Inkscape パーフェクトガイド

インクスケープパーフェクトガイド

Inkscape パーフェクトガイドの表紙
デザイン / グラフィックス
著者:
ピクセルハウス(ピクセルハウス)
出版社:
技術評論社
出版日:
2023年01月06日
ISBN:
9784297131982
在庫:
在庫あり
5(1 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
InkscapeグラフィックデザインベクターグラフィックDTPイラストレーションデザインソフト図形操作フィルター設定出力

なぜ注目されているか

総合1927位

書籍紹介

無料版 Illustrator といえる人気のフリーウェア「Inkscape」の解説書です。インストールから始まり、基本操作、図形作成、オブジェクト、ツール、フィルター、各種設定から出力まで、Inkscape の機能を丁寧に解説しています。Inkscape の教科書として使うことも、仕事中に Inkscape の機能を手早く調べるなど辞書代わりに使うこともできます。解説にあわせたサンプルファイル (ダウンロードサービスにより入手できます) により、紙面で解説している手順を追体験できます (サンプルファイルがない解説もあります)。本書 1 冊で Inkscape の機能がすべて理解でき、長く使っていけます。
なお、解説している Inkscape のバージョンは 1.2.1 です。

技書の森解説

Inkscape は、拡大しても輪郭が崩れないベクター形式の図版を無料で作成できる オープンソース の描画ソフトです。『Inkscape パーフェクトガイド』 (ピクセルハウス 著、技術評論社、2023 年 1 月刊、B5 判) は、版元が「無料版 Illustrator といえる」と紹介するこのソフトについて、インストールから基本操作、図形作成、オブジェクト、ツール、フィルター、各種設定、出力までの機能を一冊で解説するリファレンス書です。解説対象のバージョンは 1.2.1 と明示されており、通読して学ぶ教科書としても、作業中に機能を手早く調べる辞書代わりとしても使える構成を版元は掲げています。

全 11 章の構成、CHAPTER 00 の導入から出力データまで

目次は CHAPTER 00「Inkscape の基本」から始まり、CHAPTER 10「レイアウトと出力データ」までの全 11 章で組まれています。CHAPTER 00 でダウンロードとインストール、起動と終了、ページサイズの変更を扱い、CHAPTER 01「図形の作成」、CHAPTER 02「オブジェクトの編集」、CHAPTER 03「レイヤーの設定」、CHAPTER 04「カラー / パターンの設定」と描画の基礎を積み上げます。中盤の CHAPTER 05「パスの作成と編集」はパスエフェクト一覧まで含む厚い章で、CHAPTER 06 のテキスト、CHAPTER 07 のフィルター、CHAPTER 08 のエクステンション (拡張機能) と続きます。CHAPTER 09「特殊な操作」ではクローンとタイルクローン、スプレー、画像のトレース (単一スキャン、マルチカラー、ピクセルアート) を扱い、終章の CHAPTER 10 では Illustrator データの読み込み、Web 用としての SVG 書き出し、PNG や JPEG / WebP / TIFF 形式での書き出し、プリントマークと裁ち落とし、商業印刷用の PDF データ作成までを収めます。各章は SECTION 単位に細分されており、見出しから目的の操作へ直接たどれる紙面です。

ベクター形式と SVG を扱うソフトを、IT の仕事で使う意味

ベクター形式は図形を座標と数式で表すため、ビットマップ画像のように拡大で粗くならず、色や線幅を後から編集できます。Inkscape の標準ファイル形式は SVG で、これは Web ブラウザーがそのまま表示できる XML ベースの画像形式です。つまり本書で作ったロゴやアイコン、構成図は、そのまま Web ページに埋め込める素材になります。CHAPTER 10 が Web 用の SVG 書き出しや PNG / WebP への変換を扱っている点は、画像最適化 の観点で Web 制作に携わる人にとって実用的です。エンジニアの場合、技術資料のアーキテクチャ図、スライド用の図解、ファビコンや OG 画像の下絵といった場面で、有償ソフトのライセンス無しにベクター編集環境を持てることが Inkscape を選ぶ動機になります。一方で Inkscape は継続的に更新されるソフトのため、本書の画面やメニューは 2023 年 1 月刊行時点の 1.2.1 を基準にしたものと理解して読む必要があります。

教科書と辞書の兼用、サンプルファイルと前提知識

版元が対象読者として挙げるのは「Inkscape の機能を知りたい人」「Inkscape を使ってデザインやイラスト作成をしたい人」で、既存の描画ソフト経験を前提条件としては掲げていません。解説に合わせたサンプルファイルはダウンロードサービスで入手でき、紙面の手順を実データで追体験できます (版元はサンプルファイルの無い解説もあると注記しています)。機能を網羅する編集方針のため、特定の作品を一つ仕上げる作例集ではなく、CHAPTER と SECTION の見出しから必要な操作を引く使い方が向いた本です。配色やレイアウトといったデザイン原則そのものを学ぶ本ではないので、その領域は別に補う前提になります。

Inkscape パーフェクトガイドを選ぶべき人と、向かない人

一つの作品制作を通して学ぶチュートリアル形式を求める人、デザインの考え方や理論を学びたい人には、本書の網羅型の構成は遠回りに感じられるでしょう。Web デザイン全体の学習順序を組み立てたい場合は、Web デザイン本の選び方 も参考になります。逆に、業務資料の図版や Web 素材を Inkscape で日常的に作る人、無料でベクター編集環境を整えたい個人開発者や小規模チームのエンジニアにとって、操作に迷ったときに引ける一冊が手元にあることは、Web 記事を探し回る時間の節約として早く元が取れます。Inkscape を長く使う道具として腰を据えて覚えたい人に、堅実な出発点となる解説書です。

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