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インターネットは民主主義になにをもたらすのか

セキュリティ
著者:
キャス・サンスティーン/伊達 尚美(キャス サンスティーン/ダテ ナオミ)
出版社:
勁草書房
出版日:
2018年08月31日頃
ISBN:
9784326351763
在庫:
在庫あり
4.5(4 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
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なぜ注目されているか

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書籍紹介

SNS の浸透により危機に瀕する民主主義。正しく熟議を確保する方策とは? サンスティーン教授が示す市民の基礎教養。

オンライン世界がいかにして「サイバーカスケード」を生み、「確証バイアス」を利用し、われわれを「分極化」するのか。民主主義の活力源である共有されるべき会話、経験、相互理解はいかにして危機に瀕するのか。現状を丁寧に解説したうえで、諸刃の剣インターネットを民主的な熟議に活用するための実際的、法的な改善点を提案する。

技書の森解説

自分好みの情報だけが流れてくるタイムラインは快適ですが、その快適さは民主主義にとって毒にもなり得ます。憲法学者キャス・サンスティーン氏による本書は、インターネットが民主主義に何をもたらすのかを正面から論じた一冊で、伊達尚美氏の訳により勁草書房から 2018 年 8 月に刊行されました。副題はそのものずばり「インターネットは民主主義になにをもたらすのか」、原題は『#REPUBLIC 』です。技術書ではありませんが、情報を選び出して並べる アルゴリズム を書く側の人間にこそ突き刺さる内容です。

サイバーカスケードと分極化の構造

議論の中心にあるのは、似た意見の者同士が閉じた空間で反響し合い、集団として極端な立場へ流れていく「サイバーカスケード」の構造です。オンラインの情報環境が確証バイアスを利用し、社会を分極化させていく過程が丁寧に解きほぐされます。本書が守ろうとするのは、版元の言葉を借りれば民主主義の活力源である「共有されるべき会話、経験、相互理解」です。見たいものだけを見られる自由が徹底されるほど、立場の違う他者と偶然出会い、同じ出来事を共有する機会が痩せていく。この逆説を、扇情的な告発ではなく学者の筆致で積み上げていきます。

悲観で終わらない、熟議のための処方箋

本書の価値は現状分析で止まらない点にあります。著者はインターネットを諸刃の剣と捉えたうえで、民主的な熟議に活用するための実際的・法的な改善点の提案まで踏み込みます。ここで効いてくるのは、フィードに何が流れるかは自然現象ではなく設計の産物だという視点です。どの情報を残し、何を上位に並べ、偶然の出会いをどれだけ許すか。その一つひとつが誰かの設計判断である以上、情報環境は設計し直せるはずだという前向きな議論が本書を貫いています。 2018 年の翻訳刊行から時間は経っていますが、扱われている構造そのものは SNS のサービス名が入れ替わっても持ち越されてきた問題です。

エンジニアが読む意味と向いている読者

推薦機能やパーソナライズを実装するエンジニア、プラットフォームの運営やコミュニティ設計に携わる人が、自分の仕事の社会的な副作用を考えるための一冊です。学術的な翻訳書らしい論述の厚みはあるものの、読むために特別な前提知識は要りません。逆に、 SNS 論の手軽なまとめや実装のテクニックを期待する人には合いません。自分の書いたレコメンドのコードがユーザーを世界に開いているのか、それとも閉じ込めているのか。その問いを言葉にする道具が欲しい人にとって、長く手元に置く価値のある本です。

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