データに触れながら学ぶ統計学 R 言語の UI ツール「Exploratory」で身につくデータサイエンスの手法の表紙

データに触れながら学ぶ統計学 R 言語の UI ツール「Exploratory」で身につくデータサイエンスの手法(データニフレナガラマナブトウケイガク アールゲンゴノユーアイツール エクスプロラトリー デミニツクデータサイエンスノシュホウ)

その他
著者:
西田 勘一郎(ニシダ カンイチロウ)
出版社:
インプレス
出版日:
2025年12月03日頃
ISBN:
9784295021636
在庫:
在庫あり
0
初級者向け
IT・e コマースRデータサイエンス統計データ分析データ可視化統計ソフトウェア実践学習データサイエンスツールデータサイエンス手法統計的思考

なぜ注目されているか

総合2524位

書籍紹介

無料で使える本格分析ツールを使うから「理論」と「実践」が最短でつながる! 一生モノの分析スキルを一気に習得。

技書の森解説

数式の壁とプログラミングの壁、その両方を避けて統計学を身につけたい人のための入門書です。『データに触れながら学ぶ統計学 R 言語の UI ツール「Exploratory」で身につくデータサイエンスの手法』 (西田勘一郎 著、インプレス、2025 年 12 月刊) は、版元の紹介によれば R 言語 の機能をマウス操作だけで扱える UI ツール「Exploratory」を使い、ノーコードで データ分析 を学ぶ A5 判の一冊で、仮説検定や多変量分析などを実際に手を動かしながら直感的に習得できる構成をうたっています。著者はシリコンバレーで起業してこのツールを開発した人物だと版元は説明し、書店掲載の書誌 (出版社提供) の著者紹介では、刊行時点で Exploratory, Inc. の CEO と記されています。

15 のテーマ、記述統計から検定、回帰、機械学習モデルまで

書店掲載の目次 (出版社提供) には 15 のテーマが並びます。「なぜ統計学を学ぶのか」と「Exploratory とは」で動機とツールを押さえた後、記述統計とデータ型、ばらつきの可視化と指標、科学的思考、確率論、推測統計と信頼区間と進み、仮説検定に入ります。検定は 2 つの平均の検定として t 検定、複数の平均の検定として ANOVA 検定、割合の検定としてカイ 2 乗検定の 3 つが個別のテーマになっており、その後に相関分析、多変量分析として線形回帰とロジスティック回帰、最後に機械学習モデルと予測として決定木、ランダムフォレストを扱います。統計の入門書としては、平均の比較だけで終わらず、分類問題に使うロジスティック回帰や、機械学習 の代表的な手法である決定木とランダムフォレストによる予測まで射程に入れている点が目次から読み取れる特徴です。

検定と回帰を数式でなく「触って」理解する技術背景

統計学の学習が難しいのは、p 値や信頼区間といった概念が、数式の定義を読むだけでは実感に結びつかないからです。たとえば「2 群の平均に差がある」と言えるかどうかは、標本のばらつきと標本サイズに依存しますが、数式でその関係を追うより、実際のデータで分布を描き、条件を変えて検定を繰り返す方が、なぜその結論になるのかが体に入ります。コードを書く学習路線では、この往復の前に環境構築と文法という別の学習コストが立ちはだかります。Exploratory は R の関数群を画面操作で呼び出す設計のツールなので、読者は統計の判断そのものに時間を使えます。版元が「理論」と「実践」が最短でつながると表現するのはこの点で、書店掲載の著者紹介 (刊行時点) によれば著者はオラクル本社で開発ディレクターとしてデータサイエンス関連のプロダクト開発を担当した後、2016 年に独立し、「データサイエンスの民主化」というミッションのもと Exploratory, Inc. をシリコンバレーで創業した人物で、ツールの設計思想と統計教育が同じ人の手から出ていることが本書の一貫性を支えています。

無料で使えるかの確認と、この本が向かない読者

版元は本書のツールを「無料で使える本格分析ツール」と紹介しています。2026 年 9 月時点の Exploratory 公式料金ページでは、Desktop 版の Public プランが無料で、プロジェクトとデータが公開で保存される条件が付き、学生と教員向けの Academic プランも無料、それ以外は有料プランという体系です。業務データを扱う人は、学習用に無料枠で始めて、実務に持ち込む段階で料金体系を自分で確認する前提でいるとよいでしょう。前提知識については、版元が文系の方や過去に挫折した経験がある方でもと明記しており、数式やコードの経験は求められていません。一方で、R や Python のコードを書いて分析を自動化したい人、確率分布や推定量の導出を数理的に追いたい人には物足りず、書店掲載の目次に時系列分析やベイズ統計の項目は無いため、その領域を期待する人にも合いません。

読んで元が取れるのは、売上や顧客のデータを Excel で集計しているものの、その差が偶然か意味のある違いかを説明できずにいる企画・マーケティング・営業側の人、そして統計の講義や入門書で一度挫折した文系出身の社会人や学生です。読み終えれば、施策の前後や 2 つの群の差を t 検定やカイ 2 乗検定で判断し、相関と回帰で要因の効き方を数値にし、決定木やランダムフォレストで予測モデルを自分の手で作るところまでが本書の射程です。のちに R や Python へ進む場合も、ここで身につく「どの検定を、何を確認するために使うか」という判断力はそのまま持ち越せます。数式とコードを理由に統計を先送りしてきた人にとって、実データに触れながら学べる本書は、その先送りを終わらせる現実的な一冊です。

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