ゼロから作る Deep Learning ❹

ゼロカラツクルディープラーニングフォー

強化学習編

ゼロから作る Deep Learning ❹の表紙
プログラミング
著者:
斎藤 康毅(サイトウ コウキ)
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2022年04月06日頃
ISBN:
9784873119755
在庫:
在庫あり
4.83(7 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
プログラミング深層学習強化学習機械学習AIアルゴリズムコード実装理論と実践ディープラーニング学習アルゴリズム

なぜ注目されているか

言及数
132位
総合196位 ↓ 6 ランクダウン 言及 21 件・うち記事 20 件を掲載
出版前出版日01220222023202420252026

書籍紹介

超人気シリーズの第 4 弾ーー今回のテーマは強化学習!
人気シリーズの第 4 弾。今回のテーマは強化学習です。実際のコードを提示し動かしながら学ぶという本シリーズのスタイルを踏襲し、外部ライブラリに頼らず、強化学習を支える基本的な技術やアイデアをゼロから実装しながら学びます。本書では読者が強化学習独特の理論を確実にマスターできるように、強化学習という難解なテーマの構成要素の一つひとつを「理論」と「実践」の双方から丁寧に解説します。数式だけで説明する理論書とは異なり、読者はコードを通してハッとする気づきを数多く得られるでしょう。

技書の森解説

機械学習の中でも、正解ラベルの代わりに報酬を手がかりにして行動を学ぶ強化学習は、教師あり学習を学んだ人が次に取り組むときに独特の理論の壁に当たる分野です。『ゼロから作る Deep Learning ❹』 (斎藤康毅 著、オライリー・ジャパン 発行、オーム社 発売、2022 年 4 月刊) は、副題「強化学習編」のとおりシリーズの第 4 弾として強化学習を主題に据えた一冊で、版元の紹介によれば、実際のコードを提示し動かしながら学ぶという本シリーズのスタイルを踏襲し、外部ライブラリに頼らず、強化学習を支える基本的な技術やアイデアをゼロから実装しながら学ぶ構成です。構成要素の一つひとつを「理論」と「実践」の双方から解説する点を版元は前面に出し、数式だけで説明する理論書との違いをうたっています。公式ページの分類 (TOPICS) は Data Science、Python、AI/LLM で、紙書籍のほか PDF と EPUB の電子版があります。

全 10 章と付録 4 本の構成、バンディット問題から DQN、方策勾配法まで

構成は全 10 章に付録 A から D の 4 本、参考文献と索引が付きます。1 章のバンディット問題で機械学習の分類と強化学習の位置を確認し、バンディットアルゴリズムの実装と非定常問題まで進みます。2 章のマルコフ決定過程で環境とエージェントを定式化し、3 章のベルマン方程式で行動価値関数とベルマン最適方程式を導き、4 章の動的計画法で方策評価、方策反復法、価値反復法を実装します。5 章のモンテカルロ法と 6 章の TD 法は経験から学ぶ手法の柱で、方策オフ型と重点サンプリング、SARSA、Q 学習、分布モデルとサンプルモデルを扱います。7 章「ニューラルネットワークと Q 学習」で DeZero の基礎と線形回帰からニューラルネットワークを組み、Q 学習と結び付けたうえで、8 章の DQN では OpenAI Gym、DQN のコア技術、DQN と Atari、DQN の拡張へ、9 章の方策勾配法では最も単純な方策勾配法から REINFORCE、ベースライン、Actor-Critic、方策ベースの手法の利点へと進みます。10 章「さらに先へ」は深層強化学習アルゴリズムの分類、方策勾配法系列と DQN 系列の発展アルゴリズム、ケーススタディ、深層強化学習の課題と可能性を扱い、付録では方策オフ型のモンテカルロ法、n ステップの TD 法、Double DQN の理解、方策勾配法の証明を補います。

強化学習が難しい理由と、ゼロから実装するアプローチの位置づけ

強化学習が難しいのは、教師あり学習のように入力と正解の対応を覚えればよいのではなく、いま取った行動の良し悪しが遅れて、しかも確率的に返ってくる報酬から判断しなければならない点にあります。価値関数、方策、ベルマン方程式といった概念はそれぞれ単独では短く説明できても、なぜ動的計画法からモンテカルロ法、TD 法へと進むのか、なぜ表で持っていた価値をニューラルネットワークで近似する必要が出てくるのかというつながりが数式だけでは腑に落ちにくく、結果としてライブラリの呼び出し方だけを覚える学び方に流れがちです。本書の章立てはこの順序をそのままたどるため、バンディット問題という最小の設定から始めて、状態が増え、環境のモデルが無くなり、状態空間が大きくなるという難しさの増え方に沿って、強化学習 の各アルゴリズムが何を解決するためのものかを 1 段ずつ実装で確認できます。ニューラルネットワーク を Q 学習に導入する 7 章と DQN の 8 章がその転換点で、付録 C の Double DQN では過大評価とは何か、その解決方法までを押さえられます。

強化学習編を読む前提知識と、向かない読者

前提として、Python でコードを読み書きできることと、確率と期待値、微分の基礎が要ります。版元は本シリーズのスタイルを踏襲すると説明しており、コードを動かしながら理論を確認する読み方に慣れているほど進みは速くなります。一方、既存の強化学習ライブラリをすぐ業務に適用したい人にとっては、外部ライブラリに頼らず実装していく本書は遠回りに感じられるはずで、数式による厳密な証明を主目的にする人にとっても、方策勾配法の証明を付録に置く本書の重心は実装側にあります。10 章「さらに先へ」は、実システムへの適用、MDP として定式化する際のヒント、汎用人工知能システムという見出しで深層強化学習の課題と可能性を扱い、本書を終えた後に何を学ぶかの見取り図になります。

版元公式ページにはサンプルコードと正誤表 (GitHub 上) へのリンクがあり、2026 年時点でも刷数に応じた修正情報を確認しながら読み進められます。ゼロから作る Deep Learning シリーズの他の巻との関係や読む順番は シリーズの読む順番 で整理されています。教師あり学習までは実装経験があり、強化学習だけが数式の壁で止まっている人、DQN や Actor-Critic といった名前は知っていても中身を自分の手で組んだことがない人、論文や既存ライブラリのコードを読むための土台を欲しい人には、投じた時間の回収が早い一冊です。理論と実装の双方から強化学習の構成要素を 1 つずつ積み上げたい人にとって、堅実な出発点になります。

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