IT Text データベースの基礎

アイティーテキストデータベースノキソ

IT Text データベースの基礎の表紙
データベース
著者:
吉川 正俊(ヨシカワ マサトシ)
出版社:
オーム社
出版日:
2019年05月25日頃
ISBN:
9784274223730
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書籍紹介

情報技術において欠かせない「データベース」の基礎を体系的に解説した教科書。
本書は、データベースの基本概念から、データベースのモデル、SQL、論理設計や DBMS、ファイル編成などデータベースの基礎を体系的に、できるだけ図や例を多く用い、データベースとは何か直感的に理解できる教科書です。

ER モデルから関係モデルへの変換方法だけでなく、「基幹系と解析系 (情報系)」「マスターテーブル、ファクトテーブル、スタースキーマ」なども解説しており、「データベース」の実務的な基礎を固めるうえで役立ちます。

技書の森解説

関係データベースの原理を、データモデルと関係代数から SQL、スキーマ設計、内部の格納と問合せ処理、トランザクションまで一冊で通して学ぶ、大学の講義向けの教科書です。『データベースの基礎』 (吉川正俊 著、オーム社、2019 年 5 月 25 日発売) は、情報処理学会が編集する教科書シリーズ IT Text の一冊です。版元は本書を、データベースの基本概念からモデル、SQL、論理設計や DBMS、ファイル編成までの基礎を、できるだけ図や例を多く用いて直感的に理解できるように解説した教科書と案内しています。ER モデルから関係モデルへの変換方法に加えて、基幹系と解析系の区別や、マスターテーブル、ファクトテーブル、スタースキーマにも触れている点が、実務の基礎を固めるうえでの特徴として挙げられています。

全 8 章の構成、データベースの概念からトランザクションまで

目次は第 1 章「データベースの概念」から第 8 章「トランザクション」までの全 8 章と、巻末の演習問題略解で構成されています。第 1 章は表計算ソフトとの違い、基幹系処理と情報系処理、データ独立性、データベースの歴史を扱い、第 2 章「関係データベース」と第 3 章「関係代数」で関係データモデルと演算の理論を固めます。第 4 章「SQL」はデータ定義言語、問合せの基本、ナル値、ビュー、副問合せなどを取り上げます。第 5 章「概念スキーマ設計」は関数従属性と多値従属性から、ボイス・コッド正規形、第 3 正規形、第 4 正規形と第 5 正規形への分解、ER モデルと関係データベーススキーマへの変換、スキーマの進化を考慮した設計までを扱います。第 6 章「意思決定支援のためのデータベース」は集約関数と GROUP BY、多次元データモデル、次元表と事実表、スタースキーマ、CUBE を用いた集計を、第 7 章「データの格納と問合せ処理」は記憶装置のモデル化、索引、B+ 木、ハッシュファイル、問合せ最適化を扱います。第 8 章は並行処理制御と直列化可能性、トランザクションの回復、標準 SQL の隔離性水準へ進みます。8 つの章はいずれも演習問題で締めくくられます。

理論から内部の仕組みまでを学ぶ意味

関係データベースを道具として使うだけなら、SQL の書き方を覚えれば当面は困りません。それでも理論を学ぶ価値があるのは、設計や性能の問題の多くが SQL の文面の外で決まるからです。ある属性の値が別の属性の値を決めるという関係を見極めて表を分ける データ正規化 は、更新のたびに矛盾が生まれる設計を、作る前の段階で防ぐ手段です。日々の取引を記録する業務のデータベースと、集計や分析のためのデータベースでは表の組み方が変わり、この違いは OLTP と OLAP の対比としてよく知られています。索引の構造を知っていれば、ある問合せがなぜ遅いのか、どの列に索引を張るべきかを、試行錯誤ではなく理屈で判断できます。複数の利用者が同じデータを同時に更新するときにどこまでの干渉を許すかを決める トランザクション分離レベル の選び方は、性能と正しさの釣り合いに直結します。本書はこうした論点を、1 つの製品の機能説明ではなく、関係モデルの理論から順に積み上げて説明する構成です。

情報系の学部生と初級の IT 技術者に向く理由

版元が挙げるおすすめの読者は、情報処理関連の大学学部の学生と教員、そして初級の IT 技術者で、版元ページの段の表示は初級です。関係代数や関係論理は一般に集合と論理の記法で定義されるため、離散数学の基本的な記号に触れたことがあると読み進めやすくなります。一方で、目次に特定の製品名は出てこないため、MySQL や PostgreSQL の設定、運用、チューニングの手順を探している人には題材が合いません。製品ごとの実践書と組み合わせたい場合は、データベースの本の選び方ガイド で段階に合う本を探せます。内容は 2019 年の刊行時点のものですが、正規化や索引、トランザクションの理論は製品の版が変わっても土台として通用します。講義の教科書を探している学生はもちろん、SQL を書いてきたものの設計や同時実行の理屈を我流で済ませてきた技術者が、演習問題で理解を確かめながら基礎を一冊で通し直すのに選びやすい本です。

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