入門 サイバーセキュリティ 理論と実験

ニュウモンサイバーセキュリティリロントジッケン

暗号技術・ネットワークセキュリティ・ブロックチェーンから Python 実験まで

入門 サイバーセキュリティ 理論と実験の表紙
ネットワーク
著者:
面 和成(オモテ カズマサ)
出版社:
コロナ社
出版日:
2021年03月04日頃
ISBN:
9784339029178
在庫:
在庫あり
3(2 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
Pythonセキュリティ暗号サイバーセキュリティ認証ネットワーク数学

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書籍紹介

◆書籍の特徴◆
本書は, 暗号技術およびネットワークセキュリティに関する理論と応用のトピックスに加えて, Python 等を使用した 8 種類のセキュリティ実験についてコード例とともに掲載しており, 暗号技術とネットワークセキュリティの両面からサイバーセキュリティの理解の定着を図ります。本書のみでサイバーセキュリティとその周辺技術を習得・体験し, 十分に理解ができるように配慮されていることが最大の長所です。想定する読者は, 理工系の大学・大学院生に加えて, ICT (information and communication technology) システムの構築・運用に携わる方々です。

◆書籍の構成◆
まず 1 章においてさまざまなサイバー脅威を知ることによってサイバーセキュリティの重要性を理解し, 2 章でサイバーセキュリティの考え方や限界など, サイバーセキュリティの全体像を学びます。3 章では, 暗号や認証, 秘密分散などに用いられる数学の基礎について学びます。4 章以降では, サイバーセキュリティの具体的な話題をとりあげ,「暗号の基本技術 (4 章)」,「認証の基本技術 (5 章)」,「バイオメトリクス (6 章)」,「秘密分散 (7 章)」,「ネットワーク侵入防御 (8 章)」,「統計的不正アクセス検知 (9 章)」,「VPN (10 章)」,「暗号資産とブロックチェーン (11 章)」,「ブロックチェーンのセキュリティ (12 章)」を習得していきます。これまでのサイバーセキュリティに関する書籍が, これらのうちの一部をとりあげるだけであったのに対して, 本書はこれらの話題すべてを 1 冊の本にまとめて網羅的に扱っています。

◆読者に伝えたいメッセージ◆
サイバーセキュリティに関する優れた書籍は数多くあります。しかし, サイバーセキュリティの分野は非常に広範であるためか, サイバーセキュリティの理論から応用・実験までを扱う書籍は数少ないと感じます。また,「暗号技術」から「ネットワークセキュリティ」,さらには「ブロックチェーン」を一つの土俵で扱うような書籍も, 決して多くはないと考えています。これからサイバーセキュリティ技術を身につけようとしている技術者や研究者, 学生のみなさんに, 本書を少しでも役立てて頂ければ幸いです。

技書の森解説

『入門 サイバーセキュリティ 理論と実験』 (面 和成 著、コロナ社、2021 年 3 月刊) は、暗号技術とネットワークセキュリティの理論に、Python などを使った 8 種類のセキュリティ実験をコード例つきで組み合わせた教科書です。副題は「暗号技術・ネットワークセキュリティ・ブロックチェーンから Python 実験まで」で、版元は想定する読者を理工系の大学 / 大学院生と、ICT システムの構築や運用に携わる人と案内しています。攻撃の種類を名前で覚えるだけでなく、暗号や認証がなぜ安全といえるのかを数式と実験の両面から確かめたい人に向いた一冊です。

全 12 章の構成、サイバー脅威から暗号資産の攻撃まで

1 章「サイバー脅威」で不正アクセスやマルウェア、サービス停止攻撃、Web の脅威、組織内ネットワークの脅威を見渡し、2 章「サイバーセキュリティ概論」でリスクマネジメントやセキュリティの 3 要素、ケルクホフスの原理といった考え方の土台を固めます。3 章「数学的準備」は初等整数論、離散対数問題と素因数分解問題、中国の剰余定理、ベイズ統計学、情報量とエントロピーを扱い、後の章の数理を支える位置にあります。4 章「暗号の基本技術」と 5 章「認証の基本技術」は、古典暗号から共通鍵暗号、公開鍵暗号、鍵共有、暗号学的ハッシュ関数、メッセージ認証コード、ディジタル署名、公開鍵認証基盤までを順に積み上げます。6 章「バイオメトリクス」と 7 章「秘密分散」を挟み、8 章「ネットワーク侵入防御」から 10 章「VPN」まではファイアウォールや侵入検知システム、線形判別分析とベイズ判別分析による不正アクセス検知、IPsec と TLS/SSL の仕組みへ進みます。最後の 11 章「暗号資産とブロックチェーン」と 12 章「ブロックチェーンのセキュリティ」は、ビットコインとイーサリアムの仕組みから、51%攻撃や二重支払い攻撃、オラクル問題までを扱います。

実験 A から H、理論の章に置かれた 8 つの実験

実験は 12 章のうち 8 つの章の最後の節に 1 つずつ置かれています。1 章の「実験 A:パスワードクラック」、4 章の「実験 B:RSA 暗号の common modulus attack」、5 章の「実験 C:SHA-256 の部分的衝突」、6 章の「実験 D:バイオメトリクス認証」、7 章の「実験 E:秘密の解読」、8 章の「実験 F:Windows ファイアウォール」、11 章の「実験 G:イーサリアムブロックチェーンへのアクセス」、12 章の「実験 H:暗号資産 NEM の追跡」です。2 章、3 章、9 章、10 章には実験の節がありません。common modulus attack は、同じ平文を同じ法と 2 つの公開指数で暗号化した暗号文から、3.1.2 節の拡張ユークリッドの互除法で求めた係数を使って平文を取り出す攻撃で、3 章の整数論が 4 章の実験の前提です。ハッシュ値の部分的な衝突の探しやすさも、5 章の最初の節で扱うバースデイパラドックスの考え方で見積もれます。

計算量の前提が崩れると何が破れるのかを手で確かめる

暗号の安全性の多くは、素因数分解や離散対数のように解くのに膨大な計算量がかかる問題に依存しています。データを 暗号化 していても、同じ法を複数の鍵で使い回す、出力の長さが足りない、乱数に偏りがあるといった実装や運用の前提が崩れれば、数学的な強さはそのまま失われます。本書は、理論の章で条件を学び、実験でその条件を外した結果を観察する流れです。

数学の基礎は 3 章で用意されていますが、合同式や確率の記号を追いながら読む教科書です。実験のコードを動かすには、Python のスクリプトを自分の環境で実行できる経験が前提です。一方で、資格試験の出題範囲に沿った問題演習や、Web アプリケーションの脆弱性診断の手順は扱いません。分野ごとの選び方は セキュリティ技術書の選び方 にまとめています。暗号、認証、ネットワーク防御、ブロックチェーンを別々の本で集める前に全体を一つの流れで見渡し、8 つの実験で手応えを得たい学生や、システムの構築や運用の場で根拠を持って対策を選びたい技術者に向けた一冊です。

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