絵と図でわかる AI と社会 --未来をひらく技術とのかかわり方(エトズデワカルエーアイトシャカイ ミライヲヒラクギジュツトノカカワリカタ)
デザイン・グラフィックス- 著者:
- 江間 有沙(エマ アリサ)
- 出版社:
- 技術評論社
- 出版日:
- 2021年05月21日頃
- ISBN:
- 9784297121303
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
社会のさまざまな場面で使われるようになった人工知能 (AI) 。 AI は、気づかないうちに私たちの社会や生活に深く入り込んでいて、多くの恩恵がもたらされるとともに、さまざまな課題も発生しています。本書は、社会を映す「鏡」でもある AI について、深層学習など技術の基本から、公平性や不平等、監視と安全のトレードオフ、分断やフェイクニュースといった社会の問題に対する影響と課題までをマンガとイラストでわかりやすく解説しました。 AI というレンズを通して、今の私たちの社会を見つめなおし、技術とのかかわり方を考える 1 冊です。
はじめに
第 1 章 未来は複数ある
1-1 これからの社会を考えよう
1-2 AI がもたらす価値のトレードオフ
1-3 人と AI の関係性
1-4 AI と社会の世界地図
1-5 AI と未来ビジョン
1-6 AI をめぐるさまざまな課題
1-7 本書の見取り図
第 2 章 AI 技術の基本を知ろう
2-1 AI を支える技術と環境
2-2 AI の歴史と冬の時代
2-3 学習する機械 (AI) ができること
2-4 機械に学習させる方法
2-5 学習に必要な手順
2-6 脳のしくみを使う
2-7 ニューラルネットワークから深層学習へ
2-8 AI の研究分野と広がり
第 3 章 AI 技術の課題を探ろう
3-1 AI システムの作り方:料理にたとえて考えてみると……
3-2 品質保証
3-3 説明可能性と透明性
3-4 意味理解と常識
3-5 頑健性
3-6 生成
3-7 転移学習
3-8 AI の民主化
第 4 章 AI 技術が引き起こす社会の課題に気づこう
4-1 迷探偵 AI の事件簿
4-2 問題が起きる理由
4-3 データとデータセット
4-4 アルゴリズムと社会の問題
4-5 プロファイリング
4-6 社会の分断
4-7 フェイクとヘイトスピーチ
4-8 プライバシーと個人情報保護
4-9 セキュリティと安全
第 5 章 技術と社会のデザインを考えよう
5-1 AI システムの作り方:評価と調整
5-2 インタフェースのデザイン
5-3 誰が AI を開発し評価するか
5-4 人間らしさの追求
5-5 人間らしい会話の追求
5-6 人間らしい外見や動作
5-7 AI システムをどう説明するか
5-8 人と機械の生死のデザイン
第 6 章 社会が抱える課題を見直そう
6-1 AI を使った生活や働き方
6-2 仕事とタスク
6-3 機械に何を任せるか
6-4 改良と改革
6-5 データ利活用の課題
6-6 AI ガバナンス
6-7 人間関与とリスク対応
6-8 責任と信頼性
6-9 デュアルユースと軍事利用
第 7 章 私たちに何ができるか
7-1 目指したい未来を考えよう
7-2 包摂と排除のデザイン
7-3 設計思想とバイデザイン
7-4 私たちにできること
column
手塚治虫プロジェクト
トロッコ問題を考える
タスク分けワークショップ
COVID-19 とデータガバナンス
リスクチェーンモデル (RCModel)
おわりに
AI と社会について理解を深めるためのブックガイド
参考とするウェブサイト
索引
技書の森解説
AI と社会の関係を扱う本の多くは、文字がぎっしり詰まった論考です。その入口の敷居を思い切り下げたのが『絵と図でわかる AI と社会 未来をひらく技術とのかかわり方』 (江間有沙 著、技術評論社、 2021 年 5 月刊、 B5 変形判 192 ページ) で、深層学習 といった技術の基本から、公平性や不平等、監視と安全のトレードオフ、分断やフェイクニュースまでを、 マンガ とイラストで解説します。著者の江間有沙氏は東京大学未来ビジョン研究センター准教授で、人工知能学会倫理委員会委員や日本ディープラーニング協会理事も務める、科学技術社会論 (STS) を専門に「 AI と社会」の領域を走ってきた研究者です。
技術と社会を往復する全 7 章の構成
構成は全 7 章で、視点の往復に設計意図があります。第 1 章「未来は複数ある」で、 AI がもたらす価値にはトレードオフがあり未来は選択の対象だという土台を置き、第 2 〜 3 章で AI 技術の基本と技術側の課題 (AI システムの作り方を料理にたとえる説明が象徴的です) を押さえます。第 4 章で AI が引き起こす社会の課題に進み、第 5 章で技術と社会のデザイン、第 6 章で仕事や生活といった社会側の課題の見直し、最終章「私たちに何ができるか」で読者自身の関わり方へ着地します。技術が先か社会が先かではなく、両方を行き来しながら「どんな未来を選ぶか」を考えさせる作りです。
絵と図が主役であることの意味
絵と図が主役の紙面は、易しいだけの妥協ではありません。公平性とバイアス、監視と安全のような論点は、文章だけで読むと抽象論に流れがちですが、具体的な場面のイラストに落ちていると「自分の生活のどこで起きる話か」が直感的につかめます。 B5 変形の大きめの判型と 192 ページという分量も、高校生や大学初年次、読書に時間を割きにくい社会人が最後まで到達できる現実的な設計です。
類書との使い分けと向いている読者
同じ著者の『 AI 社会の歩き方』 (化学同人、 2019 年) が新書スタイルの論点整理だとすれば、本書はその内容を視覚言語で開き直した入門編で、読みやすさはこちらが上です。学校や職場で AI 倫理・ AI リテラシーの教材を探している人、家族や同僚と AI の話をする共通の土台が欲しい人、そして「 AI の話題は気になるが分厚い本は続かない」自覚のある人に、 最初の一冊 としてすすめられます。刊行は 2021 年で生成 AI ブーム前ですが、扱う論点 (公平性・監視・偽情報・仕事の変化) はその後さらに現実味を増したものばかりで、考える枠組みの本としての価値はむしろ上がっています。
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