ビジネスを変える「ゲームニクス」
ビジネス オ カエル ゲームニクス
なぜ注目されているか
書籍紹介
“もてなし”の文化で Apple を超える。アプリ、Web、教育、医療、電子機器に革新をもたらすゲーム制作のノウハウとは。
技書の森解説
『ビジネスを変える「ゲームニクス」』 (サイトウ・アキヒロ 著、日経 BP 社、2013 年 6 月刊) は、ビデオゲームの制作で培われてきた「人を思わず夢中にさせる仕組み」や使いやすい操作の作り方を「ゲームニクス」と名付けて体系化し、家電や Web サービス、教育、ヘルスケアといったゲーム以外の分野への応用を説く本です。版元の紹介によると、著者は刊行時に立命館大学教授で、20 年以上ゲーム・クリエーターとして活動してきた経験を基にこの理論をまとめています。
序章と 1 章から 3 章、成立の過程から理論と応用へ
目次は序章「なぜゲームのノウハウが家電や教育、デジタル機器に必要なのか」に始まり、1 章「ゲームニクス成立の過程-ソフトで世界を制覇する」、2 章「ゲームニクス理論」、3 章「ゲームニクス応用」の順に進みます。1 章には「ゲームが米国文化から日本文化に塗り替えられる」「ゲームニクス理論成立の文化的背景」「ゲームニクス理論の他分野への応用」などの節があり、2 章は「ゲームニクスとはなにか」と「ゲームニクス理論の詳細」、3 章には「スマホ・アプリ応用」「タブレット応用」「リハビリ・ヘルスケア応用」などの節があります。
紹介文が挙げる五つの要素と「おもてなしの文化」
版元の紹介文では、ゲームニクスは「直感的な UI」「マニュアル不要の操作理解」「はまる演出」「段階的な学習効果」「仮想世界と現実世界のリンク」の五つを実現するノウハウ集とされ、日本人の根底にある「おもてなしの文化」の集大成ともされています。紹介文はさらに、機能の競争から抜け出して使いやすく夢中になれる家電製品を生み出す道筋として本書を示し、Apple の iPhone を上回る製品を日本のメーカーが生み出す可能性にも触れています。双方向のやり取りを求めるものであれば、ゲーム以外の分野にもゲーム制作のノウハウを生かせるというのが、紹介文の示す本書の主張です。
UI、UX、ゲーム開発という 3 つの語
UI は画面や操作部品など利用者が機器やソフトに触れる部分の設計を、UX は使い始めから使い続けるまでの体験の全体を指す語で、版元の紹介文の「直感的な UI」と「マニュアル不要の操作理解」はこの 2 つに関わる要素です。ゲーム開発 はビデオゲームの企画から設計、実装、試遊による調整までの制作の工程を指し、1 章「ゲームニクス成立の過程」はその中で理論が成立した過程を扱います。
本書は、ゲームニクスの成立の背景、理論、スマホ・アプリからリハビリ・ヘルスケアまでの応用を、序章と 1 章から 3 章にまとめています。