技術書の読書ノート術 - 付箋・マーカー・デジタルの使い分け

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雑学読書術技術書

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技術書のノート術は永遠のテーマ

技術書を読むとき、あなたはどうやってメモを取っていますか。付箋を貼る人、マーカーで線を引く人、デジタルノートに打ち込む人。方法は人それぞれですが、どの方法にも「あるある」な悩みがつきまといます。

今回は代表的な 6 つのノート術を比較して、それぞれの長所と短所を正直に紹介します。完璧な方法は存在しませんが、自分に合ったスタイルを見つけるヒントになれば幸いです。

付箋派 - 本を汚さない安心感

付箋派の最大の武器は「剥がせる」こと。重要なページにペタペタ貼っていけば、本を汚さずにマーキングできます。色分けすれば「赤は最重要」「青は後で調べる」「黄色はコード例」といった分類も可能です。

ただし、付箋派には宿命的な問題があります。読み進めるうちに付箋の数が増えすぎて、本の側面がカラフルな壁のようになるのです。こうなると「全部重要 = 何も重要でない」状態に陥ります。

付箋が多すぎる問題への対策として、読了後に付箋を間引く「付箋レビュー」を実施する人もいます。2 周目に本当に重要な箇所だけ残すわけです。手間はかかりますが、これをやると理解が一段深まります。

マーカー派 - 直感的だが後戻りできない

マーカー派の強みは、目に飛び込んでくる視認性の高さ。再読時にハイライト部分だけ拾い読みすれば、短時間で要点を復習できます。

問題は「引きすぎ」です。最初は慎重に引いていたマーカーが、章の後半になると 1 ページの半分以上が蛍光色に染まっている。こうなると、もはやマーカーを引いていない部分のほうが目立つという逆転現象が起きます。

もう 1 つの欠点は、中古で売れなくなること。マーカーだらけの技術書はフリマアプリで値がつきません。「この本はもう手放さない」という覚悟がある場合にだけ、マーカーを握りましょう。

折り目 (ドッグイア) 派 - 最速だが愛書家の敵

ページの角を折るドッグイアは、道具が一切不要という圧倒的な手軽さが魅力です。電車の中でも、カフェでも、手ぶらで読書メモが取れます。

上の角を折れば「重要」、下の角を折れば「後で調べる」という 2 段階の分類もできます。シンプルですが、実用上はこれで十分という人も多い。

ただし、愛書家からは「本を折るなんて信じられない」と白い目で見られます。図書館の本でやったら犯罪です。あくまで自分の本限定の技法です。

デジタルノート派 - 検索は最強、でも手間がかかる

Notion、Obsidian、Scrapbox などのデジタルノートに読書メモを残す方法。最大の利点は検索性です。「あの本のあの話、どこに書いてあったっけ」という問題が一瞬で解決します。

タグやリンクで知識を構造化できるのも強み。複数の本から得た知識を横断的に整理すれば、自分だけのナレッジベースが完成します。

欠点は、本とノートの行き来が面倒なこと。紙の本を読みながらパソコンに打ち込む作業は、読書のリズムを崩します。電子書籍ならコピー & ペーストできますが、紙の本だと手入力になるため、メモを取る時間が読書時間を上回ることもあります。

写真メモ派 - スマホ 1 台で完結する手軽さ

スマホのカメラで重要なページを撮影する方法。付箋もマーカーもノートも不要で、撮るだけ。技術書のコード例を撮影しておけば、通勤中にスマホで復習できます。

問題は整理です。撮りっぱなしにすると、カメラロールが技術書の写真で埋め尽くされます。「あの図はどの本の何ページだっけ」と、写真の海を延々スクロールする羽目になります。

対策としては、撮影後すぐに専用フォルダに移動するか、Google Keep などに貼り付けてタグをつけること。この「すぐに整理する」習慣がつくかどうかが、写真メモ派の成否を分けます。

白紙ノート派 - 時間はかかるが理解は最深

本の内容を自分の言葉でノートにまとめる方法。最も時間がかかりますが、理解の深さでは他の方法を圧倒します。

自分の言葉で書き直す過程で「あれ、ここの説明、実は理解できていなかった」と気づくことが多い。この気づきこそが白紙ノート派の最大の価値です。

欠点は明白で、とにかく時間がかかること。300 ページの技術書を丁寧にノートにまとめると、読書時間の 2 倍から 3 倍の時間が必要です。すべての本でやるのは現実的ではないので、「この 1 冊は徹底的に理解したい」という本に限定するのが賢明です。

技術書のノート術に興味があるなら、付箋やノートの関連グッズを揃えてみるのも一つの手です。

6 つの方法を比較する

方法 手軽さ 検索性 理解の深さ 本の状態
付箋 ★★★★ ★★ ★★ 良好
マーカー ★★★★ ★★★ ★★ 汚れる
ドッグイア ★★★★★ 傷む
デジタルノート ★★ ★★★★★ ★★★★ 良好
写真メモ ★★★★ ★★ 良好
白紙ノート ★★★ ★★★★★ 良好

手軽さと理解の深さはトレードオフの関係にあります。時間に余裕があるときは白紙ノート、通勤中にサッと読むなら付箋やドッグイアと、場面に応じて使い分けるのが現実的です。

組み合わせという選択肢

実は、1 つの方法に固執する必要はありません。多くの読書家は複数の方法を組み合わせています。

例えば「1 周目は付箋で気になる箇所をマーク → 2 周目に付箋の箇所だけデジタルノートにまとめる」という 2 段階方式。1 周目の手軽さと 2 周目の深い理解を両立できます。

あるいは「基本はドッグイア、特に重要な箇所だけ写真メモ」という組み合わせ。道具不要の手軽さを維持しつつ、本当に大事な部分だけデジタルで残せます。

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まとめ

技術書のノート術に唯一の正解はありません。付箋は手軽だけど増えすぎる、マーカーは視認性が高いけど後戻りできない、デジタルノートは検索最強だけど手間がかかる。どの方法にも一長一短があります。大切なのは「自分の読書スタイルに合った方法を見つけること」と「完璧を求めすぎないこと」。まずは気になる方法を 1 つ試してみて、しっくりこなければ別の方法に切り替える。その試行錯誤自体が、技術書との付き合い方を深めてくれます。

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