MLflow で実践する LLMOps--生成 AI アプリケーションの実験管理と品質保証
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- 著者:
- 弥生 隆明 / 渡辺 祐貴 / 大内山 浩 / 平田 東夢 / 河村 春孝(ヤヨイ タカアキ / ワタナベ ユウキ / オオウチヤマ ヒロシ / ヒラタ トウム / カワムラ ハルタカ)
- 価格:
- ¥3,960
- 出版社:
- 技術評論社
- 出版日:
- 2026年04月20日頃
- ISBN:
- 9784297155735
- 在庫:
- 1
- 判型:
- 単行本
なぜ注目されているか
書籍紹介
本書は、LLM アプリケーションの開発・運用に必要な一連のプロセスーー観測可能性の確保、品質評価、プロンプト管理、本番展開ーーを、オープンソースプラットフォーム「MLflow」を使って体系的に実践する技術書です。
LLM アプリケーションは、従来の機械学習システムとは異なる難しさを持ちます。プロンプトのわずかな変更が品質に大きく影響し、エージェントの挙動は複雑で追跡が難しく、コストは見えにくい場所で膨らみます。MLflow 3 はこうした課題に正面から向き合い、トレーシング、評価 (LLM-as-a-Judge)、Prompt Registry、AI Gateway といった機能を 1 つのプラットフォームに統合しました。
本書では、シンプルな LLM アプリケーションから始め、RAG システム、マルチエージェントまで段階的にカバーしています。実際に動く Python コードとともに、「作って終わり」ではなく「運用し続けられる」LLM アプリケーションの構築方法を提供します。
技書の森解説
『MLflow で実践する LLMOps』 (弥生 隆明、渡辺 祐貴、大内山 浩、平田 東夢、河村 春孝 著、技術評論社、2026 年 4 月刊) は、LLM を組み込んだアプリケーションを作った後に、品質を測り、変更を管理し、本番で動かし続けるための一連の工程を、オープンソースの MLflow を使って体系的に実践する技術書です。副題は生成 AI アプリケーションの実験管理と品質保証で、技術評論社のエンジニア選書の一冊です。版元は、LLM アプリケーションの開発に興味がある人と、すでに運用していて課題を感じている人に向けた本と案内しています。版元の著者紹介 (刊行時) によれば、著者陣には Databricks Japan に所属し、オープンソースの MLflow の開発を率いる技術者も含まれます。
全 11 章の構成、トレーシングから評価、本番運用まで
目次は全 11 章と付録 A〜C です。第 1 章 LLMOps の世界へようこそ で従来の MLOps との違いを整理し、第 2 章で MLflow の成り立ちを、第 3 章でインストールとサンプルのエージェントを動かす初期設定を扱います。第 3 章では OpenAI 以外に Anthropic、Google Gemini、Azure OpenAI、Amazon Bedrock を使う場合も取り上げています。中核は第 4 章 可観測性の確保 (トレーシングの導入)、第 5 章 改善サイクルを加速する (評価の仕組み)、第 6 章 プロンプトエンジニアリング (プロンプトの運用と管理)、第 7 章 本番環境で動かす (サービングとデプロイメント)、第 8 章 監視と運用 (LLM アプリケーションの健全性管理) の 5 章で、トレースの OpenTelemetry との連携、評価データセットの準備と自動評価、LLM ジャッジのアライメント、Prompt Registry によるバージョニング、AI Gateway によるプロバイダー管理、トークン使用量とコストの可視化、アラート設定までが並びます。第 9 章は非構造文書からの情報抽出、エージェント型の RAG による社内技術文書検索、技術レポート作成のマルチエージェントという 3 つのケーススタディで、第 10 章は Databricks を使ったエンタープライズ環境での活用、第 11 章は LLMOps の展望と組織への定着を扱います。付録は MLflow CLI のリファレンス、トラブルシューティングガイド、用語集です。
LLM アプリケーションの運用が従来の機械学習と違う理由
従来の機械学習の運用では、学習データとモデルの重みを版で管理し、正解ラベル付きの検証データで精度を測るのが基本でした。LLM アプリケーションでは、モデルそのものは外部のサービスから借りることが多く、品質を左右するのはプロンプト、検索で渡す文書、ツールの呼び出し方といったアプリケーション側の組み立てに移ります。しかも出力は自由な文章なので、正解と完全一致するかでは良し悪しを測れません。版元の紹介が挙げる、プロンプトのわずかな変更が品質に大きく影響する、エージェントの挙動は複雑で追跡が難しい、コストは見えにくい場所で膨らむ、という 3 つの難しさは、この構造から生まれます。そこで、1 回のリクエストの中で LLM の呼び出しやツールの実行がどの順にどれだけの時間とトークンで行われたかを記録する 可観測性 の仕組みと、別の LLM に採点基準を与えて出力を評価させる LLM-as-a-Judge のような手法が必要になります。本書はこれらを MLflow 3 の 1 つの基盤の上でつなぎ、記録したトレースを評価に使い、評価の結果でプロンプトを改め、その版を本番へ出して監視するという改善の循環を、Python のコードで組み立てていきます。
前提知識と、本書が合う開発者
読み進めるには、Python で LLM の API を呼び出すコードを書いた経験があると楽です。第 3 章で uv を使った Python 環境の準備から始めるとはいえ、Python や LLM の基本を学ぶ本ではないため、LLM の仕組みや RAG の作り方そのものから学びたい場合は、LLM と生成 AI の技術書の選び方 を参考に先に一冊通しておくと理解が早くなります。また本書は MLflow を軸にしているため、別の観測基盤や評価の道具をすでに選んでいるチームは、考え方の参考として読む形になります。第 10 章は Databricks を前提にした内容です。一方で、試作の段階を越えて社内外に LLM アプリケーションを出したものの、プロンプトを変えるたびに品質が上がったのか下がったのか判断できない、障害の原因を追えない、費用の増え方が読めないといった状況にある開発者にとって、測る、記録する、改める、監視するの各工程を具体的なコードで示す本書は、運用の型を一通り手に入れるための近道になる一冊です。
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