人工知能はなぜ椅子に座れないのか

ジンコウチノウハナゼイスニスワレナイノカ

情報化社会における「知」と「生命」

人工知能はなぜ椅子に座れないのかの表紙
AI / 機械学習
著者:
松田 雄馬(マツダ ユウマ)
出版社:
新潮社
出版日:
2018年08月24日頃
ISBN:
9784106038310
シリーズ:
新潮選書
在庫:
在庫あり
4.43(8 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
人工知能認知科学ロボティクスシンギュラリティコンピュータビジョン機械学習哲学的思考視覚認知人間-機械インタフェース認知モデル

なぜ注目されているか

総合2344位

書籍紹介

「知能」とは何かーーあなたは深く考えたことがありますか? シンギュラリティの到来に一喜一憂しても、「人工知能の時代」は確実にやってくる。だからこそ持つべき視点がある。コンピュータがいかに「見て」「動いて」「考える」かを、錯視やロボットの例を用いて徹底解明。そして「生命」を深く考えてこそ分かる「椅子に座る」ことの本当の意味。注目の新鋭研究者が迫る「知能」の正体!

技書の森解説

『人工知能はなぜ椅子に座れないのか』 (松田雄馬 著、新潮社、2018 年 8 月刊) は、新潮選書の一冊で、「知能」とは何かを人工知能の研究と生命の両面から論じる本です。版元の書籍ページの見出しには「情報化社会における『知』と『生命』」が添えられています。版元の紹介文は、コンピューターがいかに「見て」「動いて」「考える」かを錯視やロボットの例を用いて解き明かし、「生命」を深く考えてこそ分かる「椅子に座る」ことの本当の意味に迫る本だと案内しています。版元の著者紹介によれば、松田雄馬は博士 (工学) で、NEC 中央研究所で脳型コンピューター (ブレインウェア) の共同研究などに携わったのち、2016 年に独立した研究者です。

序章から終章までの目次

目次は序章、第一章から第五章、終章、あとがきの順です。序章「人工知能を通して感じる生命への疑問」のあと、第一章「人工生命、そして、人工社会とは何か」は群知能や遺伝アルゴリズム、人間社会をシミュレートする人工社会とモデル化の問題点を扱います。第二章「人工知能の研究はどのようにして始まったのか」は研究の始まりとブームの繰り返しから、神経細胞のモデル化、CNN、「グーグルの猫」までをたどります。第三章「脳はどのようにして世界を知覚するのか」は身体の役割と目の錯覚、第四章「意識にみる人工知能の限界と可能性」は「弱い人工知能」の認識、不良設定問題、フレーム問題、ゴミ収集ロボットに見る中央制御の限界と自律分散の生命システムを取り上げます。第五章「シンギュラリティの喧噪を超えて」はシュレーディンガーの生命観や動的秩序へ進み、書名と同じ題の節を含みます。終章「情報化社会における「知」と「生命」」で、人が主体となる情報化社会の展望を述べて閉じます。

目次に並ぶ不良設定問題とフレーム問題

目に入る像は 2 次元なのに、そこから 3 次元の世界を復元しようとすると、同じ像を生む世界の候補が無数にあり、答えが一つに定まりません。これが不良設定問題です。もう一つのフレーム問題は、ある行為に関係する事柄と関係しない事柄を、有限の時間で切り分けられないという難題で、McCarthy と Hayes が論理に基づく人工知能の文脈で提起しました。

画像認識の性能を大きく押し上げた畳み込み型の ニューラルネットワーク は、画像認識の競技会 ILSVRC で従来の手法を上回ったことで注目を集めました。Google の研究者らが、ラベルの無い動画の画像から猫の顔に強く反応する人工ニューロンが生じたと報告したのが、「グーグルの猫」と呼ばれる成果で、第二章には節「知を生成したと言われる『グーグルの猫』とその正体」があります。深層学習 は、層を重ねたニューラルネットワークで特徴を学ぶ手法です。本書は第三章と第四章で、知覚と身体と意識を取り上げています。

判型と電子書籍、書誌の記録

版元の書籍ページによれば、本書は四六判変型で、電子書籍は 2019 年 2 月 8 日に配信が始まっています。国立国会図書館の書誌では、著者の生年は 1982 年です。本書は、人工生命と人工社会から始まり、人工知能 の研究史、脳の知覚、意識と自律分散、生命観をたどって情報化社会の展望に至る議論を、序章と終章を含む 7 つの章に収めています。

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