DMM.com を支えるデータ駆動戦略
ディーエムエムドットコムヲササエルデータクドウセンリャク
- 著者:
- 石垣 雅人 / 松本 勇気(イシガキ マサト / マツモト ユウキ)
- 出版社:
- マイナビ出版
- 出版日:
- 2020年09月24日頃
- ISBN:
- 9784839970161
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
Part1 では、データ駆動戦略の全体像を説明していきます。事業を科学的に捉え、数値モデルや KPI モデルへと落とし込む過程で生まれる「データ」というファクターをもとに事業を捉えていきます。
Part2 では、データ駆動戦略を進めるために重要な体制づくりについて説明していきます。「データ」を武器として、事業をグロースさせるための仮説検証プロセスをアジャイル開発で実現していく流れやデータから学習できる組織の作り方などが体験できます。
Part3 では、DMM.com が実践するデータ駆動戦略を体系的に紹介していきます。データ民主化という観点やデータを集約するデータ基盤の作り方を説明していきます。最後には、DMM.com の多くのサービスを支える基盤となっている「商品レビュー」をベースに、実際の[データ駆動戦略]を体験することができます。
エンタープライズのみならず、EC サイトの運営に悩む方にも読んでいただきたい書籍です。
Part1: 事業を科学的アプローチで捉え、定義する
Chapter1 : データ駆動戦略でのプロダクト開発の全容公開
Chapter2 : 事業を数値モデルで表現すると予測と自動化ができる
Chapter3 : 仮説検証を回しながら不確実性を下げていく
Part2 : 強固な組織体制がデータ駆動な戦略基盤を支える
Chapter4 : なぜ、学習できる組織が必要なのか
Chapter5 : 戦略的 Unlearn による組織モデルの構築
Chapter6 : 組織構造から発生する力学を操作する
Part3 : データを駆動させ、組織文化を作る
Chapter7 : データを集約して民主化する
Chapter8 : 商品レビューをデータ駆動でグロースさせてみよう!
技書の森解説
『DMM.com を支えるデータ駆動戦略』 (石垣 雅人 著、松本 勇気 監修、マイナビ出版、2020 年 9 月刊) は、事業を数値モデルや KPI モデルに落とし込み、その数字をもとに仮説検証を回す組織と、データを集約して使える状態にする基盤までを、DMM.com の実践を素材に説明する書籍です。刊行時の版元のプロフィールでは、著者の石垣氏は合同会社 DMM.com の総合トップ開発部 部長、監修の松本氏は同社の CTO とされています。紹介文は「エンタープライズのみならず、EC サイトの運営に悩む方にも読んでいただきたい書籍です」と結んでおり、プロダクト開発の責任者や事業の改善を担う実務者に向いた一冊です。
全 3 部 8 章の構成、数値モデルから商品レビューの実践まで
Part1「事業を科学的アプローチで捉え、定義する」は、データ駆動戦略でのプロダクト開発の全容を示す Chapter1 に始まり、事業を数値モデルで表して予測と自動化につなげる Chapter2、仮説検証を回しながら不確実性を下げていく Chapter3 へ進みます。Part2「強固な組織体制がデータ駆動な戦略基盤を支える」は体制づくりの部で、学習できる組織がなぜ必要かを問う Chapter4、「戦略的 Unlearn による組織モデルの構築」と題した Chapter5、組織構造から生じる力学を扱う Chapter6 が並びます。紹介文によれば、仮説検証のプロセスをアジャイル開発で実現していく流れや、データから学習できる組織の作り方もこの部で扱われます。Part3「データを駆動させ、組織文化を作る」は、データの集約と民主化、データ基盤の作り方を説明する Chapter7 と、DMM.com の多くのサービスを支える「商品レビュー」を題材にデータ駆動戦略を体験する Chapter8 で締めくくられます。
事業を数値で表すことが仮説検証の起点になる理由
指標どうしの関係が整理されないまま、個々の数字が別々に追われている状態では、データを集めても意思決定は変わりません。売上を訪問数、購入に至る割合、購入単価のような要素の掛け算として書き下ろしておけば、どの要素を動かせば成果が変わるのかを比べられ、施策ごとの効果も同じ物差しで見積もれます。この物差しが、仮説を立て、小さく試し、結果から次の打ち手を決めるという流れの前提になります。短い周期で動くものを届けて学ぶ アジャイル の開発の進め方は、この仮説検証の周期とよく噛み合います。データを集約し、事業の現場の人も自分で データ分析 に取り組める状態をつくることが、データの民主化と呼ばれる取り組みの狙いです。本書は数値モデルの部、組織の部、データ基盤の部を同じ一冊に収めており、この 3 つを切り離さずに検討できます。
KPI 設計と組織づくりを学びたい読者への前提
目次は事業の捉え方、組織の体制、データの集約と活用の章で構成されており、統計手法や特定の分析ツールの操作を章題に掲げた章はありません。SQL の書き方や機械学習のモデル構築を手を動かして身につけたい人には、実装寄りの本が別に要ります。また題材は 2020 年の刊行時点の DMM.com の組織と事業であり、自社の規模や事業の形に合わせて読み替える前提で読むことになります。Part2 の組織体制の話題を、技術リーダーのチーム運営の側から広げたい場合は、技術リーダー向けのチーム開発とマネジメントの本の選び方 も参考になります。
裏返せば、KPI を置いてはいるものの施策の良し悪しを数字で語れていないプロダクトの責任者や、データ活用を個人の頑張りではなく組織の仕組みにしたいエンジニアリングの管理職に向けて、本書は事業のモデル化から体制とデータ基盤までを一続きで扱います。最後の商品レビューの章は、自社のサービスで何を数値モデルとして書き下ろすべきかを考える手がかりになります。