Excel / VBA 本ガイド - 関数の底上げからマクロ自動化の独学まで
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先に決めるのは「関数で足りるか、VBA が要るか」
Excel の本を手に取る前に、ひとつだけ判断しておくと選書がぶれません。いま困っている作業は、関数とピボットテーブルの工夫で消えるのか、それともプログラミング (VBA) でしか消えないのか。実は前者で解決する場面がかなり多く、VBA に進む前に標準機能の底上げをした方が、総学習時間は短くなります。
作業の悩み ──▶ 集計・見せ方・ミス防止の悩み ──▶ 標準機能の本 (関数・ピボット)
└─▶ 同じ操作の繰り返し・複数ブック処理 ──▶ VBA の本 (マクロ自動化)
関数ルートと VBA ルートのどちらへ進む人にも答えを返せるよう、この記事では両ルートの本を 2026 年 8 月時点の当サイトの書籍データベースから選びました。
標準機能の底上げ - VBA の前にここまで
Excel 最強の教科書[完全版] 【2nd Edition】 (藤井直弥・大山啓介、SB クリエイティブ、2022 年) は、自己流の Excel を矯正する実務書です。関数の組み合わせ、ピボットテーブル、グラフの整え方まで、操作手順の羅列でなく「なぜそう作ると効率的か」という設計思想つきで解説されるため、場面が変わっても応用が利きます。項目ごとに完結する構成なので、通読せず「困ったときに引く」使い方でも元が取れます。この 1 冊の範囲で日常業務の大半は片づき、それでも残る「同じ操作の繰り返し」が VBA の出番です。
VBA の最初の 1 冊 - マクロの記録から入る
できるExcelマクロ&VBA (国本温子、インプレス、2023 年) は、大きな画面写真と一手順ずつの操作指示で進む定番シリーズの VBA 版です。まず「マクロの記録」で自動化の恩恵を体験し、その後に VBA エディタでコードを読み解き、自分で書き始める。この順序がプログラミング未経験者には効きます。なお同シリーズは 2024 年 12 月に Office 2024/2021/2019・Microsoft 365 対応版 が出ています。画面写真ベースの入門書は表示が変わると迷いやすいので、手元の Excel に近い方を選んでください。
じっくり型なら 自分のペースでゆったり学ぶ Excel VBA [改訂2版] (日花弘子、技術評論社、2020 年) が合います。イラストとストーリー仕立てで一章あたりの情報量を抑え、変数・条件分岐・ループを手を動かしながら確認する設計です。VBA の基本文法は Excel のバージョンをまたいでほぼ変わらないため、2020 年刊でも学んだ知識は古びません。
中級へ - 「記録はできるが自力で書けない」を越える
入門書を終えた人が次に当たる壁は、デバッグとコードの設計です。脱入門者のExcel VBA 自力でプログラミングする極意を学ぶ (立山秀利、講談社、2016 年) は、問題点を見つけて修正する力・速い処理を書く力・変更に強い書き方の 3 点に絞ったステップアップ書で、VBA エディタのデバッグ機能の使いこなしから実行時エラーへの対処までを作例で通します。新書サイズで持ち歩きやすいのも独学向きです。
ExcelVBAを実務で使い倒す技術 (高橋宣成、秀和システム、2017 年) は、イミディエイトウィンドウの活用やエラーの種類ごとのデバッグから、変数のスコープを絞る・名前を付ける・変化に耐える構造にするという「文法はわかるが設計ができない」領域に踏み込みます。なぜそう書くのかという判断の根拠に紙幅を割いているため、属人化しがちな社内マクロを「他人が読めるコード」に引き上げたい人の教材になります。
資格という枠組み - 独学の我流を矯正する
体系立てて学び直したい人には、VBA エキスパート試験 (ベーシック) を枠組みに使う手があります。この1冊で合格! 永井雅明のExcel VBA ベーシック テキスト&問題集 (永井雅明、KADOKAWA、2025 年) はテキストと問題集が一体になった対策書で、プロパティとメソッドの違いやオブジェクト階層など、独学だと飛ばしがちな土台を問題演習で定着させられます。資格対策書と技術書の使い分けの考え方は IT 資格の参考書と技術書の使い分けガイド でも扱っています。
Python という分岐 - Excel の外までつなげたい人へ
Excel×Python最速仕事術 (金宏和實、日経 BP、2019 年) は、外部ライブラリを使って Excel ブックの読み書き・集計・グラフ作成を Python から自動化する実用書です。VBA と違い、Web からのデータ取得やファイル操作など Excel の外の処理と地続きにつながるのが強みで、サンプルを自分の業務に書き換える前提の作りになっています。Python 側の基礎を固めたくなったら Python 本の選び方 に選書をまとめています。
買う前の確認点
- 対応バージョンの表記を見る。画面写真ベースの入門書は Excel のバージョンで画面が変わります。奥付や表紙の対応表記 (2021/2019/Microsoft 365 など) と手元の環境を照合してください
- 「関数の本」か「VBA の本」かを取り違えない。表紙の「自動化」「効率化」という言葉はどちらにも使われます。目次にマクロ・VBA の章があるかで判別できます
- 入門書は 1 冊に絞る。同レベルの入門書を並行すると進んだ気になるだけで手が動きません。1 冊終えてから中級書へ進む方が確実です
関連記事
- Python 本の選び方 - 独学の最初の 1 冊から実務品質まで
- IT 資格の参考書と技術書の使い分けガイド - 基本情報・応用情報で消耗しない選び方
- 技術書の内容を実務に活かす方法 - 読んで終わりにしない
まとめ
Excel の独学は「標準機能の底上げ → マクロの記録から VBA 入門 → デバッグと設計の中級書」という段階を踏むのが遠回りに見えて最短です。関数で消える悩みに VBA を持ち出さないこと、入門書を 1 冊に絞ること。Excel・VBA の本を探す前に、自分がいまどの段階にいるかをこの 2 点で確かめてください。
よくある質問
- プログラミング経験ゼロでも VBA の本を読めますか?
- 読めます。VBA 入門書の多くは「マクロの記録」という録画機能から入り、生成されたコードを読み解く順序で書かれているため、プログラミング未経験の事務職・営業職を想定読者にしています。最初から文法書として書かれた本を選ばないことが挫折回避のこつです。
- VBA と Python、これから学ぶならどちらですか?
- 職場の環境次第です。配布先の PC に Excel しかない、社内ルールで実行環境を追加できないなら VBA が現実解です。Web からのデータ取得やファイル操作など Excel の外までつなげたい、プログラミングを他の用途にも広げたいなら Python に軍配が上がります。
- VBA エキスパートという資格は取る意味がありますか?
- 知識の抜けを埋める学習の枠組みとしては有効です。試験範囲がオブジェクト・プロパティ・メソッドの基礎を体系的にカバーしているため、独学の我流を矯正できます。一方で資格自体が転職市場で強く効くわけではないので、合格を目的化せず学習のペースメーカーとして使うのが現実的です。
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