東京大学のデータサイエンティスト育成講座

トウキョウダイタクノ データサイエンティスト イクセイコウザ

東京大学のデータサイエンティスト育成講座の表紙
プログラミング
著者:
塚本邦尊 / 山田典一 / 大澤文孝 / 中山浩太郎 / 松尾 豊 (協力)(ツカモト / ヤマダ / オオサワフミタカ / ナカヤマコウタロウ / マツオユタカ)
出版社:
マイナビ出版
出版日:
2019年03月14日頃
ISBN:
9784839965259
在庫:
在庫あり
4.38(8 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
Python機械学習データサイエンスデータ分析統計確率・統計

なぜ注目されているか

言及数
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書籍紹介

本書は、2017 年と 2018 年に東京大学で実施された「グローバル消費インテリジェンス寄付
講座」の学生向けオフライン講義と、社会人向けオンライン講座で使われた教材がベースになっています。

約 400 名ほどの受講枠 (2 年間) に、のべ 1,800 人以上の応募があった人気の講義です。この本のベースとなるコンテンツは Jupyter Notebook 形式で公開されていますが、この内容をさらに精査、ブラッシュアップし、読みやすく整えたものが本書になります。

●本書の内容

本書には、データサイエンティストになるための基礎をつめこんでいます。データサイエンティストは、Python や確率・統計、機械学習など、幅広くさまざまな分野の知識を必要とします。

すべての分野を 1 冊で学ぶことは無理ですので、各分野で深入りはせず基礎的な事項を取り扱っています。データサイエンティストになるための地図と羅針盤のような位置づけとなることをイメージしています。

この本は主に Python 3 を使って、基本的なプログラムの書き方、データの取得、読み込み、そのデータ操作からはじまり、さまざまな Python のライブラリの使い方、確率統計の手法、機械学習 (教師あり学習、教師なし学習とチューニング) の使い方についても学びます。取り扱っているデータは、マーケティングに関するデータやログデータ、金融時系列データなどさまざまで、モデリングの前にそれらを加工する手法も紹介しています。データサイエンティストになるには、どれも必要なスキルです。

本書には、さらに以下の 3 つの特徴があります。

・実際のデータを使って手を動かしながら、データサイエンスのスキルを身に付けることができる
・データ分析の現場で使える実践的な内容 (データ前処理など) が含まれている

・練習問題や総合問題演習など実際に頭を使って考える内容がたくさんある

この本に書いてあることを実践し、読み終えた後には、実際の現場でデータ分析ができるようになるはずです。

●この本の対象読者

この本は、プログラミングの経験があり、理系の大学 1〜2 年生程度の教養課程の数学 (線形代数、微分積分学、確率統計の基礎など) を終えている方を対象にしています。具体的には、勉強熱心な大学 3〜4 年生の理系の学生さんや大学院生の方、また社会人になってデータサイエンスを学ぼうという意欲の高い方たちが対象です。データサイエンスの入門レベルから中級レベルの手前までを考えている人に最適で、本書のゴールもデータサイエンス入門レベルを卒業できることを想定しています。

技書の森解説

データサイエンティストに必要な Python、確率統計、機械学習の基礎を、手を動かす演習を通じて一冊で見渡したい人に向けた教材が『東京大学のデータサイエンティスト育成講座』 (塚本 邦尊、山田 典一、大澤 文孝 著、中山 浩太郎 監修、松尾 豊 協力、マイナビ出版、2019 年 3 月刊) です。副題は「Python で手を動かして学ぶデータ分析」。版元の紹介文によると、2017 年と 2018 年に東京大学で実施されたグローバル消費インテリジェンス寄付講座の、学生向けオフライン講義と社会人向けオンライン講座で使われた教材がもとになっており、Jupyter Notebook 形式で公開されていた内容を精査して読みやすく整えたものと説明されています。

全 11 章の構成、Python の基礎からモデルのチューニングまで

版元ドットコムに載る目次は全 11 章と付録です。1 章で本書の概要と Python の基礎を押さえ、2 章で NumPy、SciPy、pandas、Matplotlib の使い方の基礎をひと通り体験します。3 章は記述統計と単回帰分析、4 章は確率と統計の基礎で、確率分布から統計的推定、統計的検定へ進みます。5 章から 7 章は、NumPy と SciPy による科学計算、pandas による欠損データや異常値、時系列データの加工、Matplotlib による金融データの可視化と分析結果の見せ方という、2 章で触れたライブラリの応用編です。8 章は教師あり学習で重回帰、ロジスティック回帰、ラッソ回帰とリッジ回帰、決定木、k-NN、サポートベクターマシンを、9 章は教師なし学習でクラスタリング、主成分分析、マーケットバスケット分析を扱います。10 章はモデルの検証方法とチューニング方法で、評価指標とアンサンブル学習まで進み、11 章が総合演習問題です。付録には Anaconda による環境構築と練習問題の解答、参考文献と参考 URL がまとめられています。目次の範囲は統計と古典的な機械学習の手法までで、深層学習を扱う章や節は置かれていません。

データ分析の流れと、モデルを検証する考え方

データサイエンス の仕事で時間がかかるのは、モデルを選ぶ場面よりも、その前のデータの読み込みと加工、そして後ろの評価です。欠損値や異常値をどう扱うか、時系列データをどう整えるかで結果は大きく変わり、手法を学ぶ前にこの部分の手触りを持っているかどうかが実務での差になります。本書が 6 章を pandas を使ったデータ加工処理に充て、版元の紹介文がデータ前処理など現場で使える実践的な内容を特徴に挙げているのは、この事情を踏まえた組み立てと読めます。もう一つの要は 10 章のモデル検証です。学習に使ったデータで高い精度が出ても、未知のデータで同じ精度が出るとは限らず、評価の方法と指標を正しく選べないと 機械学習 のモデルは過大評価されます。手法の紹介で終わらず検証とチューニングに 1 章を割いている点は、一通り学んだあとに自分で分析を進めるための土台になります。

理系の教養課程の数学とプログラミング経験が前提

版元は対象読者を、プログラミングの経験があり、理系の大学 1〜2 年生程度の教養課程の数学 (線形代数、微分積分学、確率統計の基礎など) を終えている人と明示しています。具体的には大学 3〜4 年生の理系の学生や大学院生、データサイエンスを学ぼうとする社会人が想定され、ゴールはデータサイエンスの入門レベルを卒業することとされています。1 章で Python の基礎を扱うとはいえ、プログラミングそのものが初めての人や、行列や微分の記法に馴染みのない人には負荷が高く、先に Python の入門書や 統計学 の基礎書で足場を作ってから取り組むほうが無理がありません。また版元自身が各分野で深入りせず基礎を扱う地図と羅針盤の位置づけと説明しているとおり、個々の手法の理論を掘り下げたい人や、深層学習を中心に学びたい人は、それぞれの専門書を別に用意する必要があります。

マーケティングデータやログデータ、金融時系列データといった性質の違うデータを使い、随所の練習問題と総合問題、最後の総合演習問題で手を動かし続ける構成なので、読むだけで終わらせず分析の一連の流れを自分の手で回してみたい人には格好の一冊です。理系の基礎数学とプログラミングの経験はあるものの、データ分析を体系立てて学んだことがない学生や社会人が、入門の段階を抜けて実データに向き合う準備を整えたいなら、本書は投じた時間に見合う見取り図を与えてくれます。

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