AI の心理学

エーアイノシンリガク

ーアルゴリズミックバイアスとの闘い方を通して学ぶ ビジネスパーソンとエンジニアのための機械学習入門

AI の心理学の表紙
プログラミング
著者:
Tobias Baer / 武舎広幸 / 武舎るみ(トバイアス ベア / ムシャ ヒロユキ / ムシャ ルミ)
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2021年10月22日頃
ISBN:
9784873119625
在庫:
在庫あり
4(2 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
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なぜ注目されているか

総合1996位

書籍紹介

アルゴリズムに潜むバイアスの怖さを知り、ビジネスに活かす!
ディープラーニング人気の急上昇とともに注目されるようになった「アルゴリズミックバイアス」の解説書。アルゴリズミックバイアスとは、コンピュータによる偏った決定のことです。ネットショップでまるで的はずれなお勧めをされるとか、こちらには非がないにもかかわらずアカウントを凍結されるなどは、バイアスの悪影響の典型例と言えるでしょう。コンピュータ (AI) が下す決定には検出しづらいさまざまな「バイアス (偏り)」が存在します。本書では、バイアスがどのように発生するかを知り、バイアスとの闘い方を通して機械学習全般について学び、システムにバイアスが混入しないように予防、管理する方法を明らかにします。

技書の森解説

『AI の心理学』 (Tobias Baer 著、武舎 広幸、武舎 るみ 訳、オライリー・ジャパン、2021 年 10 月刊) は、コンピューターによる偏った決定であるアルゴリズミックバイアスを扱う解説書で、原書は Understand, Manage, and Prevent Algorithmic Bias です。副題は「アルゴリズミックバイアスとの闘い方を通して学ぶ ビジネスパーソンとエンジニアのための機械学習入門」です。版元の紹介によれば、バイアスがどのように発生するかを知り、バイアスとの闘い方を通して 機械学習 全般について学び、システムにバイアスが混入しないように予防、管理する方法を明らかにする本です。

4 部 23 章の構成、人間の意思決定から組織の慣行まで

目次は「はじめに」に続く 4 部 23 章で、訳者あとがきと索引が付きます。第 Ⅰ 部は序論で、第 1 章「アルゴリズミックバイアスとは」、第 2 章「人間による意思決定で生じ得るバイアス」、第 3 章「アルゴリズムとバイアスの排除」、第 4 章「モデルの開発」、第 5 章「機械学習の基本」を収めます。第 2 章には「アクション志向バイアス」「安定性バイアス」「パターン認識にまつわるバイアス」「インタレストバイアス」「ソーシャルバイアス」の節が並びます。第 Ⅱ 部「アルゴリズミックバイアスの原因と発生の経緯」は第 6 章から第 11 章で、実世界のバイアスの反映、データサイエンティスト自身のバイアス、データがもたらすバイアス、安定性バイアス、アルゴリズム自体がもたらすバイアス、ソーシャルメディアとの関わりを順に扱います。

第 Ⅲ 部「ユーザー視点のアルゴリズミックバイアスの対処法」は第 12 章から第 17 章で、アルゴリズムを使うべきか否か、リスクの評価、一般ユーザーによる回避策、検出方法、管理者の介入による抑止、公平公正なデータの生成法の各章が並びます。第 Ⅳ 部「データサイエンティスト視点のアルゴリズミックバイアスの対処法」は第 18 章「モデル開発におけるバイアスの回避法」から第 23 章「大規模組織におけるバイアス予防の慣行化」までです。コラムは「モデル開発の十戒」など 5 本で、版元の書籍ページ (2026 年 10 月時点) には翻訳者による日本語版のサポートページへの案内があります。

モデル開発の 5 ステップとデータの検査

第 4 章はモデル開発を、モデルのデザイン、データエンジニアリング、モデル推定、モデルの検証、モデルの実装の 5 つのステップに分けて説明し、第 18 章は同じ 5 つのステップごとにバイアスの回避を扱います。第 19 章「データの X 線検査」は 6 つの検査を並べ、サンプルレベルの分析、データリーケージ、データの構造を把握する分析、異常検知の分析、保護対象の変数を使った相関分析、視覚による分析を取り上げます。

データリーケージは、予測する時点では手に入らない情報が学習データの特徴量に紛れ込む現象です。検証では精度が高く見えるのに、本番では同じ情報が無いために予測が外れます。偏りの面でも似た構図があり、性別や年齢のような判断に使ってはならない属性を入力から外しても、その属性と強く相関する別の変数が残っていれば、モデルは間接的に同じ偏りを学ぶことがあります。入力の一覧を眺めるだけでは見つからない偏りを、データそのものの分析で探す必要があるのはこのためです。

運用中の監視と自己改良型モデルのバイアス

第 15 章「アルゴリズミックバイアスの検出方法」は、代表的なメトリクス、根本原因解析、ブラックボックス・アルゴリズムの監視、自己改良型のアルゴリズムの監視の節を含みます。第 22 章「自己改良型モデルにおけるバイアスの予防法」には「非常ブレーキ」「モデルの監視」「リアルタイムの機械学習」の節があります。運用しながら新しいデータで学習し直すモデルでは、モデルの出力が次の学習データに影響し、偏りが循環して強まることがあります。MLOps の分野で、本番のモデルの入力の分布や予測の性能を継続して監視することを運用の一部として扱うのは、この種の変化が開発時の検証だけでは捉えられないためです。機械学習の本の選び方は 機械学習 / ディープラーニング本ガイド にまとめています。

本書は、人間の意思決定に生じるバイアスから始めて、データとアルゴリズムに入り込むバイアスの原因、ユーザーとデータサイエンティストそれぞれの対処法、大規模組織でのバイアス予防の慣行化までを 4 部 23 章に収めています。

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