情報銀行のすべて

ジョウホウギンコウノスベテ

情報銀行のすべての表紙
その他
著者:
花谷 昌弘 / 前田 幸枝(ハナタニ マサヒロ / マエダ ユキエ)
出版社:
ダイヤモンド社
出版日:
2019年11月15日頃
ISBN:
9784478109274
在庫:
在庫あり
3.33(4 件 / 楽天ブックス)

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書籍紹介

GAFA の覇権が終わり、新しい時代が始まる。

技書の森解説

『情報銀行のすべて』 (花谷昌弘、前田幸枝 編著、ダイヤモンド社、2019 年 11 月刊) は、この情報銀行を軸に、パーソナルデータの流通と活用をめぐる国内と海外の動き、生活の場面での将来の使われ方、情報銀行のビジネスまでを扱う本です。版元の内容紹介は、GAFA の覇権に対し「第 2 の石油」と呼ばれる個人情報の新しい担い手と、世界各国で導入が進む、個人が主権者となるルールの下での競争戦略を詳しく解説すると案内しています。花谷昌弘は NTT データの金融事業推進部、前田幸枝は NTT データ経営研究所の金融政策コンサルティングユニットの所属と版元の編著者紹介にあります。

全 5 章の構成、情報銀行の定義からビジネスの登場まで

目次は「はじめに」に続く第 1 章「情報銀行とは何か」、第 2 章「パーソナルデータ流通・活用をめぐる国内動向」、第 3 章「パーソナルデータ流通・活用をめぐる海外動向」、第 4 章「パーソナルデータの未来像」、第 5 章「情報銀行ビジネス登場」の全 5 章と「終わりに・謝辞」で構成されています。第 1 章は「データは誰のものか」という問いから始まり、EU の一般データ保護規則 (GDPR) の登場、企業が個人の情報を囲い込み活用する CRM の時代から、個人がビジネスの中心になる個の時代への移り変わり、VRM、パーソナルデータストアを経て、日本生まれの個人情報預託の仕組みとしての情報銀行に至ります。第 5 章は、データを使ったビジネスモデル、データ保有のルールと真正性の担保、健康管理や創薬からフリーランスの支援までの用途を取り上げます。

CRM、VRM、パーソナルデータストア、自己主権型 ID

CRM (Customer Relationship Management、顧客関係管理) は、企業が顧客の購買や問い合わせの記録を自社のシステムに集めて管理し、販売や販促に使う考え方です。データは企業ごとに分かれて保存され、同じ人の記録が会社の数だけ別々に存在します。VRM (Vendor Relationship Management) はその向きを逆にして、個人の側が企業との関係を管理するという発想で、パーソナルデータストアは、個人が自分のデータを自分の管理下にある保管場所に置き、どのサービスにどの項目を渡すかを自分で決める仕組みです。情報銀行は、その管理を本人の同意のもとで事業者に任せる仕組みです。第 3 章が扱う自己主権型 ID は、本人を識別する情報を特定の事業者に頼らずに持ち、必要な分だけ証明として示す考え方で、記録の改ざんを防ぐ仕組みとして ブロックチェーン を使う取り組みが目次に並びます。

国内の制度と事例、海外の動きを並べた第 2 章と第 3 章

第 2 章は、個人情報保護法の改正、次世代医療基盤法の制定、データポータビリティ権の検討開始、情報銀行事業者の認定制度という制度の動きに続いて、企業の参入の事例へ進みます。事例は用途ごとに分けられ、Web マーケティングの手法としての利用 (マイデータ・インテリジェンス、サイバーエージェント、スカパー JSAT と DataSign)、地域内の生活支援 (中部電力と大日本印刷、フェリカポケットマーケティング、さいたま市)、新たな信用評価 (J.Score、LINE Credit、ヤフー)、金融データ (マネーフォワード)、医療 / 健康データ (三井住友銀行 / 日本総合研究所)、広くデータを扱う情報銀行 (三菱 UFJ 信託銀行) が並びます。第 3 章は、米国、産業 4 分野に取引データの公開を義務づけた英国と digi.me の取り組み、GDPR でデータポータビリティ権を定めた EU、フランスの非営利団体 FING の活動、MyData Global の活動、BAT (バイドゥ、アリババ、テンセント) による寡占化が進む中国、自己主権型 ID と KYC (Know Your Customer、本人確認)、医療データの連携を取り上げます。第 4 章は、子育てから金融までのシミュレーションで、パーソナルデータが使われる場面を描きます。教育カリキュラムのオーダーメード化、近隣住民との集団購買、行動履歴からの志望企業の推奨、保険会社とのやりとりの簡素化、物件探しからローン審査までのワンストップといった項目が並びます。一方で、システムの設計や実装の手順を扱う本ではなく、目次にも技術の実装を扱う章はありません。

本書は、情報銀行の定義から国内外の制度と事例、生活の場面の将来像、情報銀行のビジネスまでを全 5 章に収めています。

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