フリーソフト TETDM で学ぶ実践データ分析
フリーソフトテトディーエムデマナブジッセンデータブンセキ
データサイエンティスト育成テキスト
- 著者:
- 砂山 渡(スナヤマ ワタル)
- 注目:
- 総合 1080 位
- 出版社:
- コロナ社
- 出版日:
- 2020年03月12日頃
- ISBN:
- 9784339029048
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
【書籍の特徴】
「活用したいデータが目の前に山のようにあるのに, どのように手をつけたらよいかがわからない。」「データサイエンティストってかっこよさげだけど, 具体的に何をすればいいのかわからない。」「数学が苦手だから, 自分にはちょっとデータ分析は無理かな。」など, データ分析とは何かをもっと詳しく知りたい方, データ分析を最初から敬遠されている方にオススメの書籍です。
誰でも使えるフリーソフトの TETDM を使った分析手法を紹介するだけではなく, データ分析の一連の手順と, 各手順における考え方を詳しく説明しているため, データサイエンティストを目指される方には必携の一冊となっています。データ分析の個別の手法を説明する本は数多くありますが, 知識創発を含むデータ分析手順の全体像を, 具体的なツールを用いながら説明する本は他にありません。
【各章について】
1 章では, データ分析とは意思決定のために行うものであることを記し, 望ましい未来を築くためのデータ分析の一連の手順について説明している。2 章では, テキストデータ分析のために本書で用いるツール TETDM の基本的な使い方と, 初学者のための分析手順について説明している。3 章では, 分析の目的と分析に必要なデータとの関係について記述している。4 章では, TETDM を用いたデータ分析手法と分析結果の可視化の視点から, 有効な分析結果を得るための方法について説明している。5 章では, 知識を導く手がかりとしての分析結果を数多く集めるための, 効果的な試行錯誤の方法について説明している。6 章では, 5 章で集めた手がかりの集合を整理して, データの背後に隠された知識 (因果関係) を導く方法について記述している。7 章では, TETDM を用いた実際のデータ分析の活用事例を紹介し, データ分析の幅広い応用可能性について説明している。
【著者からのメッセージ】
意思決定に必要な世の中の事象の意味は「言葉」で表されます。データサイエンスでは統計学などの数値的な分析に目が向けられやすい面がありますが, 数値データを読み解く際にも, 最後には「言葉」で表される意味を考える必要があります。また, 人間の意図や思考が反映されたテキストデータを直接分析することで, より詳細な世の中のニーズを捉え, 世の中の人々の考えを把握することができるようになるため, 的確な意思決定に結びつけることができます。
データ分析は謎解きと同じです。結果から手がかりを得て, 推理することが大事です。まずは, あなたが最近書いたメールや報告書を TETDM に入力して, 出力される点数の謎を解き明かしてみませんか。
技書の森解説
『フリーソフト TETDM で学ぶ実践データ分析』 (砂山 渡 著、コロナ社、2020 年 3 月刊) は、誰でも使えるフリーソフト TETDM を使いながら、データ分析の一連の手順と、各手順での考え方を説明する書籍です。副題は「データサイエンティスト育成テキスト」です。まえがきによると TETDM は total environment for text data mining の略で、テキストデータマイニングのための統合環境を指し、テトディーエムと読みます。版元は、目の前のデータにどう手をつければよいか分からない人や、数学が苦手でデータ分析を最初から敬遠してきた人に向けた本と紹介しています。
意思決定のための分析手順を全 7 章でたどる構成
本書の出発点は、データ分析は意思決定のために行うものだという 1 章「データ分析による意思決定」の考え方です。1.3 節で意思決定プロセスの概要を示し、その各段階に (0) から (10) の番号を振って、目次でも番号の付いた節として示しています。2 章「テキストデータマイニングのための統合環境 TETDM」は導入、起動、テキスト入力、操作方法の習得に続いて、キャラクターアシストチュートリアルとゲームモードの節を置きます。3 章は分析の目的の決定とデータの収集、前処理、4 章はツールの選択、処理ツールによる単語や文 / セグメントの評価、可視化ツールによる可視化、ツールの信頼度を扱います。5 章「試行錯誤による分析結果の収集」は着眼点の獲得とデータの絞込み、処理方法や可視化方法の切替え、6 章「収集した結果の解釈と統合による知識創発」は結果の意味づけと記録、解釈の統合と論理の飛躍、知識創発インタフェースへと進みます。最後の 7 章は、自由記述による商品レビューの分析、大学講義のレポート評価、卒業論文のセルフチェック、研究テーマの策定、電子カルテデータの分析という活用事例です。どの章の末尾にもまとめと章末問題があります。
テキストを数値に置き換える技術と、意味を読み解く工程
テキストマイニングは、文章を単語や文に分け、出現の頻度や語どうしの関連の強さといった数値に置き換えて傾向をつかむ手法の総称で、自然言語処理 の技術を土台にしています。日本語の文章は単語の区切りが空白で示されないため、語に分ける前処理が欠かせません。ただし、数値に置き換えた結果はそれだけでは答えになりません。頻度が高い語が重要とは限らず、ある語の組み合わせが目立つ理由は、データの集め方や書き手の事情にあることもあります。5 章と 6 章が扱うデータの絞込みや表示の切替えによる試行錯誤、結果の妥当性の確認と解釈の統合は、この数値と意味のあいだを埋める工程にあたります。著者のメッセージも、数値データを読み解く際にも最後には「言葉」で表される意味を考える必要があると述べています。個別の手法の使い方より、データ分析 をどう組み立てて結論へ運ぶかに重心を置いた本です。
高校生から実務者まで、想定読者と読み方の案内
まえがきが想定する読者は、文系理系を問わずこれからデータ分析を始めたい高校生や大学生、仕事に分析の手法を採り入れたい社会人、すでに分析業務に携わっていて流れや考え方を身につけたい社会人と幅広く設定されています。時間の限られた読者には、TETDM の利用を後回しにして、データ分析のプロセスと考え方を説明する節を重点的に読む進め方や、1.3 節と番号の付いた節だけを確かめる読み方も案内されています。版元は本書を、知識創発を含むデータ分析手順の全体像を具体的なツールを用いて説明する本と位置づけており、データサイエンス の素養を手順として身につけたい人に合う構成です。
一方で、Python や R でコードを書いて分析を自動化したい人や、統計的な検定や機械学習のモデルの理論を学びたい人には、本書の目的は合いません。目次にはプログラミングや統計理論を主題とする節が無く、扱うのはテキストデータを題材にした分析の進め方です。自由記述のアンケートや商品レビュー、報告書のような文章のデータを抱えていて、何から手をつければよいか分からない担当者や学生にとっては、目的の決定から知識の導出までを番号付きの手順でたどれる本書が向く 1 冊です。