現れる存在の表紙

現れる存在(アラワレルソンザイ)

脳と身体と世界の再統合

その他
著者:
アンディ・クラーク/池上 高志/森本 元太郎(クラーク アンディ/イケガミ タカシ/モリモト ゲンタロウ)
出版社:
早川書房
出版日:
2022年07月20日頃
ISBN:
9784150505912
シリーズ:
ハヤカワ文庫NF
在庫:
在庫あり
3.33(4 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
認知科学

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書籍紹介

生命の心は、脳と身体と世界の相互作用から創発する。認知科学の第一人者が、微生物や人工生命などの例を交えて提起する心の科学

技書の森解説

心は頭蓋骨の中に閉じているのか、それとも身体と環境まで含めた系全体に宿るのか。認知科学者アンディ・クラーク氏の本書は、この問いに「心は、脳が身体や環境とかかわり合うところから立ち上がる」と答える身体性認知科学の代表的な一冊です。池上高志氏と森本元太郎氏が訳を担い、 2022 年 7 月にハヤカワ文庫 NF の一冊として文庫化されました。

本書の面白さは、抽象的な心の哲学を、ロボットや人工生命、微生物といった具体的な系の観察に引き付けて論じるところにあります。記号処理としての知能観、つまり脳をコンピュータに見立てて内部表現の計算だけで心を説明しようとする立場に対し、環境に足場を築き身体を通じて考えるという別の描像を積み上げていく構成で、読み進めるほど「知能はどこにあるか」の直感が揺さぶられます。

文庫判で手に取りやすい一方、議論そのものは学術書の密度なので、認知科学や哲学の用語に多少の耐性があると読みやすいはずです。深層学習ばかりが知能の話題を占める中で、ロボティクスや強化学習、エージェント設計に携わる人が読むと、身体と環境を計算資源として使うという発想が設計の引き出しに加わります。 AI の議論を一段深くしたい人にこそ効く古典です。

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