技術書を Kindle で読むコツ - 電子書籍ならではの活用術

2 分で読めます
技術書読書術学習法

この記事は約 5 分で読めます。

Kindle には Kindle の読み方がある

技術書は電子書籍版が用意されているものが多く、Kindle で読んでいるエンジニアも珍しくありません。しかし、紙の本と同じ感覚で読もうとすると、かえって読みにくく感じることがあります。Kindle には Kindle の読み方があります。

紙と電子のどちらが良いかという議論は別の記事に譲り、ここでは「Kindle で読むと決めた人」が知っておくべき具体的なテクニックに絞って解説します。

ハイライトを読書ノート代わりにする

Kindle のハイライト機能は、技術書の読書ノートとしてよく働きます。気になった箇所を長押しでハイライトするだけで、後から一覧で振り返れます。

色分けのルール

ハイライトに色を割り当てられる環境なら、自分なりのルールを決めておくと、後から見返すときに効率的です。

たとえば「重要な概念」「実践で使えるテクニック」「自分の理解が怪しい箇所」「他の人にも共有したい内容」といった区分に色を振り分けます。使える色の数は端末やアプリによって違うので、区分の数はその範囲に収めます。色と意味の対応は自由ですが、一度決めたら統一することが大切です。

先に確かめておきたいのが、読む端末の画面です。色を見分けられるのはスマートフォンやタブレットの Kindle アプリ、あるいはカラー表示に対応した端末で、白黒の電子ペーパー端末では色の違いが判別できません。白黒の端末で読むなら、色ではなくハイライトの有無とメモの書き込みで区別する運用にします。

ハイライトの書き出し

Kindle のハイライトは read.amazon.co.jp/notebook からまとめて確認できます (Amazon アカウントでのログインが必要です)。ここからコピーして自分のノートアプリに貼り付ければ、読書メモの完成です。本を読み終えた直後にこの作業をすると、記憶が新鮮なうちに要点を整理できます。

検索機能を辞書として使う

紙の本では索引を引く必要がありますが、Kindle なら本文全体をキーワード検索できます。「あの概念、どこに書いてあったっけ」という場面で、目次や索引をたどらずに該当箇所へ移動できます。

特に 500 ページを超える技術書では、この検索機能の価値が際立ちます。索引に載っていない用語でも、本文中に登場していれば見つかります。

ただし検索には癖があります。同じ用語が英語表記とカタカナ表記で混在している本では、片方で検索しても目的の箇所に届きません。記号を含むコードの断片も探しにくいので、検索語は本文中で使われていそうな綴りに寄せて、両方の表記で試します。

フォントサイズと行間の調整

技術書はコードブロックや図表が多いため、フォントサイズの設定が読みやすさに直結します。

本文は自分が快適に読めるサイズに設定しつつ、コードブロックが画面内に収まるかを確認してください。フォントを大きくしすぎると、コードが折り返されて読みにくくなります。

同じ理由で、画面の小さい端末より、画面の大きい端末の方が技術書には向きます。電子ペーパーの端末なら画面の大きい Kindle Scribe、手元にタブレットがあれば Kindle アプリという選び方になります。コードブロックや図表が多い本は、できるだけ大きな画面で読むほうが折り返しに悩まされずに済みます。

固定レイアウトの罠

技術書の Kindle 版には「リフロー型」と「固定レイアウト型」の 2 種類があります。

リフロー型はフォントサイズの変更や検索ができ、Kindle の強みを活かせます。一方、固定レイアウト型は紙面のレイアウトをそのまま保った形式で、フォントサイズを変えられず、本文検索も使えないことが多いです。

購入前に商品ページで「固定レイアウト」の表記がないか確認してください。表記が見つからないときは、無料サンプルを端末に送って文字サイズを変えられるか試すと判別できます。固定レイアウトの本は、小さな画面では文字が小さすぎて読み進めるのが苦しくなります。

複数端末での同期を活かす

Kindle は複数端末で読書位置が同期されます。通勤中はスマホで、自宅ではタブレットで、職場では PC のブラウザで。同じ本を場所を選ばず読み進められるのは、紙の本にはない利点です。読書位置の同期は通信できるときに行われるため、機内モードのまま読んだ分は、次に接続するまで他の端末へ反映されません。

特に技術書は「読む」と「手を動かす」を交互に繰り返すため、PC の横にタブレットを置いて読むスタイルが効率的です。

関連記事

まとめ

Kindle で技術書を読むなら、ハイライトの使い分け、検索機能の活用、フォントサイズの最適化が三本柱です。固定レイアウトの本を避け、大きめの画面で読めば、紙の本では手間のかかる探し物や読み返しが楽になります。

共有:Xはてブ

この記事は役に立ちましたか?

関連用語

関連記事

技術書は電子書籍と紙のどちらで読むべきか

電子書籍と紙の技術書のメリット / デメリットを比較し、用途別の使い分け指針と、電子書籍リーダーの選び方を紹介します。

通勤電車で技術書を読む人が密かにやっていること

通勤時間を技術書の読書に充てるための具体的な工夫をまとめます。限られた時間と環境で学習を積み上げるための、本の選び方から記録の残し方までの手順。

O'Reilly の表紙が動物の理由 - 技術書の装丁デザインの秘密

O'Reilly の動物表紙はなぜ始まったのか。表紙の動物の選び方、技術書のフォントや判型が読みやすさに与える影響など、装丁デザインの裏話を紹介します。

紙の本と電子書籍、初心者はどっちがいい?

紙の本と電子書籍、プログラミング初心者にはどちらが向いているのか。それぞれのメリットを比較して、自分に合った方を選ぶヒントを紹介します。

読書で線を引くか引かないか - 本にマーカーを引く人 / 引きたくない人の言い分

読書で線を引く効果は、引く箇所を判断しながら読む能動的な読書になることと、再読時に要点だけ拾い読みできること。引きたくない派の根拠 (引きすぎ / 資産価値) と付箋という第三の選択肢も検証し、自分に合ったスタイルの判断基準を提示します。

技術書の読書ノート術 - 付箋 / マーカー / デジタルの使い分け

技術書を読むときのノートの取り方を比較します。付箋派、マーカー派、デジタルノート派、それぞれの長所と短所を実体験をもとに紹介します。