オペレーティングシステム

オペレーティング システム

オペレーティングシステムの表紙
OS
著者:
大久保英嗣(オオクボ, エイジ)
出版社:
オーム社
出版日:
1999年12月
ISBN:
9784274131936
シリーズ:
新世代工学シリーズ
在庫:
在庫あり
0

なぜ注目されているか

言及数
48位
総合379位 ↑ 1 ランクアップ 言及 43 件・うち記事 41 件を掲載
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書籍紹介

本書では、それらのオペレーティングシステムにおいて実現されている基本的な概念や技法を理解することを目的に構成されている。

技書の森解説

OS の教科書を 1 冊で概念から実例まで通したいとき、候補に挙がるのがこの本です。『オペレーティングシステム』 (大久保 英嗣 編著、オーム社、1999 年 12 月刊) は、新世代工学シリーズの 1 冊として書かれた教科書で、OS の概念から始めてプロセス管理、メモリ管理、ファイルシステムという主要機能を述べ、そのあと具体的な OS として UNIX と Windows NT を例に、歴史から各種機能までを解説します。版元はこのシリーズを、セメスタ制に対応した構成で、図解を用いて基本的なポイントを解説する電気 / 電子 / 情報 / システム工学系の教科書シリーズと紹介しています。書誌の紹介文によると、本書は OS で実現されている基本的な概念や技法を理解することを目的に構成されています。

全 6 章の構成、概念の 4 章と実例の 2 章

1 章「オペレーティングシステムの概要」は、OS とは何か、歴史と基本概念、構成、実現法を扱います。2 章「プロセス管理とスケジューリング」の節は「プロセスとは」と「スレッドとは」の 2 つで、実行の単位としての プロセスとスレッド の区別がこの章の柱です。3 章「メモリ管理」は詳細目次で節の数が最も多い章で、単一連続割付け、固定区画割付け、可変区画割付け、記憶保護と進んだあと、仮想記憶、ページングとセグメンテーション、ページ置換えアルゴリズム、参照の局所性、ワーキングセットモデルへと続きます。4 章「ファイルシステム」は全 6 節で、ファイル、ディレクトリ構造、ディスクと効率の問題から、ファイルの保護、ファイルの実装方法、ログ構造ファイルシステムまでを扱います。後半の 5 章「UNIX」は概要と実装、6 章「Windows NT」は概要、Executive、「NT サブシステム」、GUI という節立てで、前半で学んだ概念が実在の OS でどう形になっているかを確かめる並びと読めます。

メモリ管理の章が割付け方式から仮想記憶へ進む意味

3 章の節の並びは、主記憶の割り当て方が発展してきた順序をなぞる形になっています。プログラムを 1 つだけ主記憶に置く単一連続割付けから、主記憶をあらかじめ区切る固定区画、要求に応じて区切る可変区画へ進むと、複数のプログラムを同時に置けるようになる代わりに、空き領域が細切れになる断片化が問題になり、他のプログラムの領域を壊さないための記憶保護も必要になります。仮想記憶はこの制約を、プログラムから見えるアドレスと物理的な配置を切り離すことで解く仕組みで、ページングは固定長、セグメンテーションは論理的な単位で領域を分けます。主記憶に載せきれないページをどれから追い出すかを決めるのがページ置換えアルゴリズムで、その良し悪しを支えるのが、プログラムは短い時間には限られた範囲だけを参照するという参照の局所性です。ワーキングセットモデルは、ある時間幅でプロセスが実際に使うページの集合をもとに主記憶の割り当てを考える見方で、局所性を割り当ての方針に結びつけたものです。この順に読むと、仮想記憶の各技法がどの問題への答えなのかを追えます。

1999 年刊の教科書として読む前提と、向いている学生と技術者

版元が挙げるおすすめの読者は、電気電子 / 情報通信 / システム工学系に関連した大学の学部生と高専生、そして同じ分野の初級技術者で、段の表示は中級です。刊行は 1999 年 12 月で、実例の 2 章もその時点の UNIX と Windows NT が題材です。仮想化やコンテナ、マルチコア向けのスケジューリングといった項目は目次の節には見当たらないため、こうした話題やカーネルのソースを読み進める学び方を求める場合は、別の本を組み合わせる必要があります。次の 1 冊の探し方は OS と低レイヤーの本の選び方 が参考になります。一方で、プロセス、仮想記憶、ファイルシステムという概念は後の OS にも引き継がれており、Linux や macOS の設計に影響を与えた UNIX について 5 章で実装の概要に触れておくと、後の OS の仕組みを学ぶ際の足場になります。

講義の教科書として指定された学生や、OS の基本概念を図解でひととおり押さえ直したい初級技術者にとって、概念の 4 章と実例の 2 章を半期の講義に合わせた構成で通せる本書は、OS の全体像を短い道のりでつかむのに向いた 1 冊です。とくに 3 章の仮想記憶までの流れは、手元に置いて繰り返し確かめる価値があります。

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