統計的因果探索

トウケイテキインガタンサク

統計的因果探索の表紙
AI / 機械学習
著者:
清水 昌平(シミズ ショウヘイ)
出版社:
講談社
出版日:
2017年05月25日頃
ISBN:
9784061529250
シリーズ:
機械学習プロフェッショナルシリーズ
在庫:
在庫あり
3.6(5 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
機械学習データサイエンスビッグデータ統計アルゴリズム数学

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書籍紹介

膨大なデータから、いかにして原因と結果の関係を見いだすのか? 「LiNGAM」 (線形非ガウス非巡回モデル) を開発した第一線の研究者が、基礎事項から発展的話題まで平易に説き起こす。因果推論・因果探索に必携。

■おもな内容
第 1 章 統計的因果探索の出発点

第 2 章 統計的因果推論の基礎

第 3 章 統計的因果探索の基礎

第 4 章 LiNGAM

第 5 章 未観測共通原因がある場合の LiNGAM

第 6 章 関連の話題

■機械学習プロフェッショナルシリーズ
本シリーズでは、発展著しい機械学習技術の数学的な基礎理論、実用的なアルゴリズム、それらの活用法を、全 29 巻にわたって刊行する。

ビッグデータ時代を牽引している若手・中堅の現役研究者が、入門的な内容から最先端の研究成果までをわかりやすく解説。

これからデータサイエンス分野で研究を始めようとしている大学生・大学院生、および、機械学習技術を基礎科学や産業に応用しようとしている研究者・技術者に向けた注目のシリーズである。

第 7 期として、以下の 3 点を刊行!

統計的因果探索 清水 昌平・著
画像認識 原田 達也・著

深層学習による自然言語処理 坪井 祐太/海野 裕也/鈴木 潤・著

■シリーズ編者
杉山 将 理化学研究所 革新知能統合研究センター センター長/東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授

第 1 章 統計的因果探索の出発点

1.1 はじめに

1.2 因果探索における最大の困難: 擬似相関

1.3 擬似相関の数値例

1.4 本章のまとめ

第 2 章 統計的因果推論の基礎

2.1 導入

2.2 反事実モデルによる因果の定義

2.3 構造方程式モデルによるデータ生成過程の記述

2.4 統計的因果推論の枠組み: 構造的因果モデル

2.5 ランダム化実験

2.6 本章のまとめ

第 3 章 統計的因果探索の基礎

3.1 動機

3.2 因果探索の枠組み

3.3 因果探索の基本問題

3.4 因果探索の基本問題への 3 つのアプローチ

3.5 3 つのアプローチと識別可能性

3.6 本章のまとめ

第 4 章 LiNGAM

4.1 独立成分分析

4.2 LiNGAM モデル

4.3 LiNGAM モデルの推定

4.4 本章のまとめ

第 5 章 未観測共通原因がある場合の LiNGAM

5.1 未観測共通原因による難しさ

5.2 未観測共通原因がある LiNGAM モデル

5.3 未観測共通原因は独立と仮定しても一般性を失わない

5.4 独立成分分析に基づくアプローチ

5.5 混合モデルに基づくアプローチ

5.6 多変数の場合

5.7 本章のまとめ

第 6 章 関連の話題

6.1 モデルの仮定を緩める

6.2 モデル評価

6.3 統計的信頼性評価

6.4 ソフトウェア

6.5 おわりに

技書の森解説

相関は計算できても、どちらが原因でどちらが結果なのかは、データを眺めるだけでは決まりません。『統計的因果探索』 (清水昌平 著、講談社、2017 年 5 月 24 日発行) は、観察データから因果の向きと構造そのものを推定する統計的因果探索を主題にした専門書で、杉山将 編の機械学習プロフェッショナルシリーズの 1 冊です。版元の内容紹介は、著者を LiNGAM (線形非ガウス非巡回モデル) を開発した第一線の研究者と紹介し、基礎事項から発展的話題まで平易に説き起こす本と案内しています。

因果推論と因果探索の違い、擬似相関から始まる全 6 章

因果推論の多くの手法は、どの変数がどの変数の原因になりうるかという因果の構造を分析者が先に仮定し、そのうえで効果の大きさを推定します。因果探索はその手前、構造の仮定そのものをデータから推定する問題です。本書の目次はこの順序に沿っています。第 1 章で因果探索における最大の困難として擬似相関を取り上げて数値例を示し、第 2 章「統計的因果推論の基礎」で反事実モデルによる因果の定義、構造方程式モデルによるデータ生成過程の記述、構造的因果モデル、ランダム化実験を整理します。詳細目次を見ると、第 2 章には個体レベルと集団レベルの因果の区別や、因果効果の大きさの定量化、出来事の説明といった項も置かれています。第 3 章で因果探索の枠組みと基本問題に進み、第 4 章「LiNGAM」、第 5 章「未観測共通原因がある場合の LiNGAM」、第 6 章「関連の話題」へと続きます。

識別可能性と、非ガウス性が向きを決める仕組み

因果探索の難しさは識別可能性に集約されます。2 つの変数が線形の関係にあり、誤差がガウス分布に従うなら、x から y への因果を仮定したモデルと y から x への因果を仮定したモデルは同じ分布を生み出せるため、データだけでは区別できません。誤差がガウス分布に従わない場合はこの対称性が崩れ、正しい向きで回帰したときだけ説明変数と残差が独立になる、という性質を手がかりに向きを推定できるようになります。LiNGAM は関係の形を線形と仮定しつつ誤差の分布の形は特定しないため、セミパラメトリックな手法に分類されます。本書の第 3 章は、基本問題への接近法をノンパラメトリック、パラメトリック、セミパラメトリックの 3 つに分け、それぞれの識別可能性を詳細目次の項として順に扱います。第 4 章の推定では独立成分分析によるアプローチと、回帰分析と独立性評価によるアプローチの 2 つが項として立てられており、上で述べた残差の独立性という考え方がそのまま推定手順につながっていきます。

未観測共通原因への拡張と、読むための前提

観察データでは、測っていない共通の原因が 2 つの変数を同時に動かしていることが避けられません。第 5 章はこの未観測共通原因による難しさから始まり、独立成分分析に基づくアプローチと混合モデルに基づくアプローチを扱います。後者には、モデルを観測ごとに書き直す項、対数周辺尤度でモデルのよさを評価する項、事前分布と数値例の項が置かれています。第 6 章は巡回モデル、時系列モデル、非線形モデル、離散変数モデルへと仮定を緩める話題に加え、モデル評価、統計的信頼性評価、ソフトウェアを扱います。版元は平易な説き起こしを掲げていますが、扱う対象は確率分布、回帰、独立性といった 統計学 の言葉で書かれたモデルです。行列や確率の記法に不安があるなら、機械学習に必要な数学の本ガイド で前提を確かめてから入るほうが進みやすいでしょう。

施策の効果を測る前に、そもそもどの変数が原因側にあるのかを見立てたい分析者や、機械学習 の予測モデルでは答えられない因果の問いを研究で扱いたい大学院生にとって、手法の開発者自身が識別可能性の理屈から推定法、拡張までを 1 冊で通している本書は、理論の土台を固める基準書になります。効果の推定手法を幅広く押さえたい場合は、因果推論を主題にした本と組み合わせると役割がはっきり分かれます。版元ページから詳細目次、サポートページ、第 1 刷訂正表を参照できるので、目次の項まで確かめたうえで、因果の向きを問う分析の最初の 1 冊として手に取ってみてください。

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