量子コンピュータによる機械学習の表紙

量子コンピュータによる機械学習(リョウシコンピュータニヨルキカイガクシュウ)

著者:
Maria Schuld/Francesco Petruccione/大関 真之/荒井 俊太/篠島 匠人/高橋 茶子(マリア シュルト/フランチェスコ ペトルチョーネ/オオゼキ マサユキ/アライ シュンタ/ササジマ タクト/タカハシ チャコ)
出版社:
共立出版
出版日:
2020年08月28日頃
ISBN:
9784320124622
在庫:
在庫あり
★★★★☆4(1 件)
中級者向け
機械学習量子コンピュータ量子機械学習量子力学数学アルゴリズムコンピュータサイエンスデータサイエンス理論コンピュータサイエンス研究

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言及数
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総合
466
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書籍紹介

量子機械学習は,量子力学に基づく計算手法という新しい概念と,近年隆盛をむかえる機械学習の両者が相まって非常に興奮を覚える新しい分野に感じられる。しかしその基礎を押さえた書籍は意外なことに少ない。研究内容を紹介するような文献はいくつか見られるものの,両者の初学者が手にとり,そしてお互いの分野を知り,橋渡しをするような本当に求められている人材を育成するような教科書になる文献は存在しなかった。

本書は,機械学習の概観を知り,しかし優しい言葉でわかったような気になるのではなく,量子機械学習の枠組みに昇華させるために必要な数学的な要素や用語を押さえて,後で納得感が得られる伏線がしっかりと張られた心地よい構成になっている。量子力学の説明にしても,従来の教科書の記述が冗長であると喝破して,必要最小限の記述で,直接的に量子コンピュータ,量子機械学習へのガイドとなっているところは,急速に進化するこの分野における教科書としての位置付けが明確である証左とも言える。いわゆるゲート式,アニーリング式のどちらに偏ることもなく,これまでの研究で重要な起点,進展の重要なところを取り上げており,読み終わった後に現在の研究の最前線においても陳腐化しない知識を抑えることができる。

本書はそうした量子機械学習の研究を始めるにあたり,それぞれの分野の研究者を始め,企業の開発者,大学院生,学部生が読み進めるのにちょうど良い難易度で,バランスよく両分野を意識した配置で書かれた良書である。

「量子機械学習,ないしは量子コンピュータの研究は,言葉だけを受け取ると障壁が高いように感じられる。しかしながらその正体は,両者の分野の過不足のない洗練された内容を学ぶチャンスと言える。両者ともに歴史が古いようで数学や物理学の多くの分野とは異なり,まだ新しい。特に量子コンピュータの登場により,量子力学は学ぶ内容や道筋について,再考が求められているときに来ているだろう。機械学習においてもだいぶその数理的内容が網羅的に整備された後であることを考えると,コンパクトにまとめて両者の関係を見つめながら学ぶのにもっとも効率的な時期を迎えていると個人的に強く思う。本書はそういう背景も踏まえて,だいぶスムーズに基礎的な事柄について学ぶこともできるため,どちらの分野にとっても有益で,相補的な書籍になることが期待できる。」
(監訳者まえがき より)

技書の森解説

古典コンピュータ上の機械学習と量子計算が交わる領域は急速に研究が進んでいますが、両分野の基礎を同時に押さえた教科書は限られています。 Maria Schuld と Francesco Petruccione による本書は、量子情報理論の基礎 (量子ビット、ゲート操作、測定) と機械学習の基礎 (カーネル法、ニューラルネットワーク) を並行して導入し、量子回路を学習モデルとして活用するフレームワークを体系的に示します。

本書の特長は、量子機械学習を「量子コンピュータの上で古典アルゴリズムを高速化する」話に閉じず、量子状態空間を特徴空間として用いるカーネル的視点や、パラメトリック量子回路の変分最適化といった理論的枠組みを丁寧に展開している点です。数学的な議論が中心で、線形代数・確率論・微分の基礎は前提として求められます。

対象読者は、量子計算に関心のある機械学習研究者、あるいは機械学習の文脈で量子情報を活かしたい物理系の大学院生です。実装よりも理論的な見通しを得ることに主眼があり、「量子機械学習で何ができて何ができないのか」の境界を理解するための土台を提供する学術書です。

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