ゼロから学ぶ Python プログラミング Google Colaboratory でらくらく導入(ゼロカラマナブパイソンプログラミング グーグルコラボラトリーデラクラクドウニュウ)
インターネット・WEBデザイン- 著者:
- 渡辺 宙志(ワタナベ ヒロシ)
- 出版社:
- 講談社
- 出版日:
- 2020年12月17日頃
- ISBN:
- 9784065218839
- シリーズ:
- KS情報科学専門書
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
【初学者納得、玄人脱帽!】
SNS で大絶賛の名講義がついに書籍化!
・問題解決に必要な「プログラマ的感覚」が身につく!
・基礎から解説し、プログラミングにはじめて触れる読者を、簡単な数値シミュレーションや機械学習まで導く。充実の目次!
・ Google Colaboratory で環境構築も簡単。教科書として最適!
【主な内容】
第 1 章 Python の概要と Google Colab の使い方
第 2 章 条件分岐と繰り返し処理
第 3 章 関数とスコープ
第 4 章 リストとタプル
第 5 章 文字列処理
第 6 章 ファイル操作
第 7 章 再帰呼び出し
第 8 章 クラスとオブジェクト指向
第 9 章 NumPy と SciPy の使い方
第 10 章 Python はどうやって動くのか
第 11 章 動的計画法
第 12 章 乱数を使ったプログラム
第 13 章 数値シミュレーション
第 14 章 簡単な機械学習
(詳細:https:// www.kspub.co.jp/book/detail/5218839.html )
【「はじめに」より抜粋】
なぜプログラミングを覚えるべきか。それは今後プログラミングが就職活動の必須スキルになるからではなく、まして AI がブームだからでもない。「プログラマ的感覚」を身につけるためだ。 (…) エクセルを使っていても、面倒な処理を見た時に「これは一括でできるマクロがあるに違いない」と思って探すかどうか。毎日決まった時間に、あるウェブサイトにアクセスして、ある値を読み取らないといけないという「仕事」が与えられた時に、「ウェブサイトにアクセスして値を読み込めるツールがあるに違いない。毎日決まった時間に何かを自動的に実行する方法があるに違いない。それらを組み合わせれば良い」と思えるかどうか。これが「プログラマ的感覚」である。
(…) 細かい文法などは最初は気にせず、必要に応じて調べれば良い。「 Python はこういうことができるんだな」「それはこれくらいの作業量でできるんだな」という「感覚」を頭の片隅に残すこと、それを目的として学習して欲しい。
【正誤表】
https:// kaityo256.github.io/python_zero/errata/
技書の森解説
プログラミング入門で最初につまずくのは、文法ではなく環境構築であることが少なくありません。『ゼロから学ぶ Python プログラミング』 (渡辺宙志 著、講談社、 2020 年 12 月刊) は、副題に Google Colaboratory でらくらく導入と掲げるとおり、ブラウザだけで動く実行環境を採用してその壁を取り払い、プログラミングにはじめて触れる読者を簡単な数値シミュレーションや機械学習まで導く Python の入門教科書です。講談社の KS 情報科学専門書の一冊で、版元は教科書としての利用を想定した書籍と位置づけており、紹介文によれば評判を得た講義を書籍化したものです。著者は版元プロフィールによれば慶應義塾大学理工学部物理情報工学科の准教授で、博士 (工学) 、名古屋大学と東京大学で研究職を歴任し、『ゼロから学ぶ Git/GitHub 』 (講談社) の著者でもあります。
全 14 章の構成、 Colab の使い方から数値シミュレーションと機械学習まで
構成は全 14 章に付録 (Python のインストール) が付き、各章末に課題が置かれています。第 1 章で Python の概要と Google Colab の使い方を押さえ、第 2 章から第 6 章で条件分岐と繰り返し、関数とスコープ、リストとタプル、文字列処理、ファイル操作という基本文法を学びます。ただし節の題材を見ると、繰り返しの章にニュートン法、リストの章にコッホ曲線、文字列処理の章に正規表現とワードクラウドが組み込まれており、文法の説明が常に何かを計算する目的と対になっている点がこの教科書の性格をよく表しています。第 7 章の 再帰呼び出し は階段の登り方問題と迷路で、第 8 章のクラスとオブジェクト指向は割りばしゲームで、第 9 章の NumPy と SciPy はシュレーディンガー方程式と特異値分解による画像圧縮で手を動かします。第 10 章 (Python はどうやって動くのか) は、機械語、コンパイラ、バイトコードとスタックマシン、逆ポーランド記法へ降りていく処理系の章です。第 11 章の 動的計画法 はナップサック問題を貪欲法、全探索と比較しながら扱い、第 12 章の乱数ではモンテカルロ法による数値積分、モンティ・ホール問題、パーコレーションを、第 13 章の数値シミュレーションでは差分化、ニュートンの運動方程式、反応拡散方程式 (グレイ・スコット模型) を、第 14 章の簡単な機械学習では重回帰分析と GAN を取り上げます。版元サイトには正誤表と課題の解答が用意されています。
プログラマ的感覚を先に育てる設計と、 Colab を選ぶ意味
著者が「はじめに」で掲げる学習の目的は「プログラマ的感覚」です。面倒な処理を見たときに、それを一括でこなす道具があるはずだと見当をつけ、既存の仕組みを組み合わせて解決できると思えるかどうかが、細かい文法の暗記より先に身につけるべきものだという立場で、「それはこれくらいの作業量でできるんだな」という感覚を頭の片隅に残すことを読者に求めています。この方針は実行環境の選択にも一貫しています。 Python 自体は無料で入手できても、 OS ごとに異なるインストール手順、複数のバージョンの共存、ライブラリの追加といった作業は初学者にとって本題の前の関門で、教室では受講者ごとの環境差がそのままトラブルの源になります。 Google Colaboratory はブラウザから使える Jupyter 形式のノートブック環境で、 NumPy や SciPy のような科学計算ライブラリが最初から使え、受講者全員が同じ環境で同じコードを動かせます。一方でセッションが切れると実行状態や一時ファイルは失われるため、恒久的な開発環境というより学習と試作の道具と割り切って使うことになり、付録にローカルへの Python のインストールが用意されているのはその補完です。もう一つ目を引くのは、入門書でありながら第 10 章で Python の処理系の仕組みへ踏み込む点です。バイトコードとスタックマシンの動きを知っておくと、 Python のコードが魔法ではなく機械語へ段階的に翻訳されるものだと分かり、実行速度やライブラリの役割を理解する土台になります。シュレーディンガー方程式や反応拡散方程式といった題材の選び方には、物理情報工学の研究者である著者の背景が表れています。
Python 未経験から読める前提と、数理の題材が合わない人
版元が想定する読者はプログラミングにはじめて触れる人で、プログラミングの前提知識は要りません。ただし第 9 章以降の題材には方程式の数値解法や確率、最適化が並ぶため、高校から大学初年級の数学に強い抵抗がある人は後半の歩みが重くなります。逆に、理工系の学生や、数式を動かして理解したい社会人にとっては、この題材の並びこそが他の入門書に無い魅力です。目次に Web アプリ開発や業務ツール作成、データ分析の実務レシピは無いので、そうした具体的な成果物を早く作りたい人には別の本が近道です。また第 1 章の Colab の操作説明は 2020 年 12 月の刊行時点の画面を前提にしており、サービスの画面や手順の細部は変わり得ますが、本文の Python コード自体は言語の基本機能と標準的なライブラリに依拠しているため、学習内容の骨格が古びる性質のものではありません。
文法網羅型の入門書との使い分けと、この教科書で元が取れる人
Python の入門書には、文法項目を順番に網羅して辞書のように引ける本と、講義のように題材を追いながら書く力を育てる本の二系統があります。本書は後者で、各章の課題を自分で解いて進める使い方を前提にした教科書です。文法の抜けを埋めたいときや調べものには網羅型の本を手元に置き、学ぶ順序と動機づけは本書に任せる組み合わせが効率的です。入門書の系統ごとの選び方は Python 本の選び方 で整理しています。読み終えると、条件分岐やリストといった基本文法を使えるだけでなく、再帰や動的計画法で問題を分解する発想、乱数を使った数値実験、微分方程式の差分化によるシミュレーション、簡単な 機械学習 のコードを自分で書いて動かした経験が残ります。大学の講義や自主ゼミの教科書を探している人、数理的な題材を通して Python を身につけたい理工系の学生と独学者、そしてプログラミングを覚える理由を「プログラマ的感覚」の獲得に置く著者の考え方に共感できる人にとって、手を動かした時間がそのまま力になる一冊です。
この本に興味がある方におすすめ
この本に関連
関連記事
Python 本の選び方 - 独学の最初の 1 冊から実務品質まで
Python 本の選び方を「動機」から逆算して整理。プログラミング未経験の最初の 1 冊、業務自動化に直結する本、型ヒントとコード品質で実務水準へ進む本まで、2026 年 8 月時点の定番を独学ルートに沿って解説します。
本の選び方に正解はない
どの本を選べばいいか迷って決められない。同じテーマの入門書は扱う基礎が大きく重なるため、どれからでも学べます。確認すべき 1 点と、迷いを終わらせる決め方を解説します。
本の「はじめに」は読み飛ばさないで
多くの人が読み飛ばす「はじめに」には、その本を最大限に活用するためのヒントが詰まっています。たった 5 分で読めるこのページの価値を解説します。