仕事ではじめる機械学習 第 2 版

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仕事ではじめる機械学習 第 2 版の表紙
プログラミング
著者:
有賀康顕 / 中山心太 / 西林 孝(アリガ アキミチ / ナカヤマ シンタ / ニシバヤシ タカシ)
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2021年04月23日頃
ISBN:
9784873119472
在庫:
在庫あり
4.17(6 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
プログラミング機械学習アルゴリズム実務データサイエンスデータ分析AIビジネス実装学習最適化

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書籍紹介

大好評の機械学習実務者向け書籍が最新情報にアップデート!
2018 年に発行された初版から 3 年ぶりの改訂となる本書は、「仕事で機械学習に携わる際に知っておきたい事」を伝えるというコンセプトはそのままに、3 年の間に登場した新たな考え方、手法など最新の情報を踏まえて内容を全面的に見直しました。これまで同様、機械学習を使った実務に初めて関わる読者にとって頼りになる 1 冊となるでしょう。「バンディットアルゴリズム」を紹介する新章など、追加原稿も多数。

技書の森解説

機械学習のアルゴリズムを動かせることと、それを仕事の成果につなげることの間には大きな隔たりがあります。『仕事ではじめる機械学習 第 2 版』 (有賀康顕 / 中山心太 / 西林孝 著、オライリー・ジャパン発行 / オーム社発売、2021 年 4 月刊) は、不確実性の高い 機械学習 プロジェクトを「仕事で使う」という観点から整理する本で、2018 年に発行された初版から 3 年ぶりの改訂にあたります。版元は本書を、機械学習を使った実務に初めて関わる読者にとって頼りになる 1 冊と位置づけ、コンセプトはそのままに、初版の発行後に登場した概念や課題を取り上げたと説明しています。

二部構成 / 全 12 章、プロジェクトの流れから広告配信の実例まで

目次は第 I 部 (1 章から 8 章) と第 II 部 (9 章から 12 章) の二部構成で、全 12 章の後にあとがき、参考文献、索引が続きます。1 章「機械学習プロジェクトのはじめ方」は、ビジネス課題を機械学習の課題に定式化する、類似の課題を論文を中心にサーベイする、機械学習をしなくて良い方法を考える、という順でプロジェクトの流れを示し、実システムにおける問題点への対処として、人手でゴールドスタンダードを用意した予測性能のモニタリング、予測モデルをモジュール化してアルゴリズムの A/B テスト ができるようにすること、モデルのバージョン管理、データ処理のパイプラインごと保存すること、開発/本番環境の言語/フレームワークを揃えることを挙げます。2 章「機械学習で何ができる?」と 3 章「学習結果を評価するには」は、分類 / 回帰 / クラスタリング / 次元削減 / 推薦 / 異常検知 / 強化学習という手法の見取り図と、適合率 / 再現率 / F 値 / 混同行列 / ROC 曲線と AUC / 平均二乗誤差 / 決定係数といった評価指標、4 章はバッチ処理とリアルタイム処理を組み合わせたシステム設計のパターンと教師データを取得するためのログ設計、5 章は公開されたデータセットやモデルの活用、開発者自身が教師データを作る方法、クラウドソーシングの活用など学習のためのリソースの収集方法です。第 II 部は実例編で、9 章「Kickstarter の分析、機械学習を使わないという選択肢」、10 章「Uplift Modeling によるマーケティング資源の効率化」、11 章「バンディットアルゴリズムによる強化学習入門」、12 章「オンライン広告における機械学習」から成ります。

第 2 版の新章 4 つ、ML Ops からバンディットまで

版元が第 2 版の新章として挙げるのは、機械学習システムの開発と運用を統合する「ML Ops」、機械学習モデルを解釈しその妥当性や根拠を明らかにする「機械学習モデルの検証」、ユーザーの行動を学習しながら予測を進める「バンディットアルゴリズム」、意思決定における予測システムの役割や意思決定のデザインを扱う「オンライン広告での機械学習」の 4 つです。目次では、6 章「継続的トレーニングをするための機械学習基盤」が、データサイエンティストとソフトウェアエンジニアの間にある機械学習システム特有の難しさから説き起こし、ML Ops を機械学習基盤における CI/CD/CT を目指す取り組みとして位置づけ、共通の実験環境、予測結果のサービング、学習と予測に共通の処理のパイプライン化、モデルの継続的学習 / デプロイ、監視 / モニタリングという基盤のステップを示します。8 章「機械学習のモデルを解釈する」は Google Colaboratory 上で線形回帰やロジスティック回帰の係数、決定木の可視化、ランダムフォレストの Feature Importance、SHAP による寄与の可視化を通じて原因を読み解く章です。

11 章は UCB1、Softmax 法、Thompson Sampling 法といった各種バンディットアルゴリズムの比較と、文脈付き多腕バンディットのブートストラップ法による実装、報酬が届くのに時間がかかるといった現実の問題での課題、そして A/B テストや Uplift Modeling との関係性まで扱い、12 章は広告枠の売買、DSP の行動方策、ファーストプライスオークションの特徴といったオンライン広告のビジネス設定から、問題の定式化、予測の役割と実装、広告配信ログの特徴、予測を外したときの対処を含む機械学習予測モデルの運用へと進みます。加えて 7 章「効果検証: 機械学習にもとづいた施策の成果を判断する」は、相関関係と因果関係の区別、ランダム化比較試験、仮説検定の枠組み、A/B テストの設計と実施、Off Policy Evaluation を含むオフライン検証、A/B テストができないときの観察データを使った効果検証まで踏み込む、節数の上で本書の中で最も細かく分かれた章です。

機械学習を仕事にする難しさと、本書の実務目線

機械学習を業務システムに組み込む難しさは、モデルの精度そのものよりも、その周辺にあります。データは時間とともに分布が変わり、学習時に良かったモデルは放っておくと劣化します。予測が正しかったかは後になってしか分からず、正解データをどう集め続けるかという設計が最初から必要です。さらに、オフラインで測った精度が上がっても事業の指標が動くとは限らず、施策の効果を測るには因果推論や統計的な検証の考え方が要ります。本書の第 I 部が、アルゴリズムの選び方や評価指標に先立って「機械学習をしなくて良い方法を考える」ことをプロジェクトの流れに組み込み、ログ設計、リソース収集、継続的トレーニング、効果検証を独立した章として立てているのは、こうした周辺の難しさこそが実務の本体だという立場の表れです。第 2 版で ML Ops、モデルの検証、バンディットアルゴリズム、オンライン広告の新章が加わったことで、モデルを運用し意思決定に使い続ける側面がいっそう厚くなりました。

初めて実務に関わるエンジニアが元を取れる読み方と、向かない人

版元が想定する読者は機械学習を使った実務に初めて関わる人です。著者 3 名は書店掲載の書誌 (出版社提供) によれば、刊行時点で機械学習を利用するためのプラットフォームの開発、機械学習案件の受託、インターネット広告配信サービスの広告配信ロジックの開発にそれぞれ携わっている実務者で、第 II 部の実例はこうした現場に根ざしています。この本で元が取れるのは、アルゴリズムの入門は済ませたものの、版元の言う「機械学習でいい感じにしてくれ」と突然上司に言われたときに、課題の定式化、システム構成、評価と効果検証、運用の継続までを自分で設計できるようになりたいエンジニアです。読み進めると、精度の話と事業指標の話を切り分け、A/B テストの設計や因果効果の推定を含めて施策の成否を説明できる語彙が身につきます。機械学習チームと協業するプロダクトマネージャーやデータ分析の担当者も、第 I 部だけで会話の解像度が上がります。向かないのは、個々のアルゴリズムの数式や導出を体系的に学びたい人と、特定のライブラリの API 解説を求める人で、2 章は「どのアルゴリズムを選ぶべきか?」という問いを軸にした見取り図です。2021 年刊なので、ML Ops や広告配信の実装環境は刊行時点のものとして読む必要もあります。

版元公式ページにはサポートページ (GitHub) への案内が用意されており、読みながら手を動かす助けになります。機械学習を仕事にする最初の 1 冊として、あるいは初版で学んだ人が第 2 版で ML Ops や効果検証の章を補う目的でも、投じた時間の回収は早い本です。モデルを作ることではなく、機械学習で事業を動かすことを目標にする人にとって、2021 年時点の実務知を整理した頼りになる一冊です。

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