ディジタル画像処理改訂第 2 版

ディジタル ガゾウ ショリ

ディジタル画像処理改訂第 2 版の表紙
デザイン / グラフィックス
著者:
不明
出版社:
画像情報教育振興協会
出版日:
2020年02月
ISBN:
9784903474649
在庫:
在庫あり
4.75(7 件 / 楽天ブックス)

なぜ注目されているか

言及数
275位
総合368位 ↑ 5 ランクアップ 言及 11 件・うち記事 10 件を掲載
02320222023202420252026

技書の森解説

『ディジタル画像処理 改訂第 2 版』は、公益財団法人 画像情報教育振興協会 (CG-ARTS) が編集 / 発行する画像処理の専門書で、国立国会図書館の書誌では 2020 年 2 月刊の改訂第 2 版です。版元は本書を、画像処理の基礎理論から手法、アルゴリズム、各分野での応用事例までを盛り込み、サンプル画像を数多く使って解説した専門書と紹介しており、画像処理エンジニア検定エキスパート対応と明記しています。B5 判のフルカラーで、編集委員会の編集委員長は奥富 正敏 氏、執筆者の一覧には担当した章の番号が添えられています。

撮影と色空間から画像符号化まで、全 17 章の構成

本文は全 17 章と付録で組まれています。1 章「イントロダクション」で画像処理の位置づけと本書の構成を示したあと、2 章「ディジタル画像の撮影」と 3 章「画像の性質と色空間」で、ピンホールカメラや透視投影のモデル、標本化と量子化、表色系と色空間といった入力側の土台を固めます。続く 4 章「画素ごとの濃淡変換」、5 章「領域に基づく濃淡変換 (空間フィルタリング)」、6 章「周波数領域におけるフィルタリング」、7 章「画像の復元と生成」が画質を変える処理の中核で、8 章「幾何学的変換」、9 章の 2 値画像の処理、10 章「領域処理」へと進みます。後半は 11 章「パターン・図形・特徴の検出とマッチング」、12 章「パターン認識」、13 章「深層学習による画像認識と生成」で認識を扱い、14 章「動画像処理」、15 章「画像と空間の幾何学的関係」、16 章「光学的解析とシーンの復元」で動きと 3 次元へ広がり、17 章「画像符号化」で閉じます。付録は画像処理の歴史、数学的基礎、画像入力、画像出力、画像処理の特性測定、規格、知的財産権の 7 項目です。

フィルターの原理が認識と深層学習まで通じる理由

画像処理の多くは、画素の値を周りの画素と組み合わせて計算し直す操作に帰着します。平滑化やエッジ抽出に使う空間フィルターは小さな重みの表を画像の上で滑らせる畳み込みで、同じ処理はフーリエ変換を通すと周波数ごとに成分を残すか削るかの操作として見直せます。本書が 6 章で空間フィルタリングと周波数フィルタリングの関係を項目として立て、7 章でぼけやぶれの劣化モデルからウィーナフィルターによる復元へ進むのは、この二つの見方を行き来できるようにする並びと読めます。5 章にはバイラテラルフィルターやノンローカルミーンフィルターといったエッジを保存した平滑化も入っています。

この土台は認識の章にもつながります。11 章は SIFT による特徴点の記述とマッチングやハフ変換による図形要素の検出を、12 章は教師なし学習とクラスタリング、教師あり学習を含む 機械学習 の流れを扱います。13 章は単純パーセプトロンからニューラルネットワークの学習を経て、CNN による画像認識と画像生成へ進みます。CNN の畳み込み層は、人が設計していた空間フィルターの重みをデータから学ぶ仕組みと見ることができるため、前半のフィルターの章を理解しているかどうかで 深層学習 の振る舞いの読み取りやすさが変わります。15 章のカメラキャリブレーションやステレオビジョン、7 章のコンピュテーショナルフォトグラフィまで含め、古典的な手法と学習に基づく手法を同じ本の中で地続きに確かめられる点が、この一冊の幅です。

検定エキスパート対策と、実装の学び方の分担

数式に不安がある読者のために、付録の数学的基礎はフーリエ変換、確率、擬似逆行列、固有値と固有ベクトル、KL 展開と主成分分析を取り上げています。本文で式が出てきたときに立ち戻る先が同じ本の中にあるのは、独学で読み進めるうえでの助けになります。一方、目次には特定のプログラミング言語やライブラリの名前は見当たりません。手を動かして実装を身につけたい場合は、OpenCV などのライブラリを使った実装書を並べて読み、本書は処理の中身を確かめる側に置く分担が合っています。すぐに動くコードの手順だけを求める読者には、遠回りに感じられるはずです。

画像処理エンジニア検定エキスパートを目指す人、画像を扱う開発や研究で手法の名前は知っていても原理を説明できない段階から抜け出したい人にとって、撮影の仕組みから深層学習、3 次元復元、符号化までを一つの体系で見渡せる本書は、手元に置いて繰り返し引く価値のある教科書です。気になる処理の章から開き、必要に応じて前の章と付録へ戻る読み方でも十分に役立ちます。

言及した記事 (10 件)

関連記事

関連用語

共有: