深層学習の原理に迫るの表紙

深層学習の原理に迫る(シンソウガクシュウノゲンリニセマル)

数学の挑戦

AI・機械学習
著者:
今泉 允聡(イマイズミ マサアキ)
出版社:
岩波書店
出版日:
2021年04月20日頃
ISBN:
9784000297035
シリーズ:
岩波科学ライブラリー 303
在庫:
在庫あり
4.18(18 件 / 楽天ブックス)
上級者向け
深層学習数学人工知能機械学習ニューラルネットワークアルゴリズムモデル学習パラメータ最適化理論的背景研究

なぜ注目されているか

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言及数
366
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書籍紹介

第三次人工知能 (AI) ブームの中核的役割を果たす深層学習 (ディープ・ラーニング) は、その高い信頼性と汎用性ゆえに様々な領域に応用されていく一方で、「なぜうまくいくのか」すなわち「なぜ優れた性能を発揮するのか」ということは分かっていない。深層学習の原理を数学的に解明するという難題に、気鋭の研究者が挑む。
まえがき

第 1 章 深層学習の登場

第 2 章 深層学習とは何か

第 3 章 なぜ多層が必要なのか

第 4 章 膨大なパラメータ数の謎

第 5 章 なぜパラメータの学習ができる?

第 6 章 原理を知ることに価値はあるか

引用文献

技書の森解説

深層学習 はなぜうまくいくのか。この問いに、実は研究者もまだ答えられていない。『深層学習の原理に迫る 数学の挑戦』は、その事実を出発点に据えた科学読み物です。今泉允聡氏の著書として、岩波書店の一般向け科学シリーズである岩波科学ライブラリーの 303 巻として 2021 年 4 月に刊行されました。 B6 判の薄い一冊で、版元は「深層学習の原理を数学的に解明するという難題に、気鋭の研究者が挑む」と紹介しています。分厚い数学書ではなく、未解決の科学の最前線を一般読者に開いて見せるタイプの本です。

全 6 章の構成: 3 つの謎を主題に

構成は全 6 章です。深層学習の登場とその仕組みの説明 (第 1 章・第 2 章) を助走に、本題は 3 つの謎に充てられます。第 3 章「なぜ多層が必要なのか」は、層を深くすることが何をもたらすのかという表現力の謎。第 4 章「膨大なパラメータ数の謎」は、データより多いパラメータを持つのに過学習で崩れないのはなぜかという汎化の謎。第 5 章「なぜパラメータの学習ができる?」は、単純な最適化手法で膨大なパラメータの調整がなぜ成功するのかという学習の謎です。そして第 6 章「原理を知ることに価値はあるか」で、そもそも原理の解明に取り組む意味を問い直して締めくくります。巻末には 引用文献 が付き、先へ進みたい読者への出口も用意されています。

読みどころ: 理論が現象を追いかける逆転

この 3 つの謎は、深層学習の理論研究がまさに主戦場としてきたテーマの見取り図になっています。従来の統計学の常識では、パラメータがデータより多いモデルは過学習するはずで、非凸な目的関数の最適化は失敗するはずでした。深層学習はその常識を実践で覆してしまい、理論が現象を追いかける逆転が起きています。この「動くのに、なぜ動くのか分からない」という宙づりの状態こそ本書の主題で、応用の解説書やビジネス書では素通りされる部分です。使い方ではなく「分かっていないことが何か」を知ることは、 AI の能力と限界を語るうえでいちばん誠実な土台になります。

前提知識のハードルと本書の位置づけ

読むための前提はハードルが低く、深層学習の応用経験や高度な数学は要求されません。一方で、定理や証明を体系的に学ぶ教科書ではないので、統計的学習理論を本格的に修めたい大学院生の教材としては入口の読み物という位置づけです。数式で理論を積み上げたい人は、本書で全体の地図を得てから専門書や引用文献へ進むのが良い順路です。

向いている読者: 問いの中身を知りたい人

機械学習を使っていて「原理は分かっていない」という言葉の中身を知りたいエンジニア、 AI ブームの実像を一段深く理解したい読者、そして理論研究という営みの面白さに触れたい学生に向いた一冊です。新書級の分量で、深層学習研究の最先端が何と格闘しているのかを見晴らせる本は貴重で、通勤の数日で読み切れる薄さ に大きな問いが詰まっています。

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