コンピュータ科学の基礎の表紙

コンピュータ科学の基礎(コンピュータカガクノキソ)

ネットワーク
著者:
木村 春彦/田嶋 拓也/阿部 武彦(キムラ ハルヒコ/タジマ タクヤ/アベ タケヒコ)
出版社:
共立出版
出版日:
2017年03月23日頃
ISBN:
9784320124172
在庫:
在庫あり
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書籍紹介

本書は,コンピュータの知識をほとんど持たない,コンピュータに慣れ親しんでいない,コンピュータ初心者である,専門学校,短大,大学 (経済・経営系等の文系) の学生を対象とした,コンピュータ科学の基礎を学習するためのテキストである。コンピュータの歴史,基本原理,データベース,ネットワーク,情報セキュリティなどの幅広い分野の基本を平易に解説している。
経済産業省認定の国家試験である情報処理技術者試験の一区分である「 IT パスポート試験」のテクノロジ系分野をカバーしており,試験の過去問題と解説が多く掲載されているため,試験合格を目指す受験者にとっても最適な自習書である。

技書の森解説

コンピュータにほとんど触れてこなかった人が、コンピュータ科学の全体像を最初に学ぶための入門テキストです。『コンピュータ科学の基礎』は木村春彦氏の監修のもと田嶋拓也氏と阿部武彦氏が執筆し、共立出版から 2017 年 3 月に刊行されました。想定読者として明示されているのは専門学校・短大・大学の学生、なかでも経済・経営系など文系でコンピュータの予備知識を持たない学習者です。あわせて、国家試験である情報処理技術者試験の一区分にあたる IT パスポート試験のテクノロジ系分野をカバーし、過去問題とその解説を多く載せた自習書としての性格も持ちます。

全 7 章の構成: 2 進数からセキュリティまで

構成は全 7 章です。第 1 章の情報社会とコンピュータの歴史から始まり、第 2 章でデジタルデータと 2 進数、第 3 章と第 4 章でハードウェアとソフトウェア、第 5 章から第 7 章でデータベース、ネットワーク情報セキュリティ へと進みます。基数変換のように手を動かして身につける題材から、社会人の共通教養として問われるセキュリティの基本まで、コンピュータを支える階層を土台から順に積み上げる王道の並びです。各章末には演習問題が付き、 B5 判 203 ページという分量に収まっているため、半期の講義でも独学の 1 周目でも通読の負荷が小さい設計です。

文系がつまずくテクノロジ系に効く理由

文系の学習者が IT パスポート試験でつまずきやすいのが、まさにこのテクノロジ系分野です。ストラテジ系やマネジメント系の問題は業務経験や一般常識からある程度類推が利くのに対し、 2 進数や 16 進数の基数変換、CPU とメモリの役割分担、データベースやネットワークの仕組みといった題材は、コンピュータを日常的に使うだけでは決して目に入らない層の話だからです。用語の暗記だけで乗り切ろうとすると応用問題で崩れやすい領域でもあります。本書は幅広い分野の基本を平易に解説する方針をとっており、仕組みの理解から入って過去問題で定着させるという、暗記に頼らない学び方を 1 冊の中で完結できる点が持ち味です。

2017 年刊の注意点と対策書との併用

利用にあたって意識したいのは 2017 年 3 月刊行という時点です。資格試験の出題範囲は見直されていくものなので、 IT パスポート試験の受験を目前に控えた仕上げ段階では、受験する 年度に対応した対策書 や公開されている過去問題で補完するのが安全です。役割分担としては、年度版の対策書が合格への最短経路を示す本だとすれば、本書はなぜそうなるのかを落ち着いて理解するための教科書であり、併用すると互いを補完し合います。

向いている読者と向かない読者

具体的に効果が見込めるのは、経済学部や経営学部で情報リテラシーの次の一歩を踏み出したい学生、文系から IT 業界への就職や異動が決まって入社前に土台を作りたい人、用語暗記型の勉強で一度挫折した受験者などです。一方で、プログラミングアルゴリズム、計算量理論といった情報系専門課程レベルの内容を期待する人には向きません。データ構造やオペレーティングシステムの内部動作を掘り下げる章は無く、そうした読者はより専門的な教科書を選ぶべきです。逆に言えば、コンピュータは使えるが中身は説明できないという自覚がある人にとって、歴史からセキュリティまでの見取り図を 203 ページで手に入れられる本書は、最初の 1 冊として堅実な選択です。

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