現場で活用するための機械学習エンジニアリング
ゲンバデカツヨウスルタメノキカイガクシュウエンジニアリング
- 著者:
- 藤井 亮宏(フジイ アキヒロ)
- 出版社:
- 講談社
- 出版日:
- 2021年11月26日頃
- ISBN:
- 9784065259818
- シリーズ:
- KS 情報科学専門書
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
★★管理職も技術者も必読!「機械学習」のやさしい活用法★★
機械学習プロジェクトの上手な進め方、機械学習を活用するときに気をつけること、活用事例などをていねいに解説。
「機械学習を作る側」と「機械学習活用する側」との橋渡しとなる一冊!
[本書で学べること]
・そもそも機械学習で何ができるのか?
・現場への適切な組み込み方法は?
・どうやって精度を保証するのか?
・実運用を見すえたときに確認すべき部分は?
[主な内容]
第 1 章 本書の使い方
第 1 部 機械学習の基礎
第 2 章 機械学習とは何か
第 3 章 機械学習手法の種類と基礎
第 4 章 機械学習のタスク
第 2 部 機械学習の利活用
第 5 章 機械学習は一般企業でも活用できる
第 6 章 機械学習を現場で活用するには
第 7 章 機械学習の適用事例
第 8 章 実運用に耐えうる機械学習モデルの構築
第 9 章 機械学習モデルの説明性
第 1 章 本書の使い方
第 1 部 機械学習の基礎
第 2 章 機械学習とは何か
2.1 AI、機械学習、深層学習の違いと機械学習の概念
2.2 機械学習は近似関数を推定する作業である
2.3 データについて
第 3 章 機械学習手法の種類と基礎
3.1 機械学習の種類
3.2 深層学習以外の機械学習手法の種類とその基礎
3.3 深層学習の主な種類とその基礎
3.4 過学習と正則化
3.5 転移学習
第 4 章 機械学習のタスク
4.1 動画像系のタスク
4.2 自然言語処理・音系のタスク
4.3 異常検知のタスク
4.4 テーブルデータ系のタスク
4.5 数値計算手法の近似
第 2 部 機械学習の利活用
第 5 章 機械学習は一般企業でも活用できる
第 6 章 機械学習を現場で活用するには
6.1 機械学習活用プロジェクトの流れ
6.2 機械学習活用プロジェクトでうまく問題設定する
6.3 ドメイン知識をモデルに組み込む
6.4 ウェブから利用可能な資源を活用する
6.5 機械学習手法の選択やデータの質・量
6.6 機械学習情報の収集方法
6.7 論文の効率的な読み方
6.8 機械学習が抱える問題点
6.9 機械学習を活用する前に「機械学習を活用しない解」を検討する
第 7 章 機械学習の適用事例
7.1 商品の外観検査
7.2 建設現場の進捗確認
7.3 街路樹の密度をチェックし、植林支援をする
7.4 秘密保持契約のチェック
7.5 数値シミュレーションの近似
7.6 銃声を検知して野生動物を保護する
7.7 長期間気球を滞空させて、過疎地の通信を助ける
第 8 章 実運用に耐えうる機械学習モデルの構築
8.1 評価データの情報漏洩を防いで実運用時と近い評価をする
8.2 データ拡張による実運用時のばらつきを加味した学習方法
8.3 機械学習モデルが出す想定外の予測結果 (短絡学習) を防ぐ対策
8.4 少ないデータで学習し、少ないデータで精度を担保する
8.5 ラベル間違いへの対応
8.6 その他利活用時に問題になりそうな事項とその対策
第 9 章 機械学習モデルの説明性
9.1 説明性のある機械学習モデルとは
9.2 判断根拠の説明性
9.3 偏見の可視化
9.4 不確実性の算出
9.5 説明性は役に立つのか
9.6 因果関係と相関関係
技書の森解説
『現場で活用するための機械学習エンジニアリング』 (藤井 亮宏 著、講談社、2021 年 11 月刊) は、機械学習で何ができるのかという基礎から、プロジェクトでの問題設定、適用事例、実運用に耐えるモデルの作り方、モデルの説明性までを全 9 章で扱う書籍です。紹介文は管理職と技術者の双方を読者に想定し、機械学習を作る側と活用する側の橋渡しを掲げています。機械学習を自社の業務にどう組み込み、どうやって精度を保証するかを、実装の細部より判断の手順として押さえたい人に向いた一冊で、叢書は講談社の「KS 情報科学専門書」です。
2 部 9 章の構成、機械学習の基礎から説明性まで
第 1 章「本書の使い方」のあと、第 1 部「機械学習の基礎」が第 2 章から第 4 章、第 2 部「機械学習の利活用」が第 5 章から第 9 章を占めます。第 1 部では、AI、機械学習、深層学習の違いと、機械学習を近似関数の推定として捉える見方から始め、深層学習以外の手法と深層学習の主な種類、過学習と正則化、転移学習を押さえたうえで、画像や動画、自然言語処理と音、異常検知、テーブルデータ、数値計算手法の近似といったタスクの種類を見渡します。第 2 部は、第 5 章「機械学習は一般企業でも活用できる」に続く第 6 章「機械学習を現場で活用するには」がプロジェクトの流れや問題設定、ドメイン知識の組み込み、論文の読み方、機械学習を使わない解の検討までを扱い、第 7 章は外観検査や建設現場の進捗確認、秘密保持契約のチェックなど 7 つの適用事例を紹介します。第 8 章「実運用に耐えうる機械学習モデルの構築」と第 9 章「機械学習モデルの説明性」が、精度の担保と判断根拠の説明を受け持つ最後の 2 章です。
実運用で精度が崩れる理由、評価の漏洩と短絡学習
検証用のデータで高い精度が出たモデルが、現場に入れた途端に期待どおり動かないという事態は、機械学習の導入で繰り返し起きます。原因の一つは評価の設計で、学習データと評価データに同じ対象や同じ時期のデータが混ざると、モデルは本番では手に入らない手がかりを覚えてしまい、評価値だけが高く出ます。もう一つは、画像の背景や撮影条件のように本来の判断材料と無関係な特徴にモデルが頼る短絡的な学習で、これは評価データが同じ偏りを持つ限り数字には現れません。加えて、ラベルの付け間違いや、本番で入ってくるデータのばらつき、少ないデータしか集められない制約も精度の見積もりを狂わせます。少ないデータへの対処では、大量のデータで事前に学習したモデルを手元のデータに合わせる ファインチューニング のような転用が有力な選択肢になります。第 8 章の節題は、評価データの情報漏洩、データ拡張、短絡学習、少ないデータ、ラベル間違いと、まさにこうした落とし穴を一つずつ並べた構成で、モデルの精度を発注側と開発側が同じ前提で語るための土台になります。
管理職と技術者が同じ地図を持つための前提知識
版元の紹介文は本書を「管理職も技術者も必読」とし、「機械学習を作る側」と「機械学習活用する側」との橋渡しとなる一冊と説明しています。プロジェクトを企画し予算を判断する立場の人は第 1 部で手法とタスクの全体像をつかみ、第 6 章と第 7 章で問題設定の勘所と事例を確かめる読み方ができ、技術者は第 8 章と第 9 章で精度の担保と説明性の論点を、関係者へ説明するための言葉として整理できます。機械学習で何ができて何ができないかの認識が関係者の間でそろわないまま案件が進むと、期待値のずれが後工程で表面化しやすいため、立場の違うメンバーが共通の入口として同じ本を読む使い方とも相性がよい内容です。
実装書との違い、この本を選ぶ判断材料
目次の節題は概念と進め方、事例、対策の項目で組まれており、特定のライブラリでの実装手順や、学習と配信の基盤をコードで構築する方法を主に求める人は、実装を中心に据えた書籍のほうが目的に合います。分野全体から自分の段階に合う本を選び直したい場合は、機械学習と AI の技術書の選び方 を先に眺めておくと迷いが減ります。一方で、機械学習の案件を任されたが何から問えばよいか分からない企画担当者や管理職、モデルは作れても評価の設計や説明の仕方で現場との認識がかみ合わないエンジニアにとって、問題設定から精度の担保、説明性までを一続きで見通せる本書は、プロジェクトの最初の判断を誤らないための確かな手引きになります。
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