思考・発想にパソコンを使うな(シコウ ハッソウ ニ パソコン オ ツカウナ)
「知」の手書きノートづくり
エンジニアのキャリア・思考- 著者:
- 増田剛己(マスダ,タケキ)
- 出版社:
- 幻冬舎
- 出版日:
- 2009年05月
- ISBN:
- 9784344981263
- シリーズ:
- 幻冬舎新書
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
あなたの思考・発想を凡庸にしているのはパソコンだ!コピー&ペーストで、記憶力、構成力、表現力が衰える。パソコンは大量の情報の収集・整理には便利だが、知的創造には不向き。そこで「手書きノート」だ。ふと浮かんだアイディアは、断片をメモするだけでなく、可能な限り文章化する。文章にすれば記憶に定着しやすいし、そのプロセスが、自己分析力と他人に伝える力をつける。漱石、熊楠から、野村克也監督、中村俊輔選手まで、古今各界一流人の使えるノート術も一挙公開。
技書の森解説
IT 活用術の本が並ぶ棚で、あえて逆を張る新書です。増田剛己氏による本書は 2009 年 5 月に幻冬舎新書の一冊として刊行され、思考や発想を凡庸にしている元凶は PC だ、という挑発的な立場を掲げます。ただし PC 全否定の精神論ではありません。大量の情報の収集や整理には PC が向くと認めた上で、ゼロから考えを生み出す知的創造の局面に限っては手書きノートに分があると論じる、道具の使い分けの本です。
方法論の核はシンプルで、浮かんだアイデアを断片のメモで終わらせず、可能な限り手で文章化することにあります。書く過程そのものが記憶への定着と自己分析、そして他人に伝える力の訓練になるという理屈です。コピー & ペーストで済ませる作業からはこのプロセスが抜け落ちる、という指摘は、生成 AI に文章の下書きまで任せられるようになった時代に読み返すと、かえって射程の長さを感じさせます。夏目漱石や南方熊楠から野村克也、中村俊輔まで、各界の一流と呼ばれた人々のノートの使い方を紹介する章も読みどころです。
キーボードより速く考えたいエンジニアに向けた本ではなく、企画や文章を仕事にする人、あるいは情報収集ばかりで自分の考えが薄まっている自覚のある人に向きます。設計の初期段階だけ紙に向かうという折衷案の根拠づけとして、デジタル漬けの読者が試しに手に取るのも面白い一冊です。