AI から読み解く社会(エーアイカラヨミトクシャカイ)
権力化する最新技術
AI・機械学習- 著者:
- 東京大学B'AIグローバル・フォーラム/板津 木綿子/久野 愛(トウキョウダイガクビーエーアイグローバルフォーラム/イタツ ユウコ/ヒサノ アイ)
- 出版社:
- 東京大学出版会
- 出版日:
- 2023年03月31日
- ISBN:
- 9784130530330
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
AI 社会が現実となりつつある中、人・社会は今後どのように向き合うべきなのか。本書は、インクルーシブな社会、人間と AI の関係性、 AI の脅威、 AI と社会の共存という 4 つのアプローチを中心に、複数の角度から AI と社会の関係性を見つめ、その未来を見通す。
はじめに AI:不完全な人たちのための不完全な技術 (林 香里)
1 インクルーシブな社会をつくる
第 1 章 言語にまつわるバイアスと自然言語処理 (伊藤たかね)
第 2 章 権力装置としての VR (畑田裕二)
第 3 章 発達障害を見える化する人工知能 (長井志江)
第 4 章 AI とジャーナリズム (李 美淑)
文献案内 (小平沙紀)
2 人間らしくあるために
第 5 章 AI と労働市場 (横山美和)
第 6 章 AI と共存する民主主義的主体に向けて (田中 瑛)
第 7 章 AI 時代の五感と身体 (久野 愛)
第 8 章 人間らしい言語処理モデルの開発 (大関洋平)
文献案内 (板津木綿子)
3 AI に潜む脅威
第 9 章 越境する身体ーー AI 時代の国際移動の管理 (アナ・べドゥスキ/マシュー・スエダ訳)
第 10 章 リプロダクティブ・ヘルス/ライツの尊重と AI--『殺人出産』から考える日本の最先端生殖医療の未来 (佐野敦子)
第 11 章 歴史博物館における AI と歴史証言 (矢口祐人)
第 12 章 アルゴリズムバイアスと南北問題 「 AI ガバナンスの厄介な問題」 (アニタ・グルマーシー、ナンディニー・チャミ/大月希望訳)
文献案内 (大月希望)
4 ともに生きるためのビジョン
第 13 章 想像と創造の循環からうまれる AI とポピュラーカルチャーの未来 (板津木綿子)
第 14 章 AI /アルゴリズムとインターセクショナルなフェミニズム (田中東子)
第 15 章 AI を描いてみよう!--メディアの隠喩的理解を育むワークショップ (水越 伸)
第 16 章 AI の ELSI とガバナンスーー科学技術社会論の観点から (横山広美・一方井祐子)
第 17 章 科学技術と権力ーー AI がもたらすマイクロ権力のあぶく (佐倉 統)
文献案内 (キム・カヨン)
おわりに (板津・久野)
索引
技書の森解説
AI をめぐる議論は精度やモデルの性能に偏りがちですが、この本が見つめるのは技術が社会の中で「権力」として働く局面です。東京大学 B'AI グローバル・フォーラムの研究活動を母体に、板津木綿子氏と久野愛氏の編で 2023 年 3 月に東京大学出版会から刊行された論集で、多様な分野の研究者が 17 の章を持ち寄り、 AI と社会の関係を複数の角度から検討します。
構成は 4 部に分かれます。インクルーシブな社会をつくる、人間らしくあるために、 AI に潜む脅威、ともに生きるためのビジョン、という括りのもと、自然言語処理に潜む言語バイアス、権力装置としての VR 、 AI とジャーナリズム、労働市場への影響、国境管理と身体、アルゴリズムバイアスと南北問題、 ELSI とガバナンスといったテーマが並びます。各部の末尾に文献案内が付くのが論集として親切な点で、関心を持った章から先行研究へ進む道筋が示されています。
数式やコードは登場せず、実装の前提知識は要りません。その代わり人文社会科学の論文的な文体を読む体力は求められます。 AI 倫理やガバナンスの論点を体系的に押さえたいエンジニア、レポートや卒業研究でこの領域を扱う学生にとって、信頼できる出発点となる文献案内付きの見取り図です。
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