への接続、ChatGPT に電子工作をサポートしてもらう方法までを扱います。第 3 章「電子工作プロジェクトへのステップアップ」は、ブレッドボードとジャンパーワイヤー、接続できるパーツ、入出力端子へのピンヘッダーのはんだ付け、プロジェクトの進め方を扱います。第 4 章から第 10 章は 1 章で 1 つの作品を作る章で、「光の強さで降水確率を知らせる装置」「ごみの日をお知らせする装置」「お風呂の湯はりボタンをスマホで遠隔操作」「玄関のカギは閉まってる? Pico 2 W で遠隔確認する装置」「近くを飛んでいる飛行機をレーダー風に表示する装置」「今日は何着る? 洋服選び提案 ChatGPT ロボット」「パーカーフードの乾き具合を AI で予測する装置」の順に続きます。
マイコンボードと小型コンピューター、MicroPython
Pico 2 W は、Linux が動く小型コンピューターの Raspberry Pi と名前を共有していますが、種類の違うボードです。Raspberry Pi が OS の上で複数のプログラムを動かすのに対し、Pico 2 W はマイコンと呼ばれる小さな処理装置の上で 1 つのプログラムを動かし続けます。MicroPython は Python をマイコン向けに小さく作り直した処理系で、ファームウェアとしてボードに書き込むと、パソコンから送った Python の文をボードがその場で実行できるようになります。第 4 章で扱う PWM は、LED への電流を高速に入り切りして、入っている時間の割合で明るさを変える方法です。第 5 章のサーボモーターも、送る信号のパルスの幅で軸の角度を決める部品です。
Blynk、ソケット通信、外部のデータを使う遠隔の章
第 6 章は、スマートフォンのアプリ画面から機器を操作するサービス Blynk を使い、アカウントとテンプレート、仮想ピンを作って、サーボモーターでお風呂の湯はりボタンを押す装置を組み立てます。応用編では照度センサーで状態表示ランプの点灯を確かめます。第 7 章は 2 台の Pico 2 W をソケット通信でつなぎ、赤外線障害物回避センサーで読み取った玄関のカギの状態をクライアント側からサーバー側へ送り、応用編で OLED ディスプレイに表示します。第 8 章は OpenSky Network のアカウントを作って自宅周辺の航空機の情報を取得し、ST7735 液晶ディスプレイにレーダー風に描きます。この 3 つの章は、機器をインターネットにつないでデータを集めたり離れた場所から動かしたりする IoT の仕組みを、スマートフォンのアプリを介した操作、機器どうしの直接の通信、外部のサービスからのデータの取得の 3 つの形で扱います。
ChatGPT API と割り込みを使う第 9 章と第 10 章
第 9 章は、ChatGPT API の利用料金と API キーの取得から始め、ChatGPT へメッセージを送るプログラム、OLED ディスプレイへの日本語と顔の表示、タッチセンサーと割り込みの使い方を組み合わせて、洋服選びを提案するロボットを作ります。第 10 章は土壌湿度センサーで洗濯物の水分量を測り、Google のアプリパスワードを取得して Gmail を送るプログラムと ChatGPT API を組み合わせ、モバイルバッテリーとケースまで含めて装置を仕上げます。ChatGPT を Pico 2 W から使う場合、ボードは OpenAI のサーバーへ要求を送り、返ってきた文を受け取って画面に出す役に回ります。言語モデルの計算そのものはサーバー側で行われます。割り込みは、ボタンやセンサーの入力が変わった瞬間に決めておいた処理を走らせる仕組みです。
版元は「こんな方にオススメ」として「Pico 2 W と Python で IoT 電子工作に挑戦したい人」を挙げています。著者のそぞらは、2021 年から Raspberry Pi に関連する情報を発信し、ゼロから電子工作を独学した経験を生かして入門者向けのブログ sozorablog を運営していると版元のプロフィールにあります。国立国会図書館の書誌ではサンプルデータダウンロードの注記があり、索引ありと記録されています。本書は Pico 2 W の準備と MicroPython の基本から、降水確率、ごみの日、湯はり、玄関のカギ、飛行機、洋服選び、洗濯物の乾き具合を扱う 7 つの作品までを全 10 章に収めています。